皆さんは、全市町村で実施されている「子ども医療費助成制度」についてご存じでしょうか?
実は、この子ども医療費助成制度の拡充が全国で実施されています。
今回は、「新しい(拡充された)子ども医療費助成制度」についてご紹介します。
そもそも、「子ども医療費助成制度」ってなに?
「子ども医療費助成制度」というのは、保健の自己負担分を自治体が負担することで、子どもが受診できる機会を増やし子どもの重症化を防ぐために創設されました。
さらに言えば、都道府県の制度を基盤として市区町村が実施主体となっています。
どういうことかというと、都道府県が定める「対象年齢・自己負担・所得制限の範囲内」であれば、そもそも都道府県から市区町村へ交付金や助成金で費用負担が行われます。
つまり、市区町村からすれば一般財源からの支出を決定することで都道府県の基準に上乗せして、制度が実施できることになります。
そのため、自治体によって子ども助成医療制度の内容は以下のように異なります。
- 対象児童の範囲
- 一部自己負担の有無
- 所得制限の有無
など、こういった違いはありますが、これまでも全国で実施されてきました。
*子ども医療費助成制度は、「1961年に岩手県和賀群沢内村(現:和賀郡西和賀町)において、1歳未満の乳児を対象に国民健康保険にかかる医療費の10割給付を実施したことが始まり」と言われている。
→つまり、約60年の歴史がある助成制度です。
それでは、新しくなった「子ども医療費助成制度」は、なにが変わったのでしょうか?
「子ども医療費助成制度」のなにが変わった?
冒頭でお伝えしたように、各自治体で細かい違いがあるため、詳しくは住んでいる地域のHPを確認する必要がありますが、大きく変わったことがあります。
→2019年4月からすでに始まっている地域もあれば、2020年4月から始まった地域、これから始まる地域などもありますが、対象が大きく拡大される自治体が増えています。
対象年齢が拡大!
多くの自治体では、小学3年生→中学3年生まで対象が拡大されました。
ただ、例えば福島県いわき市では、2012年7月1日には7月診療分からすでに・・・
- 小学3年生までが対象:「通院医療費」
- 小学6年生までが対象:「入院医療費」
このように、各年齢区分がそれぞれ無料化の対象でしたが、さらにどちらも18歳までに拡大し、「子ども医療費助成事業」として改められ実施されています。
つまり、いわき市の場合は約10年前からすでに今回の拡大で対象になった中学3年生(15歳)ではなく、さらに拡大された高校3年生(18歳)までが対象になっています。
このように、自治体によって大きな差は見られますが、多くの自治体で対象年齢が拡大したことは私のような子育て世代としては、ありがたいことではないでしょうか?
それでは、実際にどういった注意点があるのか2020年1月から始まった愛媛県松山市を例に見ていきましょう。
松山市の「子ども医療費助成」とは?
どこの自治体でも基本的に同じですが、子ども医療費助成を受けるためには、自分で申請して「受給資格証」をもらう必要があります。
さて、松山市では健康保険に加入している中学3年生まで(15歳到達年度の3月31日まで)の子どもが対象です。
少しややこしいですが、助成対象者は「子どもの保護者」となります。これは、子どもの健康を守る責任は親にあるためです。
そして、小中学生については2019年12月以前の入院のみが助成対象となります。
→申請期間は、医療費の一部負担金を支払った月の翌月から2年以内。
ただし、助成できない場合があります。
助成できないもの
- 入院時の食事代
- 保険適用外の費用(予防接種・文書代・入院時の個室代など)
- 学校管理下でのけが
「学校管理下でのけが」の場合ですが、同下校中や部活動も含む学校管理下で「けが」をした場合、そもそも独立行政法人日本スポーツ振興センターの「災害共済給付金」が支払われるため、こちらの給付金が優先されます。
もしも、医療費を自己負担で支払い後、「災害共済給付金」が申請できなかった場合は、払い戻しができます。
→他にも、「養育医療」・「育成医療」・「小児慢性特定医療」など公費制度がある場合は、そちらが優先されることになります。
ただし、こういった制度を利用しても自己負担が生じた場合は、「子ども助成医療制度」の対象となります。
もしも、子どもの通院や入院などでこれまで通り健康保険者証しか窓口で出していないなら、自治体のHPを確認してみて下さい。
*また、そもそも各自治体での医療補助ですので、県外では利用できません。(払い戻しを申請すれば自己負担分が帰ってくる)
「払い戻し」てなに?
そもそも「子ども医療費助成」を利用するためには、医療機関を受診したときに「健康保険証」と「受給資格証」の2つが必要になります。
ところが、健康保険証を忘れてしまい医療機関等で助成されるはずの自己負担分を支払うことがあるかもしれません。
場合によっては、「健康保険証すら忘れてしまい10割負担!?」なんてこともないとは言い切れません。そういった時に、「医療費の一部負担金を支払った翌月から2年以内」なら、申請すれば払い戻しできます。
このように、子どもの医療補助制度は子どもの治療にかかった医療費の自己負担分を削減することで、子育て世帯の負担を少しでも軽くするために実施されています。
最後に
子ども医療費助成制度は、市民が支払っている税金が財源になっています。そのため、「適正受診」といって時間外の受診や不要な受診はしないように心がける必要があります。
ただ、子どもは急変しやすい場合もあるため、「一刻を争う!」と思ったときは迷わず救急車を呼ぶ必要があります。
私達の場合は、朝に子どもが単3電池を噛みちぎってしまい、電池内の黒い液体で子どもの口が真っ黒になってしまったことがありました。
主治医に連絡し、たまたまその日は休診日でしたが繋がり、「中毒センターへ連絡して!」との指示で、連絡しました。ところが、中毒センターへは結局、繋がりませんでした。
最終的に、以前受診したことがある小児科で検査をしてもらい、問題なく事なきをえました。
「適正受診」といわれても、状況によっては難しいと思います。
ただ、主治医との連携や#8000(ネットで症状も調べられる)の存在を知っていれば、落ち着いて対応できるかもしれません。
そして、市民は私のような子育て世帯だけでなく様々な年代の人が暮らしています。特にコロナ禍で、全ての人が被害を受けました。
一部の対象者への助成だけではなく、財源を循環できる方法を考えていく時にきているのかもしれません。
→「息子が乾電池を誤飲したときの対応」については、こちらの記事で紹介しています。
→「#8000」についは、こちらの記事で紹介しています。
参考
区市町村における子ども医療費助成制度の拡充行動について
→http://www3.grips.ac.jp/~up/pdf/paper2018/MJU18711nitta.abst.pdf
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