「災害時帰宅支援ステーション」の役割と帰宅困難者 ~どんなときもマナーは大事~

 

前回、台風は前もって進路が分かるため愛車も垂直避難する必要があることをお伝えしました。

車の垂直避難場所としては、商業施設(パチンコ店やスーパーなどの立体駐車場)が挙げられます。

ですが、もしも突然の災害で公共機関が止まってしまったら、その瞬間、私達は帰宅困難者になってしまいます。

ですが、そんな帰宅困難社者になってしまったときに頼りになる場所があります。

今回は、「帰宅困難者になったときこそ頼れる強い味方:災害時帰宅支援ステーション」についてご紹介します。

 

「愛車と垂直避難」については、こちらの記事で紹介しています。

垂直避難は人だけじゃない!? 車の安全な避難場所とは?

 

「災害時帰宅ステーション」?

いつ・どこで・誰がなってもおかしくない帰宅困難者

地震などで大規模災害が発生した場合、交通機関が途絶してしまいます。

また、自家用車があったとしても信号機の停止や、そもそも道路自体が陥没などにより物理的に通れる状況にないかもしれません。

つまり、通勤・通学・買い物・行楽など多くの人がそれぞれの目的で外出していますが、そういった多くの人達が自宅に帰れなくなってしまいます。

「自宅に帰れない人達=帰宅困難者」

それでは、私達が帰宅困難者になってしまったら自力でなんとかするしかないのでしょうか?

 

「災害時における帰宅困難者支援に関する協定」

実は、コンビニエンスストア外食事業者等と連携して「災害時における帰宅困難者支援に関する協定」が締結されています。

例えば、私が住んでいる滋賀県では、関西広域連合として2府6県4政令市(三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、徳島県、京都市、大阪市、堺市、神戸市)を代表して協定が締結されています。

つまり、帰宅困難者が利用できる施設を提供することが「災害時における帰宅困難者支援に関する協定」で締結されています。

そして、その協定が締結された施設が「災害時帰宅支援ステーション」ということになります。

例えば、目印としてステッカーがお店に貼られていたりします。

それでは、「災害時帰宅支援ステーション」ではどういった利用ができるのでしょうか?


AnnaliseArt / Pixabay

 

「災害時帰宅支援ステーション」では、なにが利用できるの?

東京都防災ホームページより

災害時帰宅支援ステーションの役割

  • 水道水
  • トイレ
  • テレビ及びラジオからの災害情報

これらの提供が行われます。

ちなみに、東京都では「島しょ(東京にある大小さまざまな島々)」を除く、「全都立学校」及び「東京武道館」も災害時帰宅支援ステーションとして位置づけています。

 

他には・・・

  • コンビニエンスストア
  • ガソリンスタンド
  • ファミリーレストラン

などもあります。

つまり、災害時は至る所に災害時帰宅支援ステーションが点在していることになるため、災害情報(防災マップなど)を確認しながら、自宅に向かうことも可能になるでしょう。

ただ、基本は避難所への避難ですので、自宅が住める常態か分からないのであれば、まずは避難所へ行くことが必要になるでしょう。

 

現在の状況は?

例えば、関西広域連合では2020年4月末時点で24社(11,395店舗)にまで拡がっています。

  • コンビニ事業者:7社(ローソン・セブンイレブン・ファミリーマートなど)
  • 外食事業者:13社(ワタミ・ミスタードーナツ・吉野家など)
  • その他:4社(株式会社オートバックスセブン、株式会社スギ薬局、株式会社第一興商、株式会社ユタカファーマシー )

つまり、実際に関西で大規模災害が発生した場合、蜘蛛の目のように点在している「普段私達が利用している場所」が、災害時帰宅支援ステーションとして活用できることになります。

それでは、「災害時帰宅支援ステーションの事業者用ハンドブック」について見ていきましょう。

 

「みんな」が被災者

大前提として、被災者は帰宅困難者だけではありません。

もしも、あなたが家族と連絡が取れないのであれば、それはお店で働く従業員さん達も同じです。被災してしまったとき、この視点だけは絶対に忘れないで下さいね。

このことは、ハンドブックにも書かれています。

協定では、確かに「水道水」や「トイレ」、「災害情報」が利用できることになっています。

ですが、立ち寄った災害時帰宅支援ステーションでは、ひょっとすれば断水しているかもしれません。

その場合は、「一時的な休憩の場所を提供する」など可能な範囲で支援をすることになっています。

それでは、そもそも災害時帰宅支援ステーションは安全なのでしょうか?

実は、このような優先順位になっています。

 

「災害時帰宅支援ステーション」が開始されるまで

  1. 従業員・利用者の安全確保
  2. 施設の安全点検など
  3. 店舗従業員は可能な範囲で帰宅困難者への支援

つまり、災害直後は災害時帰宅支援ステーションとしてどこも機能していないでしょう。基本的には、安全点検が終了し、安全だと判断されてからとなります。

 

当然、建物が無事だったとしても・・・

  • その周辺で火災や崖崩れといった危険性がある
  • 避難勧告が発令されている
  • 避難勧告の発令の有無が確認できない

など、他にも予想外のことが引き起こされます。

こういった場合は、帰宅困難者の支援中だったとしても支援が中止されることになります。

大規模災害の恐い点は、今の時点では安全だったとしても数分・数時間後はどうなるか分からないことです。

 

もしも「開設要請」がなかったら?

「災害時帰宅支援ステーション」を開設するかどうかの最終判断は店舗管理者ですが、基本的には企業本社から開設の指示があったことが前提です。

ただし、なにごとも例外はありますよね。それが、震災直後ならなおさらでしょう。

 

大規模災害が発生後の基本的な流れ

❶店舗管理者が従業員・利用者・施設の安全確認
➋企業本社からの開設要請
❸各事業者の安全基準に基づき、建物の安全を確認し、店舗管理者が開設の判断

この❶~❸を通じて、「災害時帰宅支援ステーション」が開設されるか・断念されるかが決まります。

ただし、例外があります。

 

~災害時帰宅支援ステーション開設の例外とは?~

例えば、本社自体が被災してしまい開設要請ができない状態かもしれません。また、通信状況により連絡がつかないことがあるかもしれません。

こういった場合は、各事業者・店舗が自主的に開設の有無を決定することになります。

それでは最後に、私達が勘違いしてはいけないことを説明します。

 

そもそも、「無償提供」は当たり前じゃない!

そもそも、この協定は帰宅困難者に対して商品の無償提供を求めるものではありません。

例えば、被災時の再現映像で、被災して動かなくなった車の所有者がガソリンを他の方へ譲るシーンをみたことがあります。

もちろん美談だとは思います。

ですが、これは個人から個人だからこそ無償で提供することができるのではないでしょうか。

それでは、お店側からすれば次から次へとやってくる帰宅困難者に、無償で例えば「飲料水」・「コピー機」・「携帯電話の充電」などを提供し続けてしまうとどうなると思いますか?

費用は莫大になりますし、そもそも在庫があるものならすぐに底を付くことになるでしょう。

また、予備電源や蓄電池などでなんとか稼働している店舗なら、すぐに使えなくなるでしょう。そのため、無償提供はあくまでも事業者や店舗の判断になります。


ReadyElements / Pixabay 

このように、「災害時帰宅支援ステーション」は、帰宅困難者を守るための1つのツールとして全国に拡がっていますが、被災ではなく利用者側のマナーの問題により開設が中止される店舗も少なからずでてくることが予想されます。

 

最後に

災害時帰宅支援ステーションは、通勤・通学、買い物など外出中の人々が、徒歩で帰宅するまでの約7日間程度の期間が想定されています。

とはいえ、状況に応じて店舗ごとの判断となるため、数時間程度でも、逆に7日以上支援が継続されても問題ありません。

そして、最後は開設状況の報告が発災から概ね1ヶ月前後を目安に、企業本社を通じて報告を受けることが想定されています。

→「開設の有無」や「開設できなかった理由」などが報告されることになります。

もしも、帰宅困難者になってしまったら「災害時帰宅支援ステーション」を活用できれば、少なくとも休憩はできるでしょう。

まずは、災害時帰宅支援ステーションのステッカーを確認してみてはいかがでしょうか?

 

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