肺炎球菌は、飛沫感染だけではなかった!? ~新たに分かった意外な感染経路~

 

「肺炎球菌」という言葉を耳にしたことは皆さんあるかと思います。

CMで某有名俳優が「65歳になったら肺炎予防を!」と呼びかけています。

これは、平成26年10月1日から肺炎球菌ワクチンが定期接種になったからです。

ですが、肺炎球菌は高齢者だけでなく小さな子どもたちにとっても命の危険性があります。

今回は、イギリスの研究で分かった肺炎球菌の意外な感染経路についてご紹介します。

 

そもそも肺炎球菌ってなに?

日本での死因第3位は、肺炎です。そして、その原因菌として最も多いのがこの肺炎球菌ということになります。これだけで肺炎球菌の怖さは分かったかと思います。

肺炎球菌感染症は、季節に関わらず1年中どのタイミングで起こるか分かりません。とりわけ、免疫力のない高齢者や子ども達が感染しやすいとされています。

例えば、冬場に発症しやすいインフルエンザにかかり、免疫力が低くなったときなどは特に注意が必要です。

というのも、そもそも肺炎球菌は私たち人間の常在菌だからです。

常在菌とは、基本的には無害で健康な身体にも存在する菌のことです。(全ての人に存在するという意味ではありません)

*常在菌は、皮膚や腸管内などさまざまな部分に存在しており人間と共生しています。その一つが肺炎球菌ということになります。

肺炎球菌は、喉の奥や鼻に存在しています。

Pezibear / Pixabay

さて、ここからが本題です・・・

 

感染経路は他にもあった!

肺炎球菌は、これまで飛沫感染(くしゃみ・咳など)が主だと考えられていました。

ところが、英王立リバプール大学病院の研究者らは人の手からも感染すると発表しました。

肺炎球菌は、鼻に存在していることは先ほどお伝えしました。


それでは質問です!

小さい子どもが「鼻」に関係する好きなことといえばなんでしょう?

答えは、鼻ほじりです。

鼻くそをほじる行為は、肺炎球菌を拡散する危険な行為だと証明されてしまいました・・・

 

英国の科学者チームはどんな実験をしたの?

対象者:18歳~45歳の成人被験者40人

実験方法:手に肺炎球菌を塗布。

日常的にあり得る動作を再現する意味でこのような実験をしました。

RobinHiggins / Pixabay

①ぬれた手を鼻に近づけて吸い込む。
②乾いた手を鼻に近づけて吸い込む。
③濡れた手の指を鼻の穴に入れる。
④乾いた手の指を鼻の穴に入れる。

という4つに分けました。

結果は、全てのグループで感染が認められました。

ちなみに、濡れた手の方が感染しやすいという結果が出たとのことです。

このことから、「人の手が媒介になる」と示されました。

また、例えば携帯や玩具なども感染拡大の要因になっている可能性があることも示唆されました。

 

親にできることは?

①肺炎球菌の予防接種は生後2か月からおこなうことができる定期予防接種です。1歳までに3回。1歳を過ぎてから1回の合計4回。

→1歳までのこどもの予防接種については、こちらの記事で紹介しています。

子どもの予防接種! ~生ワクチンと不活化ワクチンの違いを知れば怖くない~

②「鼻をほじらないで!」と子どもに言っても無理なので、手洗いを徹底させるぐらいでしょうか。

特に、実家に帰って祖父母に会うときは注意が必要です。

③子どもが触った玩具の定期的な消毒。

こういったかんじで、やることはこれまでと特に変わらないと思います。

diwou / Pixabay

 

まとめ

あまり神経質に消毒などをやり過ぎると、免疫力が下がってしまい風邪に引きやすくなるなどかえって身体を悪くすることもあります。

特に、これから幼稚園や保育園などを控えているならなおさらです。

みんなが触った物を一緒に使うので子どもに熱発が発生しやすいこともうなずけます。

ただ、そういった経験を通じて免疫が備わっていくので必要な過程だともいえます。

親にできることは対処療法ぐらいで、あまり過保護にしすぎないことかもしれませんね。


参考

国立がん研究センター
https://ganjoho.jp/public/support/infection/pneumococcus.html

livedoor NEWS
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181205-00187494-diamond-soci

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です