「タックスフリー」と「デューティフリー」 免税店の免税とは?

 

この記事では、免税店の種類とルールについてお伝えしています。

皆さんは、「税金」を支払っているでしょうか?

少なくとも、小さい子どもであっても商品を購入した経験があれば支払っていますよね。

そんな身近な税金と言えば、「消費税」。

今回は、そんな「消費税などを支払わなくていい免税店」について紹介します。

 

「免税店」と言えば?

免税店と言えば、例えば空港などにある「免税店」を思い浮かべるのではないでしょうか?

ですが、「免税店」と一言でいっても、「Tax-free shop」と「duty -free syop」の2種類があります。

それでは、そんな免税店ではどんな税金が免税されるのでしょうか?

 

❶「Tax-free shop」は、消費税が免税!

観光庁の発表によれば、2021年3月31日時点で全国の免税店数はなんと54,722店舗にも及んでいます。

そして、私達が街中でよく目にするのは、この「Tax-free shop(タックスフリーショップ)」です。

そもそも、免税店は「外国人旅行者等の非居住者に対して特定の物品を一定の方法で販売する場合に、
消費税を免除して販売できる店舗」のことです。

ちなみに、このことは消費税法第8条に定められており法律的には、免税店とは「輸出物品販売場」のことを言います。

 

消費税法

第八条 輸出物品販売場を経営する事業者が、外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第六条第一項第六号(定義)に規定する非居住者(以下この条において「非居住者」という。)に対し、政令で定める物品で輸出するため政令で定める方法により購入されるものの譲渡(第六条第一項の規定により消費税を課さないこととされるものを除く。)を行つた場合(政令で定める場合にあつては、当該物品の譲渡に係る第二十八条第一項に規定する対価の額の合計額が政令で定める金額以上となるときに限る。)には、当該物品の譲渡については、消費税を免除する。

さて、そんな免税店になるためには、納税地を所管する税務署に申請を出して許可をもらう必要がありますが、許可をもらうためには以下の3つの条件が全てそろう必要があります。

 

Japan Tax-free Shopより

~免税店の許可をもらう3つの条件~

[1]次のイ及びロの要件を満たす事業者(消費税の課税事業者(※)に限る。)が経営する販売場であること。

 イ:現に国税の滞納(その滞納額の徴収が著しく困難であるものに限る。)がないこと。

 ロ:輸出物品現に国税の滞納(その滞納額の徴収が著しく困難であるものに限る。)がないこと。

 

[2]現に非居住者の利用する場所又は非居住者の利用が見込まれる場所に所在する販売場であること。

 

[3]免税販売手続に必要な人員を配置し、かつ、免税販売手続を行うための設備を有する販売場であること。

(※)その課税期間における課税売上高が1,000万円以下の事業者で、免税事業者に該当する者は、課税選択の手続きを行うことで課税事業者となることが出来る。

この3つの条件、全てに当てはまる必要があります。

つまり、「空港」なら確実に日本の非居住者が利用する場所に当てはまりますよね。

 

そして当然、免税店はなにも外国人だけが利用できるショップというわけでもありません。この点については後述します。

auntmasako / Pixabay

 

➋「duty -free syop」は、あらゆる税金が免税される免税ショップ!?

例えば、空港は免税店の中でも「duty -free syop(デューティフリーショップ)」と呼ばれます。

デューティフリーショップは、空港だけでなく例えば「海港」など出国手続きを経て、他国の入国手続きまでに設置されています。

認識としては、国と国の間に存在しているどこの国にも属していないエリアにあるお店になります。

つまり、「どこの国にも属していないエリア」ですので、当然、「Tax-free shop」と同じで出国予定であれば日本人も免税対象になります。

 

 

ワンポイントアドバイス!

*例外として、限られた人しか使えませんが、日本には数店舗ある「空港型市中免税店」であれば、出国前の空港外の街中でも免税ショッピングができます。

❶パスポートや航空券が必要

➋限定的な利用方法

→「羽田空港から出国する人」といったように、それぞれのお店によって限定的な人しか利用できません。

 

デューティフリーショップは、「どこの国にも属していないエリア」ですので、消費税だけなく「関税」・「酒税」・「タバコ税」などあらゆる税金がかりません。

そのため、利用方法を知っていればお得に買い物ができます。

 

このように、一言で「免税店」と言っても・・・

  1. 「Tax-free shop(タックスフリーショップ)」  :消費税だけが減免される
  2. 「duty -free syop(デューティフリーショップ)」:あらゆる税金が免除される

の2種類があります。

さらに言えば、免税店の対象者は「非居住者」ですので必ずしも日本人お断りではありません。

 

「非居住者」ってそもそも誰のこと?

~外国人の場合~

◯非居住者

❶外国人は、原則として非居住者として取り扱われます。
❷外国政府または、国際機関の公務を帯びる者。

 

✕居住者

❶日本国内にある事務所に勤務する者。
❷日本に入国後6か月以上経過するに至った者。

つまり、外国人であっても「日本で6ヶ月以上生活している人」「日本国内の事務所で働いている人」は、免税の対象外になります。

 

 

~日本人の場合~

⚪非居住者

❶外国にある事務所(日本法人の海外支店等、現地法人、駐在員事務所及び国際機関を含む)に勤務する目的で出国し外国に滞在する者
❷2年以上外国に滞在する目的で出国し外国に滞在する者
❸[1]及び[2]に掲げる者のほか、日本出国後、外国に2年以上滞在するに至った者
❹[1]から[3]までに掲げる者で、事務連絡、休暇等のため一時帰国し、その滞在期間が6か月未満の者

 

✕居住者

❶日本人は、原則として居住者として取り扱われます
❷日本の在外公館に勤務する目的で出国し外国に滞在する者は、居住者として取り扱われます

mohamed_hassan / Pixabay 

それでは、「いくらでも」・「どんな物でも」免税になるのでしょうか?

 

免税になる対象は?

免税店は、外国人であっても非居住者に該当しないことがあること。そして、日本人であっても非居住者に該当することがあることが分かりました。

それでは、非居住者に該当すれば「いくらでも」・「どんな商品」でも免税対象になるのでしょうか?

 

免税には、「物品」や「その購入金額」にもルールがある!

そもそも、免税店の対象商品は「一般物品」と「消耗品」に分けられています。

  • 一般物品・・・家電製品・カバン・靴・洋服・着物・時計・民芸品・工芸品など
  •  消耗品・・・食品・飲料・化粧品・医薬品など

この2種類に分けられます。

 

さて以前、中国人の爆買いがニュースに取り沙汰されたため、まるでいくら購入しても免税されるようなイメージを持っている人がいるかもしれません。

ですが、決してそういうわけではありません。

  • 一般物品・・・同じお店で1日のうちに5,000円以上の買い物をしたとき
  • 消耗品・・・同じお店で1日のうちに5,000円以上、50万円までの買い物をしたとき
  • 一般物品+消耗品の合算・・・同じお店で1日のうちに5,000円以上、50万円までの買い物をしたとき

とはいえ、多くの人が消耗品を50万円分も購入すれば大変なことになることは言うまでもありませんね・・・

 

最後に

日本では、2020年4月1日から免除販売手続きの電子化が開始されました。

これにより、これまで行われていた

  1. 購入者契約書の提出
  2. パスポート写しの提出(100万円越の一般物品の場合)
  3. 購入記録表のパスポート等への貼付・割印
  4. 購入記録表の提出
  5. 購入契約書の保管

これだけの手続きを廃止することができるようになりました。

旅行者としても、免税店と税関でパスポートを提示するだけでよくなりました。

どちらにしても、海外旅行に行かない人にとってはあまり縁のないショップであることは間違いないでしょう。


ちなみに、沖縄の場合は少し特殊です。

沖縄には、「沖縄型特定免税店制度」(経済発展のために設けられた制度)があるのですが・・・

この制度により、沖縄県外からの旅行者は空港内や県内の特定免税店で購入した輸入商品には関税がかかりません。(購入額は20万円まで)

そうなんです、沖縄への旅行の際は私達も免税店が利用できてしまいます。

このように、「免税店」と一言でいっても種類がありルールも違います。

コロナが治まり、海外や沖縄へ旅行に行くときは免税店について調べ見ると新しい発見があるかもしれません。

 

 

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