自転車保険はどれでもいいの!? 補償内容が重複してはもったいない! 

 

これまで、自転車についての「罰則」「運転車講習」などについてお伝えしてきました。

そして、自転車事故による影響で自転車でケガを負わせた小学生にまで、1億円ちかい賠償判決が下っている事例も紹介しました。

今回は、そんなもしもの時の自転車事故を補償してくれる「自転車保険」についてご紹介します。

 

自転車による「事故件数」や「罰則」については、こちらの記事で紹介しています。

自転車は歩道?車道? 「ルールの厳密化でかえって危険なことも・・・」

 

そもそも、自転車保険ってなに?

自転車保険とは、「自転車に乗っている間に発生した損害を補償する保険」です。ただ、このように書くと「自転車保険に入ろう!」と思うかもしれませんね・・・

ですが、注意する点が2つあります。

  1. あなたは、すでに自転車保険と同じ保険に入っているかもしれません
  2. 賢いあなたは、1.を知っていたとしても残念ながら、「不十分な」または「過剰な」保証内容で満足してしまっているかもしれません。

なぜ、このようなことが起こってしまうのかご紹介します。

 

すでに、「自転車保険と同じような内容の保険」に加入している!?

そもそも、「自転車保険」という名前でなくとも、例えば自動車保険の特約に含まれているなど、あなたがすでに入っている保険に含まれている可能性があります。

 

そもそも、「自転車向け保険」とは・・・

  1. 傷害保険    ・・・自分がケガをしたときの治療費に備える保険。
  2. 個人賠償責任保険・・・相手の身体やモノに損害を与えたときの損害賠償に備える保険。

→この2つの保険がセットになったもの。

 

《傷害保険の場合》

同じような保険に「医療保険」がありますが、もちろん同じではありません。

医療保険(病気やケガを保証)

  • 死亡保険金(×)・・・「ない」タイプが主流(特約でセットできる場合もある)
  • 入院給付金(○)・・・入院1日目から、支払い限度60日や120日などが主流
  • 手術給付金(○)・・・「手術の程度」や「入院をともなうか否か」で給付金額が異なることが一般的
  • 通院給付金(×)・・・入院した場合に支払われる。(通院だけでは支払われない)

つまり、医療保険では一般的に、「死亡保険金」や「通院給付金」がありません!

 

傷害保険(ケガのみを保証)

  • 死亡保険金(○)・・・基本契約(後遺障害の保証がある場合も)
  • 入院給付金(○)・・・事故の日から一定期間(180日・730日・1000日など)の入院に対しての支払い
  • 手術給付金(○)・・・手術の程度や入院を伴うか否かで給付金額が異なるものが一般的
  • 通院給付金(○)・・・事故の日から一定期間内支払われる。(通院だけでも支払われる)

→つまり、傷害保険は医療保険がすでにある程度カバーしています。

ということは、このまま自転車保険に加入すると、あなたが加入している保険内容が重複する可能性があります。

 

 

《個人賠償責任保険の場合》

個人賠償責任保険は、相手の身体やモノに損害を与えたときの損害賠償に備えるための保険です。例えば・・・

  • 自転車による事故
  • 車を相手のモノにこすって傷つけた
  • 他の家の窓ガラスを割った。
  • おもちゃのバットを振り回して友達にケガを負わせた。

などなど・・・

自転車による事故だけでなく、さまざまな損害賠償を保証してくれる保険です。


そして、なにより個人賠償責任保険は、他の保険に特約で付帯することが一般的!つまり・・・

  • 自動車保険
  • 火災保険
  • 傷害保険

などにすでに加入しているなら、特約として付帯していないかチェックしなければ・・・

→「保証内容が重複した自転車保険に加入する=お金をドブに捨てる」ことになります。

 

個人賠償責任保険の注意点!

《個人賠償責任保険は、特約に付帯》

❶家族で重複している。
➋特約が重複している。(自動車保険と火災保険など)→夫婦で自動車の個人賠償責任保険に加入しているなど。(対象範囲が、個人だけとは限らない)

→重複していも、保証内容が違うこともあるので、保証内容を確認して重複しているなら外す!

 

 

《どんな保証内容があるか確認!》

❸死亡、後遺障害に対する補償がない。
❹示談交渉サービスが付いていない。(自分で示談交渉するのは至難の業)
❺補償額は、1億円以上ないと意味がない。(損害額が1億円近い裁判例があるため)
❻職務中の事故は補償されない。(「通勤」や、個人事業主が自転車を使って「Uber eats」などの仕事をしている場合など)

→他にも、「他人から借りたモノを壊す」「けんか」「同居の親族に対する損害事故」などは保証されません。


さて、ひつこく「重複したらだめ!」とお伝えしていますが、なにが問題なのかといえば、保証が重複した保険金は支払われないことがあります!

どういうことかというと「損害保険だから」というのが答えです・・・

 

これだけは知って欲しい「保険の基本!」

《損害保険とは!?》

損害保険は、「自然災害・ケガ・盗難・損害賠償責任」など、リスクに応じて必要な損害保険に私達は加入しています。

つまり、偶然のリスクにあったときにその損害をカバーするための「まさに保険」です。ただ、損害保険の場合は、リスクの補填がその目的です。→リスクをゼロにするための保険と考えると分かりやすいでしょう。

そのため、いくつ損害保険に加入していたとしても、補填以上の保証はなされません!

 

*複数の保険(共済含む)を契約している場合、補償(特約)が重複して事故が発生しても、一方の保険契約では補償対象になります。ですが、2社目は残りの損害額に対して支払われることになります。

→損害額に達した時点で補償が終わります。保証内容が重複している場合、「掛け金が無駄になる!」と言われるのはこのためです・・・

 

 

《「生命保険」や「医療保険」の場合》

一方、「生命保険(死亡保証)」「医療保険(自身の医療費)」の場合は、契約時に定額保証(契約時に決めた金額が支払われる)があります。

例えば、保険金額1000万円の生命保険会社に2つ加入していれば、合計2000万円の死亡保険を受け取ることができます。

つまり、加入している保険会社それぞれから、定額保証されている金額が支払われます。

このように、「損害保険=実損填補(じっそんてんぽ)」・「生命保険や医療保険=定額給付」という性質があり、保険金の支払い方法について、全く違うことを理解していなくてはいけません!

 

自転車保険もピンキリ!安いものにはそれなりの理由がある・・・

例えば、月額5000円以上の自転車保険もあれば、月額180円という格安の自転車保険まで、さまざまなものがあります。当然、金額が上がれば、補償内容も手厚くなります。(重複する可能性も高くなる)

 

例えば・・・

  1. 個人賠償が1億円のみの補償だと月額180円。(自分がケガをしたときの補償はなにもない)
  2. 「自転車 対 自動車」の補償があるが、「自転車 対 自転車」・「自転車 対 歩行者」では、補償がない。
  3. 通院の補償がない。
  4. 個人賠償責任保険の保障額が5,000万円以下。
  5. 示談交渉サービスがない。
  6. 死亡・後遺障害の補償がない。(自身が死亡・障害が残っても補償がない。あれば、500万円まで550万円までなど)

このように、金額が安い自転車保険には注意が必要です。かといって、すでに加入している補償が重複しては意味がないので高い自転車保険を選べばいいというものでもありません。

 

最後に

自転車保険を選ぶのは簡単そうで、実はかなり複雑な補償内容と関係しています。

まずは、ご自分が入っている保険を見直す必要があります。もし、相談できる人がいるならすぐにでも相談した方がいいでしょう。

そもそも保険は、対象のものしか補償されません。そして、なにかあっても自己申告が基本です。補償内容が分からなければ、加入しても意味がありません。

もし、相談できる人がいないなら「保険ホットライン」のHPから相談することもできます。


保険は、お金がかかるため重複していてはあまりにもったいないことは、言うまでもありません。

ちなみに、妻は自身が加入していた医療保険で帝王切開の費用が約20万円(子ども2人で約40万円)返ってきました。(もちろん、高額療養費もかえってきました)

ですが、「まさか帝王切開で医療保険が下りるなんて・・・」って考える方もいらっしゃるかもしれませんね。

このように、せっかく適応される保険に加入していても補償内容を正確に理解していなければ、全てが無駄になります。

保険選びは、慎重にして下さいね!


参考

保険ホットライン
https://www.hoholine.com/bicycle/bicycle_insurance

東京海上日動
https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/world/guide/study/sonpo.html

アフラック
https://www.aflac.co.jp/soudan/guide/contents/base/insurancedifferences.html

 

 

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