女性とお酒 ~赤ちゃんへの影響をご存じですか?~

 

最近は、「男性よりも女性の方がアルコールを飲む」という印象が強くなっている今日この頃。

もちろん、お酒は20歳を過ぎれば飲んでもいいのですが、ただ一つだけ知っておいて欲しいことがあります。

それは、アルコールと胎児や乳児への影響についてです。

今回は、「妊活の前にアルコールはお願いだからやめて!」というお話しです。

 

アルコールと障害

最近は、「生まれてくる子どもに障害があったらどうしよう」と思ったとき、希望すれば出生前診断を受けることができるようになりました。

 

出生前診断については、こちらの記事で紹介しています。

新型出生前診断は非確定検査 ~どんな検査にも例外はある!?~

ですが、ちょっと待って欲しい。

アルコールの摂取は、想像以上に「障害」を引き起こす可能性を上げてしまう行為になります。

それが、胎児性アルコール症候群です。

 

胎児性アルコール症候群の歴史

1960年代末にアメリカで妊娠中に多量に飲酒した母親から生まれた子どもに、ある3つの徴候が現れることが報告されました。

  1. 特徴的な顔貌(不明瞭な人中・薄い上唇・短い眼瞼列など)
  2. 発達の遅れ
  3. 中枢神経の問題

これにより、1973年に胎児性アルコール症候群(Fetal Alcohol Syndrome:FAS)と名付けられました。

そして、各国の調査から国や民族に関わらず女性がアルコールを乱用する社会ではFAS児の出生が避けられないことが明らかになっています。

つまり、約60年前にはすでにお酒と妊婦さんとの悪い影響が知られていました。

それでは、具体的にどんな症状があるのでしょうか?

 

胎児性アルコール症候群(FAS)

昔から、妊娠中の母親の飲酒は胎児や乳児に対して低体重・顔面を中心とする奇形や脳障害を引き起こす可能性があることがいわれていました。

このことについては、産婦人科などでも「飲酒しないように」と注意をうけると思います。

それでは、どのくらいのアルコール量で胎児に影響がでるかご存じでしょうか?

正解は、不明。

これには、個人差もあるためはっきりとは言うことができません。

ただ、分かっていることがあります。

  • 食前酒として小量飲んだだけで発症したケース
  • たくさん飲んでも発症しなかったケース

 

ただし、アルコールを摂取しなければ100%この障害は発生しません。

もちろん、授乳期間中に母親がアルコールを摂取した場合も同じように危険です。(母乳は、母親の血液から作られますが、アルコールはその血液に溶け込みます。)

 

さらに、現在ではADHDや成人後の依存症リスクなどにより、広い範囲での影響が見られることが分かっており、胎児性アルコール・スペクトラムと呼ばれることもあります。

 

胎児性アルコール・スペクトラム

FASに見られるような特徴的な顔貌がない場合であっても、中枢神経の問題(刺激への過反応・注意力の問題・変化への適応困難・学習障害・判断力の問題といった行動障害)を抱えた子ども達の存在が注目されるようになりました。

つまり、アルコールによる胎児の障害を連続的に捉える概念として登場したのが、この胎児性アルコール・スペクトラム(Fetal Alcohol Effect:FASD)という考え方です。

簡単に言えば、これまで特徴的な風貌という点(胎児性アルコール症候群)でしか見ていませんでしたが、成長後もさまざまな悪影響が出現してしまうため、線(胎児性アルコール・スペクトラム)として見るようになったということです。

 

診断基準

  1. 妊娠中の母親の飲酒
  2. 特徴的な顔貌
  3. 出生時低体重・栄養とは関係ない体重減少、身長と釣り合わない低体重などの栄養障害
  4. 出生時の頭囲が小さい・小脳低形成・難聴・直線歩行困難等の脳の障害

→出生数1,000人当たり0.1~2人とされ、非遺伝性の精神発達遅滞の最多の原因となっています。

さらに、治療法もありません。

 

そもそも女性はアルコールに弱い

例えば、アルコール依存症になる期間が男女で違うことをご存じでしょうか?

  • 男性:10年~20年以上かかる
  • 女性:6~9年

男女で比較すると、場合によっては2倍・3倍以上の期間差があります。

この差が出てくるのは、男女で体のつくりがそもそも違うためです。

 

《一般的な女性の特徴》

  • 体が小さく体重が軽い。
  • 脂肪が多く筋肉量が少ない。
  • 肝臓が小さく代謝能力が男性よりも低い。
  • そもそも女性ホルモンがアルコールの代謝を阻害する。

つまり、男性と同じ量を飲んでも女性は、男性よりも血中濃度が高くなり酔いやすくなります。また、体内にアルコールが長い時間留まるため、臓器への影響も受けやすくなります。

→女性は、よりアルコール依存症になりやすいため男性と同じようにお酒を飲むことは、リスクでしかありません。

 

最後に

お酒が大好きな人は、男女関係ありません。

また、「女性はお酒を飲んではいけない!」なんていうつもりはまったくありません。

ただ、自分のためにも・生まれてくる赤ちゃん・また生まれてから授乳する赤ちゃんのためにも、アルコールとの付き合い方は男性以上にシビアに考える必要があります。

基本的に、妊活をする前~授乳が完全に終わるまでは断酒をしないと赤ちゃんへのリスクがあります。なぜなら、どの程度の量で赤ちゃんに影響が出るか分からないためです。

現実問題として、アルコールを摂取するほど、赤ちゃんの神経細胞を破壊するリスクがどんどん高まります。旦那さんと一緒に断酒できると一番いいですが、職場の環境もあるでしょう。

間違いなく言えることは、女性だけの問題ではないということです。


参考

厚生労働省:e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-015.html

特別非営利活動法人アスク→https://www.ask.or.jp/
:胎児性アルコール症候群(FAS)と胎児性アルコール・スペクトラム障害(FASD)

:女性は男性よりもアルコールの害を受けやすい!

 

 

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