子育てをしていると、子どもが虫歯にならないかを気にして「甘い物は控えたり」、「嫌がっても歯磨きをさせたり」と歯に対するお手入れに奮闘しているママさん・パパさんも多いのではないでしょうか?
*私の場合は、「子どもが3歳になるまではチョコレートを食べさせない。」「入浴後に歯磨きを徹底する」といった家族ルールを実行しています。
さて、そんな親が気にする歯の病気といえば虫歯ですよね。今回は、そんな身近な「虫歯の最新情報」についてご紹介します。
そもそも「虫歯」ってなに?
ウィキペディアの説明を参考に説明すると・・・
口腔内の細菌が糖質から作った酸によって、歯質が脱灰(だっかい)されて起こる歯の実質欠損のことを「う蝕(しょく)」といいます。そして、う蝕された歯を「う歯」。つまり、虫歯と呼びます。
→いまいち、なんのことかよく分かりませんよね・・・
もう少しかみ砕いて説明します。
虫歯は細菌が原因!
そもそも、歯は「再石灰化(さいせっかいか)」といって復元する力があることはみなさんご存じかと思います。生きているから、ケガも治りますし皮膚も再生していきます。同じように歯も再生します。
それでは、なぜ虫歯になってしまうのでしょうか?
答えは、歯の表面に付着している歯垢(プラークと呼ばれる)の本体である細菌が原因です。→歯垢は、「食べかす」ではないですよ・・・
さて、この細菌にはミュータンス菌やラクトバチラス菌といったいわゆる虫歯の原因菌(虫歯菌)が存在します。これらの細菌が食物中(歯に残った食べかすなど)の糖を取り込み分解して酸を作っていきます。そして、この酸が文字通り歯を溶かしていくわけです。
→この、歯が細菌によって溶かされる現象を「脱灰」といいます。
歯は再石灰化で再生するんじゃないの?
さて、それでは再石灰化は機能していないのでしょうか?
そもそも、唾液が分泌されるので細菌が酸をだしても中和してくれます。また、歯のエナメル質表面は再石灰化されるため元の歯の状態に戻ろうとします。しかし、再石灰化よりも早く細菌が歯を溶かしてしまえば当然、虫歯になってしまいます。
つまり、「再石灰化するよりも脱灰するスピードが速ければ誰もが虫歯になってしまう!」ということです。
虫歯の原因は?
細菌による酸が虫歯を引き起こすわけですから当然、細菌を定期的に細菌(歯垢)を取り除く必要があります。ただ、その人が持つ歯の性質や、生活習慣などで虫歯のなりやすさは大きく変化してしまいます。
大きく分けて3つの原因があるとされています。
- 虫歯菌の数
- 歯を守る力
- 食事の習慣
→歯をしっかり磨き間食をしていなくても、虫歯菌の数が多ければ虫歯になりやすくなります。
→歯の質が弱いと、酸で溶かされやすく虫歯になりやすくなります。
→唾液の量が少ないと酸を中和しきれません。
→唾液の質:中和力(洗浄作用や抗菌作用など)が弱い場合もあるので唾液の量だけでは一概にはいえません。
同じ歯磨きをしていても、個人差があるのはこういった理由があるためです。それでは、どういった虫歯予防があるのでしょうか?
虫歯予防
虫歯の原因から分かるように・・・
1.口腔内を細菌が酸を作りだせない環境にする
- 歯磨き
- 唾液を出すために、ガムをかむ。
- お菓子やジュースといった間食を減らす。
2.唾液検査
- 虫歯菌の数を唾液検査により調べることができます。
3.定期的な歯科検診
- 歯医者さんでフッ素を塗ってもらうなど、その人にあった処置をしてもらえます。
など、方法はありますが歯科医のブログでこんな内容があったのでご紹介します。
歯医者の子どもは虫歯にならない!?
一部の例外はあるそうですが、虫歯ゼロで子育てができているようです。それは、こんなやり方です。
- 5歳になるまでに味覚は決まるので、それまでは果物以外は砂糖の入った物は食べさせない。
- 1日1回は隅々まで糸ようじなども使ってホームケアをする。
- 歯の溝にシーラントを実施(歯の溝をフッ素配合の樹脂で埋めて虫歯が入らないようにする)
- 3ヶ月に1回は歯科医院でチェック・ケアを受け、フッ素塗布。
- 子どもに虫歯菌がうつらないように親の口もケア。
まさに、歯医者さんならではの対処法ですね。どちらにしても、家族で定期的な歯科受診が一番の虫歯予防になることは間違いないようです。
虫歯の現在の状況は?
実は、虫歯は減少しています。
文部科学省が実施している学校統計保健調査結果からご紹介します。
図のように、昭和63年ではほぼすべての児童が虫歯に悩まされていましたが年々確実に減少していきました。そして、平成28年からはすべての学校別で50%を割り込みその後も数値を維持しています。
現在の状況は、「高校」と「小学校」が特に虫歯になりやすいことがいえますが、少ない幼稚園や中学校でも30%(約3人に1人)の子ども達は虫歯になっているということになります。
虫歯の子ども達は減少しているとはいえ、今後も虫歯予防は必須であることが示されています。
最新予防歯科療法とは?
最後に、「3DS治療(除菌療法)」をご紹介します。
3DS治療ってなに?
3DSとは「Dental Drug Delivery System」の略で、虫歯や歯周病のリスクが高い人に除菌をおこなう予防方法です。→特殊なマウスピースを装着します。
虫歯や歯周病は細菌による感染症です。そのため、歯ブラシだけでは限界があります。かといって、この治療は誰もがおこなえるわけではありません。
《一般的な適応者》
- 虫歯・歯周病を繰り返している
- 唾液検査の結果、虫歯菌・歯周病菌の比率が高い患者さん
- 生涯、自分の歯を持ちたい方
- 矯正治療やインプラント治療を始めようと思っている方
- 妊娠中や授乳中で子どもに虫歯をうつしたくない方(母子感染させたくない)
などの人に適応されますが、まずは3DS治療が必要か検査(菌の数の量)がおこなわれます。
難点は?
- 一部の歯科医でしかおこなわれていない。
- 保険適応外:虫歯予防→6万円程。歯周病予防→7万円程と高額な治療になる。
いかがでしたでしょうか?
虫歯予防は、子どもだけでなく大人も気をつけないといけません。
虫歯についてはこちらの記事でも紹介しています。
参考
ふくしげ歯科
→http://www.fukushige-dc.com/dcblog/?p=291
かみむら歯科矯正歯科クリニック
→http://www.kamimura-shika.jp/3ds/
コメントを残す