SNS上で子ども達が犯罪に巻き込まれる!? 「神待ち」とは?

 

皆さんは、「神待ち」という言葉をご存じでしょうか?

SNSが普及し、誰もが簡単に知らない人とつながることができる時代になりました。

ところが、最近小中学生を中心にこの「神待ち」といったハッシュタグが多く書き込まれるようになっています。

今回は、「神待ち」についてご紹介します。

 

「神待ち」ってなに?

最初に言葉を聞いたときは、「アイドルを神と称して出待ちしているファンのこと?」と思いましたが、この考え方はすでに古くさいようです。

それでは、この「神」とは誰のことでしょう?

実は、この神と呼称されているのは「食事や寝る場所などを提供してくれる人=神」ということです。

これだけだと、「民泊?」と思う人もいるかもしれません。

簡単に言えば、「神待ち」とは少女達がTwitterで泊まる場所などを探すときに利用するハッシュタグのことです。もちろん、民泊ではなく「不特定の誰かに泊めてくれる相手からの連絡を待つ」ということです。

→「#神待ち」「#家出少女」など。

つまり、少女の方から相手を探すということです。

KatarzynaTyl / Pixabay

私からすれば、自ら危険に足を踏み入れている行為にしか見えませんが、深刻な問題として「身近に頼れる人がいない!」という現実があります。

さらに問題は、善意で「助けてあげよう!」と考える大人よりも、「売春者」やJKビジネスなど性売買などの「斡旋業者」など、危険なことに巻き込もうとする大人が圧倒的に多いことでしょう。

漫画やアニメのように「王子様があらわれて・・・」なんてことはなく、基本的にどちらかというと「死に神に出会う」確率が多いようです。

少女の弱みに付けこむ大人が多い。

 

SNSに関連した犯罪が増えている!

記憶に新しい、小学6年女児誘拐事件などSNSをきっかけに、子どもが事件に巻き込まれるケースが後を絶たない状態です。

H30年のSNSをきっかけに犯罪被害に遭った18歳未満の子どもの内訳

  • 小学生:55人
  • 中学生:624人
  • 高校生:991人
  • その他:141人

合計.1,811人(過去最多だった前年から横倍という結果。)

この人数を見る限り、「神待ち」に限らず今や親の目が届かないSNS上の犯罪で溢れていることが分かります。

しかも、小学生の被害が増加しており過去最多の被害人数となっています。

*子ども達が使っていたSNSは「ツイッター」が約4割を占めている。

 

ジェネレーションギャップは言い訳にならない!

私は、30代ですが私の世代の多くは「検索」といえばgoogleなどの検索サイトを利用することが多いのではないでしょうか?

ですが、若い世代は「ツイッターやインスタグラムなどのSNS」を検索に利用します。

というのも、速報が知りたいときはツイッターの方が早く簡単に見つけることができるためです。

10・20年程の差でこれだけのジェネレーションギャップがあります。

さらに、私の親(60代)の場合はそもそも「検索ってなに?」というレベルです。(個人差はあると思いますが・・・)

私の娘が11歳になる10年後には、予想もできない通信技術が開発されているでしょう。未来の話しをしても検討も付かないので、とりあえず今の話に戻します。

 

かなり危険な「神待ち」

フィルタリング機能を使っていない!?

さて、SNSにはフィルタリング機能が付いていますよね。

ですが、警察庁の統計によるとSNSの被害に遭った子どものうち、約9割がフィルタリング機能を利用していませんでした。

つまり、親はそのままスマホやタブレットなどネット環境を子どもに与えていたことになります。

 

そもそも「神待ち」に対応すれば犯罪!

仮に、善意で未成年者を泊めさせたとしても・・・

そもそも、「本人の同意があり、無理矢理連れ去っていなくても、未成年者を勝手に宿泊させる行為は誘拐に当たる」ためです。

なぜなら、その子どもの親に親権があるためです。

親権には、「子どもと共に生活をして日常の世話や教育を行う権利」があり、これを監護権といいます。

→民法820条、刑法で保護された親の権利。

つまり、親から了解も得ずに親の預かり知らないところで、子どもに勝手なことをすること自体が犯罪になる可能性が高く、実際に神待ちした少女を泊めただけの男性が逮捕された事件も発生しています。

ただ、そもそも「その親の近くにいたくないから」、家出している少女が多いと思うのですが・・・

ということで、一般人では保護が難しいため基本的に児童相談所や警察など各関係機関が関わるしかありません。

ただ、先日(2020/2/18)も『神戸市の子ども家庭センターで、当直業務を請け負うNPO法人の男性職員が真夜中に助けを求めて訪れた小学6年生の女児に「警察に相談して」と追い返した』という報道がありました。

そう考えれば、各種相談機関の対応が必ずしも適切ではない可能性が出てきます。

 

警察の対応はこれでいいの?

さらに、愛知県警は投稿者に「それ誘拐かも!?」などの警告分を送り投稿を止めさせる全国初の取組を1月から始めたことが話題になっています。

ただ、この対応は逆効果になるかもしれません。

  1. そもそも神待ちする少女の問題を解決していない。
  2. 善意で助けてくれる人がさらに減る。
  3. 犯罪に巻き込もうとする大人達は、そもそも犯罪をさせる(する)目的のためやめない。
  4. 少女達の行き場がなくなる。

ただ、誰もなにもしていないかと言えば、こうした中高生世代の10代少女を支える活動している例えば、「一般社団法人colbo(コラボ)」の活動などがあります。

 

最後に

未成年者と関わるには、一般人ではかなり難しい時代となりました。それだけ、未成年者が巻き込まれる犯罪が増加したともいえます。

ただ、「善意が逮捕につながる」そんな日本であって欲しくはないと考えます。

私の子どもが十数年後、中学生や高校生になったとき、「今よりも生きづらい社会になっているかもしれない」と考えると恐怖を感じます。

まずは、「少なくとも居心地の悪くない家庭環境(家を出なくて済む家庭環境)」を作っていくことを、親としては心がける必要があると肝に銘じながら今回の記事は終わりにしたいと思います。

SNSには、くれぐれもご注意下さい!


参考

離婚弁護士ナビ:監護権とは子供のそばで世話をすること|親権との違いは何か
https://ricon-pro.com/columns/77/

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です