妊婦さんが感染したら? 日本産婦人科医会の方針とは?

 

私のブログはもともと子育てブログですので、今回は基本に立ち返って子どもに関する内容にしたいと思います。

ただ、内容は新型コロナウイルスと妊婦さんについてが中心になります。ですが、せっかくですので現状報告も兼ねて少しお話ししたいと思います。

私には、1歳(娘)と3歳(息子)の子ども達がいますが、息子は2020年4月9日(木)に入園式が時短で行われました。

中身としては、入園生(49名)の名前の読み上げ・園長先生と担任となる先生達の紹介。そして、最後に事務連絡。わずか15分足らずで終了してしまいました。

とはいえ、予定通り入園式が行われ「入園式の写真」も撮影できる機会を与えてもらったことは、親として感謝しかありません。

ただ、入園児に配布されたプリントには「4月23日まで休園する」旨の内容が書かれていました。

なんとなく、他の園の話しは聞いていたので「そりゃそうだよね・・・」と予想通りだったため、それほどショックはありませんでした。

現在行われている外出制限については、先日、「8割おじさん」に関する記事で書いたところです。

「なぜ、外出制限が8割必要なのか?」についてはこちらの記事を見て頂けるといいかと思います。

なぜ、外出制限は8割なのか?

外出制限の数値を決めた「8割おじさん」 ツイッターで生の説明

それでは、日本産科婦人科学会が発表している「新型コロナウイルスと妊婦さんへの影響」についてご紹介します。

 

妊婦さんへの特別な影響は?

不謹慎なことは分かっていますが、親としては「この時期の出産を避けることができて良かった」と妻と話すことがあります。

というのも、あと1年出産が遅かったら、私は娘の出産の日に産婦人科にすら入れなかった可能性が高いからです。ちなみに、娘が産まれた産婦人科はもともと出産時に立ち会うことができない病院でした。

これから出産される方も大勢いらっしゃいます。そもそも、妊婦さんにとって今回の感染症に関係なく、元気に産まれてくるか不安になることが当たり前ですよね。

ただ、新型コロナウイルスに関しては、それほど悲観しなくてもいいことが「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応(第三版)」でまとめられています。

 

「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応(第三版)」

2020年4月7日発表

❶一般の人と感染率はほぼかわらない!

これまで、世界中で猛威をふるっている感染症ですが「妊婦さんが特別このウイルスにかかりやすい!」という報告はありません。

→つまり、新型コロナウイルスよりも、むしろインフルエンザなど他の病気に気をつける必要があります。ただ、コロナ対策ができているのならインフルエンザ対策もできているため、必要以上に怖がる必要もなさそうです。

 

➋妊娠中の重症化率も一般の方と同じか「むしろ低い!」

集中治療室入出率なども、人口当たりになおすと、むしろ低めの報告がされています。

ちなみに、「妊婦さんは免疫力が低下しやすいため新型コロナウイルスにもかかりやすい」なんて真偽の不明の情報がSNSで拡散されています。

正確な情報は、産婦人科の先生や産婦人科学会が発表している情報を確認しないと、無用な混乱に巻き込まれますのでご注意下さい。

 

❸母子感染は、あるかないか分からないぐらいの報告しかない!

  • 武漢で、「出生後30時間の新生児に感染が見られた」という報道はあったが、そもそも子宮内感染かどうか分かっていない。
  • 胎盤病理分析を行った3例で、母子感染は確認されていない。
  • 妊娠中に新型コロナウイルスに罹患した妊婦さん13例のうち、1例で妊娠34週の子宮内胎児の死亡が報告された。ただし、胎児へのウイルス感染ではなく、母体の「重症肺炎」と「他臓器不全」だった。
  • 妊娠中に新型コロナウイルスに感染した妊婦さんが、出生した新生児にコロナウイルス抗原は検出されていない。
  • ウイルス抗原は検出されていないが、「*IgM抗体が検出された」という報告はあるため、一定の頻度で子宮内感染が生じている可能性がある。

*IgMというのは、私達が細菌やウイルスに感染したとき、最初に作られる抗体です。

つまり、抗体が検出されている以上、胎児に子宮内感染をするであろう形跡は見受けられています。

ただ、だからといって、例えば風疹のように「先天性風疹症候群」のような後遺症などがみられているわけでもありません。

新型コロナウイルスの子宮内感染を心配するよりも、母体(お母さん)をいかに心身共に健康的に維持できるかがはるかに重要です。

そして、新型コロナウイルスのための特別な対処が必要というよりは、インフルエンザ対策をこれまで通り続けていくことが必要になりそうです。

大前提として、産婦人科医との約束を守ることが基本です。というより、特に今の状況では医師・母体・胎児・周囲の人達を守るために指示に従うことは絶対です。

 

妊娠後期での感染で出産する場合は?

❶「受け入れ可能な施設」での出産。

➋「母乳にウイルスが含まれる」という情報は、上記の4月7日第三版の報告でもありません。ただし新生児には、完全な人工栄養にする必要があります。

  • 直接哺乳時の飛沫感染
  • 搾乳器による接触感染

こういったリスクがあるためです。

❸母子双方ともPCR検査でウイルスが陰性となるまで母胎との接触は避ける。

❹施設の感染対策に割くことができる医療資源・肺炎など妊婦さんの全身状態に鑑み、「分娩管理時間短縮」を目的とした帝王切開を考慮。

このように、感染した状態で出産にのぞむ場合は、「自然分娩を選択できない」・「しばらく母乳を直接あげることができない」・「出産後しばらく新生児と離される」こういった対策がなされる可能性が高いです。

他にも具体的にどういった対策がなされるかは、産婦人科医との話し合いによると思いますが、全体の流れを把握していれば不安をかなりの部分軽減することができるでしょう。

 

最後に

日本産婦人科医会会長が2020年4月7日に「妊婦中の皆様へ」というお願いをだされています。

  • 急な帰省分娩は避ける。

→分娩は予約された数によってその体制が決まっています。特に地方の小規模施設は急に受け入れる余裕がないことがほとんどのため、移動するほうがリスクがあります。

  • 感染予防のため、「立会分娩」や「面会」といった付加的な医療サービスが制限される。
  • 妊婦健診の間隔を延ばしたり、超音波検査の回数を減らす、パートナーの立ち会いを断る場合がある。
  • 感染予防のために現在新型コロナウイルスに感染中の方や強く疑われる方の分娩方法や授乳方法を変えざるを得ないことがある。

タダでさえ少なくなっている産婦人科が、院内感染により閉鎖されてしまってはそもそも出産の危機に陥ることになりかねません。

そのため、産婦人科でもこういったルールが設けられるようになりました。

新型コロナウイルスの影響を受けていない人を、探す方が難しい状況となりました。これは仕事だけでなく、子どもを授かった瞬間から、巻き込まれていきます。

そんな不安なときに、SNSはとても便利ですがその情報はどこから発進された情報なのか?

どんな情報を参考にして発信されているのか?

確かめる癖をつけるようにして下さいね。

*日本産婦人科医会で「妊婦さんと新型コロナウイルスの最新情報」はこちらで掲載されています。

 

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