新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が急務となっている職業はたくさんありますよね。ですが、実際は「テレワークは思うように進んでいない」現状があります。
ただ、少ないとはいえこれまでよりも正社員のテレワークは激増しています。
さて、テレワークをする場合は自宅のパソコンを使う場合もあるのではないでしょうか?
今回は、「警視庁サイバーセキュリティー対策化が警告!」についてご紹介します。
そもそも、どれだけテレワークは進んでいるの?
雇用問題のシンクタンクである「パーソル総合研究所」では、様々な調査結果が発表されています。
2020年3月9日~15日の調査結果
パーソル総合研究所では、2020年3月9日~15日に全国の正社員2万人規模で緊急調査が実施されました。
その結果によると、正社員におけるテレワーク(在宅勤務)の実施率は13.2%でした。これだけを見ると、全体の約1割はテレワークが進んでいることが見てとれます。
人数にすると、約360万人です。
さて、問題は現在の会社ではじめてテレワークをした人が、この調査時点で半数近い47.8%(約170万人)もいたことです。
さらに、深刻な結果が1ヶ月後に発表されています。
2020年4月10日~12日の調査結果
さらに1ヶ月後(7都道府県に緊急事態宣言が出された後)の4月10日~12日にも、同じ調査が実施され全国2.5万人規模の調査結果が発表されました。
その結果、テレワーク実施率は全国平均27.9%もありました。つまり、1ヶ月で2倍以上も増えたことになります。
先月よりも約400万人増加し、「合計約760万人がこの時点でテレワークをしている」という結果になりました。
そして、「現在の会社で初めてテレワークを実施した人」は68.7%と激増してしまい7割近くがテレワーク初心者というかなり恐ろしい結果となりました。
確かに、テレワークをしないと会社の経営が厳しくなるため進めるしかありません。ですが、十分な対策もせずにテレワークをしてしまうと様々な危険にさらされることになります。
ITリテラシーの格差が如実に表れる!
これまでも、フィッシング詐欺などさまざまな犯罪について取り上げてきました。
そもそも、新型コロナウイルスの発生に伴いこういった犯罪に込まれやすくなっています。そのため、サイバーセキュリティー対策化が警告を発するまでにいたっています。
さて、ITリテラシーと言えば、「情報機器やネットワークを利用して集めた情報を自分の目的に沿った活用できる能力」のことです。
例えば、パソコンを操作するためにキーボードやマウスを使うといった作業能力もITリテラシーということができます。
つまり、「情報機器を使うために必要な能力」ということです。
ただ、安全に使い続けるためにはセキュリティーが必要ですよね。
玄関を開けっぱなしにして外出する?
例えば、会社に出勤するときに玄関を開けっぱなしにして出勤する人は、基本的にいないですよね。
同じように、パソコンやスマホなどの場合も、セキュリティー対策をしていなければ例えば情報漏洩が引き起こされることになります。
家を空けるときは、扉は閉めて、鍵を閉めて、お金に余裕があれば警備会社と契約してと様々な対策をしますよね。
パソコンなども、セキュリティーなどがなければ「玄関が空きっぱなしの状態」だと考えれば分かりやすいでしょう。
それでは、まずは玄関を閉める所から始めましょう!
❶サポートが終了しているOS(オペレーションシステム)のパソコンは使用しない!
古いパソコンを久しぶりに使う場合、ネットにつなげることはできると思いますが、サポートが終了している可能性が高くなります。
「OS」と聞いて、「?」が付く人はすぐに確認することをお勧めします。
「OS」というのは、コンピュータを動かすためのソフトウェアのことで、コンピューター全体を管理・制御し私達が使えるようにする役割があります。
つまり、全てのパソコンにOSは存在しています。人間で言えば、「脳や脊髄といった中枢神経に当たる」とも言われます。
さて、パソコンはどんどん新しくなることで、私達が簡単に操作できるように進化しています。どんどん賢くなるため、OSのバージョンも新しい物に更新されていくことになります。
しばらくは、古いOSであってもサポートされているため更新していくことができるので、最新の状態を維持することができます。
ところが、あまりパソコンが古くなってしまうとOSの更新サポートも所有者が減るため、なくなってしまいます。つまり、古いOSの状態のままとなるため、置いてけぼりになってしまいます。
→Windows7・Windows Vista・Windows XPは、すでに脆弱性に対するサポートが終了しているため、マルウェア(ウイルス)に感染する可能性が高くなり、買い換える必要があります。
このように、そもそもパソコンに問題がある場合があります。
それでは、次は玄関の鍵を閉める作業を始めましょう!
➋ウイルス対策ソフトを導入する!
ここに、1つ落とし穴があります。
確かに、ウイルス対策ソフトはマルウェア(ウイルス)の感染防止に役立ちます。
ただし、業務を始める前に「OS」・「ウイルス対策ソフト」・「アプリケーション」を最新の状態に更新しておく必要があります。
OSの更新は、ホーム画面(スタート)→歯車マーク(設定)→「更新とセキュリティー」を開くと確認できます。
この操作の意味が分からない場合は、「自分がそもそもテレワークができる段階にない」可能性があります。
念のため、OSの更新方法を写真付きで解説します。(私は、Windowsを使用中)
1⃣ホーム画面のスタートを押して、歯車マーク(設定)を選択
2⃣設定画面
3⃣設定画面を開いたときに「更新とセキュリティー」がない場合、画面を下にスクロールして「更新とセキュリティー」を選択する。
4⃣更新があれば、更新しておく(「ダウンロード」や「再起動」など)
このように、OSの更新は自動更新もできますが、更新できていない場合があるため業務を始める前に、念のため確認した方が安心です。
これで、玄関の鍵を閉めることができました。問題はここからです。
そもそも、全ての人が一人暮らしではないですよね。同じように、1台のパソコンを一人の人が使うとは限りません。
つまり、セキュリティ(家の鍵)を死守する必要があります。
❸テレワークで使うパソコンは自分専用にする!
1つのパソコンを複数人や別アカウントで共有してインターネットに接続すると、マルウェア(ウイルス)に感染するリスクが高くなります。
- ネットカフェには不特定多数の人が使えるパソコンがありますよね。ところが、キーボードで入力した文字が記録される悪意のあるプログラム(キーロガー)が仕込まれていたり、情報を盗み出されると言ったリスクがあります。
→今は、情勢的に難しいと思いますが、そもそもネットカフェなど誰が使っているか分からないパソコンを使ってテレワークをすることはお勧めしません。
- 無料の公衆無線LANが整備されるようになってきましたが、通信が暗号化されていないものや、そもそもパスワードが公開されているなどセキュリティレベルはさまざまです。
→利用時はファイル共有機能をオフにし、通信経路を暗号化(VPN)するとき以外は、漏洩しても支障のない情報だけのやり取りをする必要があります。
*偽のWi-Fiスポットまである。(情報を盗むために悪意のある人が設置したスポットで本物と区別が難しい)
他にも、知らないURLはクリックしないなど、日常的な注意点もあります。それでは、もしもセキュリティ対策を怠るとどんなことが引き起こされるのでしょうか?
その一例を紹介します。
セキュリティーが突破されたら?
取引き先から不審なメールが届いた場合
自分がどんなに気をつけていたとしても、そもそもテレワーク初心者は全体の約7割ですので、相手がすでにマルウェアに感染している場合があります。
つまり、知らない間に不特定多数の人に勝手にマルウェアをまき散らすことになります。そのため、不審なメールが届いた場合は先方に直接電話をして確認する必要があります。
逆に、先方から「そちらからおかしなメールが届いた!」と連絡があれば、すぐにパソコンのネットを切断しなくてはいけません。
→勤務先のネットワーク担当者に連絡する。
このように、取引き先であってもすでにマルウェアに感染している可能性があります。ちなみに、身近な物であっても安心はできません。
マルウェアに感染する身近な危険とは?
- 新品であってもUSBメモリーにマルウェアが仕込まれている場合がある。
- テレワークで使うパソコンでスマホの充電をしない。
このように、テレワークで使用するパソコンはそれだけに使う必要があります。
最後に
テレワークは、確かに魅力的な働き方だと言えるでしょう。
ただ、すでに警察庁では不審アクセスが前年比の約1.5倍と急増していることが発表されており、テレワークが狙い撃ちにされていることが目立ってきています。
勤務先のシステムへのログイン1つとっても、定められた手順・方法で行わなければセキュリティを保つことができなくなり、サイバー攻撃にさらされることになります。
ウイルスに感染すると、「システムダウン」したり「情報が抜き取られ」たりと、大損害が発生する可能性が高くなります。
そもそも、気付くことができなければ「長期間情報漏洩していた!」なんてこともありえます。そんなことになれば、「マルウェアをまき散らした会社」として信用まで失いかねません。
最低限のセキュリティー対策をしてからテレワークをしないと、自分が犯罪の片棒を担ぐことになります。くれぐれも、パソコンを使うときはご注意下さい。
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