前回、痛みを放置して慢性化すると「記憶される」ことをお伝えしました。
記憶されることで、「触っただけで痛い!」なんてことも起こります。
多くの人は、そんな「痛み」から解放されるために痛み止めを使うのではないでしょうか?
今回は、そんな「痛み止めの注意点」についてご紹介します。
→「痛み」については、こちらの記事で紹介しています。
そもそも「痛み」にはどんな種類があるの?
❶侵害性受容性疼痛
炎症や刺激による痛み。
- 切り傷
- 火傷
- 打撲
- 骨折
などがこれに当たります。
➋神経障害性疼痛
「神経が障害」されることで起こる痛み。
- 病気などによる神経の切断・圧迫
❸心理・社会的な要因によって起こる痛み。
- 人間関係のストレスなど
このように、そもそも痛みには種類があり痛みが長引く場合は、「こういった痛みが複合的に絡みあっている場合が多い」とされています。
つまり、まずは自分の「痛みの原因」を知る必要があります。
というのも、そもそも痛み止めは症状別に選ぶ必要があるためです。
症状別の痛み止めの種類
頭痛の場合
- アスピリン →アレルギー体質の人は、ピリンアレルギーを引き起こす可能性がある。
- アセトアミノフェン
- イソプロピルアンチピリン
- イブプロフェン
- ロキソプロフェン
このような成分が入っている痛み止めを選ぶと効果的です。
特に、テレビCMなどでよく流れているロキソニンSは効き目も早く、胃への負担も優しく、眠くならない痛み止めのため、万能タイプの痛み止めです。
ただ、当然のことながら「全ての痛み止めよりもすぐれている!」というわけではありません。
そもそも、第一類医薬品(薬剤師からの情報提供が義務づけられている)のため、どこのドラッグストアでも購入できるわけではありません。
生理痛の場合
- アスピリン
- アセトアミノフェン
- イブプロフェン
- ロキソプロフェン
このような成分が入っている痛み止めを選ぶと効果的です。
先程、紹介したロキソニンSですが生理痛に対しては子宮への移行が高いイブプロフェンを使用した方が効果的です。
このように、痛みよって痛み止めは使い分ける必要があります。
歯痛の場合
- アセトアミノフェン
- イブプロフェン
- ロキソプロフェン
このような成分が入っている痛み止めを選ぶと効果的です。
歯痛の場合は、どの「痛み止め」も大差なく効果を発揮します。
ただ、あくまでも歯医者へ行くまでのつなぎでしかないため早く歯科を受診する必要があります。
関節痛の場合
- アセトアミノフェン
- アルミノプロフェン
- ロキソプロフェン
このような成分がはいっている痛み止めを選ぶと効果的です。
関節の痛みに対しても、歯痛と同じで成分に限らず効果を発揮します。
特に、「アルミノプロフェンは関節液に長くとどまる」と言われています。
さて、気付いた方もいらっしゃるかもしれませんね。
頭痛・生理痛・歯痛・関節痛の痛み止めについて紹介しましたが、共通している成分があります。
それは、「アセトアミノフェン」と「ロキソプロフェン」です。
ただ、「この成分が入っていればいい!」というわけではなく、基本的にはあなたにあった痛み止めを選択する必要があります。
というのも、そもそも痛み止めを選ぶときはさまざまな注意点があるためです。
痛み止めは万能薬ではない!
今回の記事でもっとも言いたかった内容なんですが・・・
- 「眠くなりにくい痛み止め」はありますが、「眠くなりにくいだけ!」です。車の運転等は控える必要があります。
- 鎮痛剤は、空腹時は避け食後に服用。(成分によっては胃へのダメージが大きい)
- 長期間(一週間以上連続して)服用は避ける。
- お酒と一緒に服用すると毒性増強の要因になる。
- かぜ薬と併用すると成分が重複するため、同時服用は避ける。
- アレルギー体質の人は医師へ相談。
他にも、年齢区分をしっかり確認する必要があります。
- 15歳未満には子ども用の薬。
- 65歳以上の高齢者は、生理機能の低下により薬剤の作用が強くでる恐れがあります。
このように、痛み止めには用法用量だけでも守るべき注意事項がたくさんあり、素人考えで個人で痛み止めを選択すること自体にリスクがあります。
ワンポイント! 「薬の種類(形態)によって効果が違う」
- 飲み薬・・・全身に効果
- 座薬・・・飲み薬よりも素早く全身に効果
- 貼り薬・塗り薬・・使用した部分に作用。
このように、薬の形態によっても効果が全く違います。
それでは、もしも用法用量を無視して多飲すると、どんなことが起こるのでしょうか?
痛み止めの「多飲」
痛み止めに限ったことではないですが、薬を多く服用してしまうと効果よりも副作用のリスクが上回ります。
消化器症状
- 食欲不振
- 胃もたれ
- 腹痛
など。
そして、ひどくなれば消化性潰瘍を引き起こします。
- 胃腸への激痛
- 胃炎
- 胃潰瘍
など。
つまり、空腹時は服用を避ける必要があり病院では、胃の粘膜を保護するための薬が合わせて処方されます。
*市販薬の中には、胃の粘膜を保護する薬が配合されているものもあります。
薬物乱用頭痛
例えば、「頭痛を抑えるために、痛み止めを飲んだ」
ですが、痛み止めを飲んだことが原因で頭痛が起これば本末転倒ですよね。
偏頭痛の治療薬や市販の鎮痛剤を頻繁に服用することで、頭痛がひどくなるという報告がすでにあります。
つまり、「頭痛がひどくなりさらに痛み止めを服用する」といった悪循環に陥ることになります。
その他
- アレルギー症状(発疹・蕁麻疹:じんましん)
- 中毒性表皮壊死融解症→重篤な皮膚障害
- 腎不全
- うっ血性心不全
- 間質性肺炎
- 消化性出血
- 肝機能障害
- ぜん息発作
- 髄膜炎
- 横紋筋融解症
- 再生不良性貧血
といった重大な副作用症状が起こる可能性もあります。
つまり、命に関わる可能性があります。
とはいえ、通常は用法用量を守れば副作用が起こることは希です。
私達にできることは、市販の薬を購入するときは薬剤師に確認し、箱に書いてある用法用量を守ることです。
→当然、痛みに対してはそもそも受診することが推奨されます。
最後に
痛みは、身体の危険信号です。
もし、痛み止めが効かないなら・・・
- 症状に合っていない
- 症状が悪化している
- 原因が他の疾患にある
といった可能性が高く、いくら服用しても改善されないだけでなく、副作用に苦しむことになりかねません。
その痛みは、身体の警告です。
へたに痛みが和らぐことで病状が進行し、手遅れになる可能性もあります。
痛み止めは、あくまでも痛みに対する対処療法で根本治療ではありません。
慢性的な痛みになる前に受診しないと、その後の人生に大きな影響を及ぼす可能性が高くなります。
痛み止めを服用しないといけないほどの痛みなら、早い段階で受診して下さいね!
参考
まつもと整形外科
→http://matsumoto-seikei.net/monologue-2/#003
全日本民医連
→https://www.min-iren.gr.jp/?p=25109
EPARK:飲みすぎ注意! 痛み止めを飲みすぎると起こりうる症状とは
→https://www.kusurinomadoguchi.com/column/articles/eyfed
ときわ会
→http://www.tokiwa.or.jp/columns/sukoyaka/
ここからクラブ
→https://www.cocokarafine.co.jp/f/dsf_howto201707012621y
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