「コロナ過」とはいえ、災害は発生してしまいます。
2020年7月に、すでに九州で記録的な大雨が記録され、熊本県を中心に各地で土砂崩れや川の氾濫が引き起こされました。
「橋が流される」という報道も、記憶に新しいのではないでしょうか?
それでは、コロナ過で災害が発生した場合、自宅療養者はどうすればいいのでしょうか?
今回は、「コロナ禍と緊急事態」についてご紹介します。
そもそもコロナで自宅療養中の時は勝手に避難していいの?
こんな疑問を持っている人もいるかもしれません。
なぜなら、軽症者であっても「感染拡大防止!」の御旗のもと、自宅に限らず宿泊療養施設などに滞在することが原則になっているためです。
そのため、基本的に災害発生時には速やかに近隣の宿泊療養施設等に避難することになります。
ただ、必ずしもそういった施設に避難できるとは限りません。
内閣府では、「新型コロナウイルス感染症を踏まえた災害対応のポイント第1版」が公表されています。
- 都道府県・市町村の防災担当部局と保健福祉部局、保健所が連携し自宅療養者の情報共有
- あらかじめ、災害時等の対応・避難方法等を決める
- 避難方法を本人に伝えておく
*家族と離れて避難する可能性があることも伝える必要がある。
これが、大前提として示されています。
とはいえ、夏の時期ですら感染者数がどんどん増えている現状で、「すぐに代わりの新しい宿泊施設に行くことができないであろう」ことは、誰の目にも明らかですよね?
つまり、新型コロナウイルスに感染していることが判明している場合でも、避難先としての宿泊施設が見つからなければ避難所へ避難することになります。
と言うわけで、新型コロナウイルスを本気で怖がっている人からすれば、「ありえない!」と感じてしまうかもしれませんね・・・
ただ、避難所における病気などの体調不良は新型コロナウイルスだけではありません。
避難所での体調不良?
そもそも、新型コロナウイルスが問題になる以前から、避難所では感染症対策を始め、さまざまな対策がおこなわれてきました。
また、感染症だけでなく以前紹介した「エコノミークラス症候群」なども命の危険があります。さらに、夏場では食中毒対策が避けては通れません。
→「エコノミークラス症候群」については、こちらの記事で紹介しています。
他にも、「避難所トイレの衛生管理」や「調理時の感染対策」・「プライバシー保護」など、挙げればきりがありませんが、こういったことに気をつけながら、強制的に見ず知らずの多くの人達との共同生活が開始されます。
つまり、新型コロナウイルスに限らず、感染症や食中毒などが一度引き起こされれば、大なり小なり全員が被害を被ることになります。
ここで言いたいことは、「だから新型コロナウイルス感染者は危険!」ということではなく、あなた自身が新型コロナウイルス以外の風邪や、インフルエンザなど別の感染症を他人に感染させてしまう危険があることです。
*ちなみに、コロナウイルスはそもそも風邪の代表的なウイルスです。
そのため、「手洗い・うがい」や「消毒」などはこれまでも徹底されてきましたし、嘔吐や下痢の症状のある人は感染症の疑いや衛生面で注意が必要です。
繰り返しになりますが、新型コロナウイルスだけが感染症ではありません。
この大前提を踏まえて上で、それでは避難してきた自宅療養者には、どういった対応がなされるのでしょうか?
自宅療養者として避難したら?
都道府県の災害対策本部・保健所等に連絡して、速やかに対応可能な宿泊療養施設等が調整させる必要がありますが、見つかるまでは避難所生活が始まります。
- 一般の避難者とは別の建物にすることが望ましい
- 同一の建物なら導線を分ける
- 感染者専用の階段・スペース・トイレが必要
- 風呂やシャワーを分けることができなければ、時間的分離や消毒等が必要
一見、自宅療養者は邪魔者扱いのように見えますが、ある程度は隔離されるため、「プライバシー」という意味では一般の避難者よりも確保される可能性はあります。
なにより、あくまでも一時避難であるため、自宅療養施設等が見つかればそちらへ移動することになるでしょう。
結果的に、差別されているのか優遇されているのか分かりませんが、自宅療養者は避難所で起こるさまざまなトラブル(犯罪行為など)から、避けられる可能性が高いのかもしれません。
そして、この新しい生活様式は災害時だけでなく例えば遭難救助の場合も当てはまります。
遭難救助と新しい生活様式?
新型コロナウイルスの影響により、マスクやフェースシールドが夏場でも当たり前になってしまいました。そして、こういた感染症対策は、避難所だけでなく例えば救助活動でも同じことが言えます。
「山岳遭難救助活動における新型コロナウイルス感染防止対策」が長野県警によりyou tubeで公開されています。
つまり、新しい生活様式を取り入れた救助活動です・・・
遭難者に対してコロナに対する6項目の確認
- 風邪や発熱等の症状がある
- 倦怠感や息苦しさがある(肺の痛みなど)
- 嗅覚・味覚障害等がある
- 年内に渡航歴がある
- 年内に感染・渡航歴のある家族、濃厚接触者がいる
- 居住地が都市部または緊急事態宣言対象区域等に指定されている。
この、1~6の確認作業が行われます。
そして、遭難された人への防護措置が行われます。
遭難された人の防護措置?
熱中症や呼吸困難の症状がある人は除かれるようですが・・・
- マスク着用
- ゴム手袋
- 防護服・レインコートなどの着用
といった対応がなされます。
当然、救助隊員も感染防止対策を実施した状態で救助活動を行います。
- マスク
- ゴーグル
- 防護服やカッパなど
といった装備をして救助が行われます。
最後に
このように、新しい生活様式は日常生活だけでなく緊急事態であっても適応されてしまうため、救助隊員をはじめ、すべての人に負担を強いることになります。
ただ、「新型コロナウイルだけに気をつければいい」というわけではありません。
そして、いつ・誰が「自宅療養者」になるか分かりません。自宅療養者になってしまったら、地震や大雨など、緊急時の説明があるとは思いますが、もしもなければ必ず確認した方がいいでしょう。
コメントを残す