2020年1月16日、「中国国内で広がっている新型肺炎患者が日本でも初めて確認された」と厚生労働省が発表しました。
新型肺炎というのは、「新型コロナウイルスに関連した肺炎」ということです。それでは、新型コロナウイルスとはなんなのでしょうか?
今回は、「新型コロナウイルスの危険性」についてご紹介します。
そもそも「コロナウイルス」ってなに?
コロナウイルスとは、人や動物の間で広く感染症を引き起こすウイルスです。
そして、「コロナウイルス」と一言でいっても人に感染症を引き起こすものは、これまでに6種類が知られています。
ただ、深刻な呼吸器疾患を引き起こすことがある、「重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)」と「中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)」という2種類のコロナウイルス以外は、感染しても通常の風邪などの症状にとどまります。
それでは、新型コロナウイルスとはなんなのでしょうか?
新型コロナウイルスってなに?
ことの始まりは、中国湖北省武漢市から、2019年12月12日~12月29日までに原因不明の肺炎患者の発生が確認されたことでした。
そして、2020年1月14日神奈川県内の医療機関から管轄の保健所に対して、中華人民共和国湖北省武漢市の滞在歴がある肺炎の患者さん(30代:男性)が報告されました。
それでは、新型コロナウイルスは「危険な病気」なのでしょうか?
新型コロナウイルスの2020年1月16日時点の現状は?
新型コロナウイルスは、当初、中国武漢で発生した患者は59例と報道されていましたが、その後41例に修正されました。
また、タイでも武漢からの旅行者(61歳の男性)が新型コロナウイルスと1月12日に診断されましたが、現在は安定しているようです。
そして、日本で初めて発症した先程の男性は1月10日に入院し、15日にはすでに退院されています。
つまり、2020年1月17時点で新型コロナウイルスは43例あることが分かります。ただし、すでに亡くなられている患者さんもいらっしゃいます。
《武漢での41例》
- 7例→すでに退院
- 6例→重症
- 2例→死亡(61歳男性:肝疾患と悪性疾患の持病があった / 69歳男性:心筋炎・多臓器不全による)
つまり、43例中2名が亡くなられ致死率は4.6%。
そして、いずれも高齢者ということから、他の疾患と同じように高齢者は重症化のリスクがあることが見てとれます。
ただ、昔流行ったペストや結核のようないわゆる「死の病」ではないことが分かります。
感染力はそもそも弱い?
例えば、インフルエンザならあっという間に学級閉鎖になり、それだけにはとどまらずどんどん感染は拡大していきますよね。
ですが、新型コロナウイルスは発見されてから数週間経過していますが、いまだに拡大はみられていません。
ちなみに、致死率はSARSやMERSが3、4割と多くの死者をだしていることからもそれほど危険な感染症ではないことがいまのところ指摘されています。
ただ、「なぜ、限定的な感染なのか?」など、分かっていないことも多いため、警戒は必要です。
*少なくとも、パンデミックになる心配はなさそうです。
→インフルエンザについてはこちらの記事で紹介しています。
新型コロナウイルス関連肺炎を疑う定義は?
- 発熱(37.5℃以上)かつ呼吸器症状を有している。
- 発症して2週間以内に、(ア)武漢市内に訪れた。(イ)武漢の患者や疑いのある患者と2m以内での接触歴がある。
この2つともに当てはまると、新型コロナウイルスが疑われます。
→2020年1月15日10時点の情報をもとに作成されています。(今後、変更される可能性あり)
このように、かなり限定的な定義になっています。
実際、厚生労働省は日本で発症した男性が搭乗した旅客機について「乗客全員を調べることはしない」ようです。ただ、濃厚接触をした人を把握するための調査は進めていくようです。
最後に
「濃厚接触」なんていうと、性的な意味合いを考える人がほとんどかもしれません。
確かに、キスや抱擁なんかも濃厚接触にはいりますが、今回の新型コロナウイルスではそういったことはなく、それ以外の濃厚接触が疑われています。
《濃厚接触というのは・・・》
- 食器の共有
- 身体活動
- 結果的に呼吸器分泌物へ暴露したと思われるその他の接触
つまり、「感染者のそばを歩行した」とか、「待合室などで患者と向かい合って座った」といった行為は含まれません。
それこそ、「衣食住を共にしている」・「仕事の席が近い」など、時間的に長く一緒にいるイメージ、それが「濃厚接触」です。
ちなみに、患者さんに接触した約1,000人の追跡対象者の中でその後、発症者が出ていないことから、「そう簡単には人から人へ感染することはない」ということが指摘されています。
新しい感染症が発生すると、大問題のように報道がなされます。
ただ、感染症の危険性が分かるのはこれからです。どうしても、分からないことは不安になりがちです。現実問題として、報道も過熱気味になってしまいます。
ですが、調べれば情報は自分で手に入れられる時代になりました。過熱報道に誘導されないように、冷静に新しい情報を取りに行く練習にしていみてはいかがでしょうか。
参考
厚生労働省:新型コロナウイルスに関連した肺炎の患者の発生について
→https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08906.html
yahooニュース!:中国・武漢の新型コロナウイルス感染症について現時点で分かっていること(2020年1月17日現在)
→https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20200116-00159079/
Jcastニュース:新型肺炎患者の「濃厚接触」とは? 厚労省に定義を聞くと…
→https://www.j-cast.com/2020/01/16377336.html?p=all
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