余った薬はどうしてる? ~薬の「使用期限」と「破棄の方法」~

 

皆さんは、余った薬をどうしていますか?

「余る」ということは症状が改善した場合だと思いますが、「捨てるのはもったいない!」と考えて保管される方も多いのではないでしょうか?

今回は、そんな「余った薬はどうすればいいの?」についてご紹介します。

 

薬の使用期限は?

そもそも、薬は未開封の状態で製造してから3~5年程度は効き目が変わらないように、品質を確認する試験が行なわれています。(6ヶ月~3年が使用期限の目安)

薬は、「よく効く」だけでは不十分ですよね。なによりも「安心して使える」ことが第一です。そのため、製造・流通・使用などさまざまな過程で高水準で厳しい品質管理が行なわれています。

薬事法により、厳格な管理が義務づけられている。

また、薬局などで購入できる一般用医薬品の場合は、外箱に使用期限が印刷してあるため、それを確認すれば使用期限はすぐに分かります。

ちなみに、液状の薬(シロップ剤・点眼剤など)は、開封後は品質が変わりやすいため特に注意が必要です。

 

開封してしまうと期限は関係ない!

  • 目薬・・・開封後1ヶ月以内に使い切るのが原則。(古い目薬は、感染や充血の原因になることも)
  • 水剤・・・開封されて希釈されたものなら、14日間が目安。
  • 軟膏・クリーム・・・開封後は6ヶ月~1年。2種以上の混合軟膏はさらに短い。
  • 坐薬・・・冷蔵保管で半年~1年。

Tumisu / Pixabay

 

処方された薬の「飲み残し」はどうすればいいの?

そもそも、服薬が残っている時点で、用法用量をまもっていないことになるのですが・・・

病院などで処方された医薬品の場合、自己判断で購入する市販薬とは違い、医師が診察時の患者さんの体調や症状などに合わせて、最適に処方された薬です。

これは、市販薬とは徹底的に違う点ですよね。本来なら、自己判断でどうこうしていいものではありません。つまり、医師の指示通り全て飲みきるか、何かあれば医師に確認する必要があります。

つまり、飲み忘れなどで残った場合、その後の同じような症状に使用したり、間違っても他人にあげたりしてはいけません。

→自己判断で使用することで、効果がないならまだいいのですが「症状の悪化」「副作用」がでることがあるため、注意が必要です。

これは、塗り薬でも同じことが言えます。

 

余った軟膏を使った場合の危険性!?

例えば、チューブの軟膏の場合はおしりの部分に使用期限が印字されていますよね。

開封後は、半年ぐらいの間に使用することが目安です。

また、容器に入っている混合剤の場合は、4週間までは効能の変化がないことが試験されている場合が多いです。つまり、時間が経つことでたいてい薬の効き目が弱くなっていきます。

他にも、さまざな危険性があります。

  • 薬が変質してかぶれを引き起こす。
  • 雑菌が増殖。

このように、使い残した軟膏は薬ではなく毒になる可能性があります。

qimono / Pixabay

 

《薬を飲み忘れたら!?》

  • 次の服薬時間まで時間があればすぐに服用する。
  • 服薬時間が近かったり、その時間がきてしまった場合は1回分はあきらめる。(2回同時に飲むのはNG!)

 

目安としては・・・

  • 1日3回服用→次回服用まで4時間以上あける。
  • 1日2回服用→   〃  5時間以上あける。
  • 1日1回服用→   〃  8時間以上あける。

 

薬の保存方法はそれぞれ違う!?

例えば、坐薬は冷蔵庫に保存することは多くの人がご存じですよね。

特に、子育て中のママさんやパパさんは、子どもの急な発熱に対応するため冷蔵庫にいくつか保管(半年~1年が目安)されているのではないでしょうか?

できれば、薬箱にまとめて片付けておくことができればいざというときに便利ですが、坐薬のようにそういうわけにもいかない薬もあります。

→「温度」・「湿度」・「光の影響を受けやすい」など、薬に適した保存方法を守る必要がある。

 

《薬の一般的な保管方法》

  • 室温保存・・・30℃以下
  • 冷所保存・・・15℃以下
  • 凍結する場所は不可

例えば、真夏の炎天下に70℃を超える車内に薬を放置することは論外となります。

市販薬なら、保存方法は外箱などに記載がありますし、処方薬なら渡された薬に保存方法が書かれた紙が入っています。(処方された薬が入った袋と一緒に保管する)

つまり、薬は「未開封」・「正しい保管方法」で保管した場合の使用期限が記載されていますので、開封していたり、間違った保管場所に放置した場合はその限りではありません。

さて、このように余った薬は、さまざまな理由で出てきてしまいます。それでは、本題の余ってしまった薬はどうすればいいのでしょうか?

 

余ってしまった薬はどうすればいいの?

薬は、そもそも処方されたものを使うことが大原則です。坐薬の場合は、医師からいざという時のために置いておくことが助言されるかと思います。

ですが、そういった医師の指示がない限り、症状が落ち着いて基本的に使わなくなった薬は、捨てる必要があります。

理由は、効果がないどころか副作用が引き起こされる可能性があるためです。

それでは、どうやって捨てればいいのでしょうか?

 

薬の捨て方とは?

薬を捨てるときは、「容器から取り出して破棄」が大前提です。

  • 顆粒・錠剤・軟膏・・・紙や封筒に包んで可燃ゴミに出す。
  • 目薬などの液剤 ・・・新聞紙や布に吸収させてから可燃ゴミに出す。
  • 容器・・・薬の容器、包装には、リサイクルマークが表示されているため、「紙」「プラ」のマークに従って分別する。
  • エアゾール剤や噴射剤・・・中身を出すときは、火気のない屋外で実施。

*お住まいの自治体の分別・収集に従って下さい。

 

最後に

残った薬は、飲み薬にしろ、塗り薬にしろ「もったいない!」と考えて残しておく人が多いと思います。

特に、子育てをしていると子どもが発疹などで何度も受診しなくてはいけなくなるかもしれません。

ただ、軟膏1つとっても例えば、前回紹介したステロイドは塗布する箇所によって吸収が変わるため塗布する場所が指定されています。

 

ステロイドについては、こちらの記事で紹介しています。

ステロイドは種類によって副作用も違う!? ~勘違いしていませんか?~

このように、薬は自己判断でできるものではなく、取扱いには専門的な知識が必要になります。また、ネットで知識はひろえても、経験はどうにもなりません。

そういう意味では、市販薬を薬剤師などに相談せずに買うよりも、せめて相談してから買ったほうが安心です。

そして、くれぐれも残った薬。特に開封された薬はすぐに捨てるようにして下さいね。また、子どもの誤飲もありますので、放置にはご注意下さい。


参考

製薬協
http://www.jpma.or.jp/medicine/med_qa/info_qa55/q38.html
http://www.jpma.or.jp/medicine/med_qa/info_qa55/q29.html

マイベストプロ
https://mbp-japan.com/toyama/chiekocl/column/1601708/

日本皮膚科学会
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa39/q08.html

全日本民医連
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa39/q08.html

Kracie
http://www.kracie.co.jp/soudanshitsu/qa/10114109_4569.html

 

 

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