夏場にクーラーを付けると、体がだるくなることはありませんか?
かくいう私も、エアコンの風には弱いのでできる限り避けるようにしています。とはいえ、夏本番ともなるとクーラーなしでは命の危険まであります。
今回はそんな、「エアコンにより発生する冷房病(クーラー病)」についてご紹介します。
「冷房病」ってそもそもなに?
人間には、環境適応能力が備わっていますよね。
ところが、基本的に自然界ではありえない人工的な環境の変化によって、その体温調整能力に変調を起こしてしまいます。
その結果、自律神経の失調を来してしまい様々な症状を引き起こしてしまいます。
こういった体の変調を総称して「冷房病」と呼ばれます。ただし、医学的な病名ではなく、あくまでも俗称です。
私達の体は夏使用に変わる!?
私たちの体は、夏になると体内での発熱を抑制し、さらに熱を逃がしやすい体質に変化します。
とあります。
つまり、夏になると私達の体は「夏使用になる」ということです。
具体的には・・・
- 毛細血管を広げ放熱しやすくする。
- 汗をかいて熱を下げようとする。
こういった体質に変わります。
ところが、エアコン環境はそもそも人工的に作られた環境ですから、体の体質変化とは関係ありません。
つまり、体質が夏使用に切り替わっているためエアコンの影響をより受けることになります。
せっかくの体質変化が逆効果!?
❶放熱過剰
ただでさえ毛細血管を広げることで放熱しやすい状態になっているため、冷房の効いている屋内にいても血管が縮みにくく、体内の熱が逃げすぎて冷える。
➋外出先との温度差(一歩外に出れば温度が全く違う)
自律神経は、体温調節や発汗などのコントロールをしていますが、激しい温度差により自律神経のバランスが崩れていきます。
→自律神経のバランスが崩れると、「冷え」に対しての抵抗力が弱まる。
それでは、「冷え」によりどういった症状が現われるのでしょうか?
冷えによる症状
- 体の冷え
- 倦怠感
- 食欲不振
- 頭痛
- 腹痛
- 下痢
- 神経痛
- 生理不順
など、こういった症状が主な症状として挙げられます。特に、高齢者や乳幼児は体温調整が苦手なため注意が必要です。
冷房病になる条件とは?
冷房病の原因は・・・
- 温度を低くしすぎる
- 冷風を体に直接受ける
- 屋外と屋内の急激な温度変化に何度もさらされる
こういった行動により、自律神経の失調が引き起こされることです。
それでは、具体的にどういった対策が必要なのでしょうか?
「冷房病」の対策はある意味単純!
設定温度
そもそも、冷房病は健康でいられる人体の調節機能の限界を越えてしまうために、引き起こされるといえます。
よく、「クーラーの温度は27度前後にしましょう!」と言われますが、これは外気温との差が5~7度以内(3~4℃と言われることもある)になるように設定することで、体を冷やしすぎないようにするためです。
これは、自律神経への負担を軽減するために提唱されています。(「人間が健康的に対応できる温度変化がこれぐらい」ということでしょう)
ちなみに、「エアコンの設定温度を24℃以下にしない」こともよく言われますよね。
→外気温との差を考えると、外気温が32度~34度の想定であることが分かります。ただ、最近では40度前後の酷暑になる日もありますよね・・・
*もしも、外気温が40度の日であれば、エアコンの設定温度は33℃~35℃にすることになる。
冷気は下にたまる!
デスクワークをしていると、足下が寒くなるのはこのためです。膝掛けをされている方もいるのではないでしょうか?
また、体温調整が苦手な赤ちゃんも、床ではなく高い場所に寝かせてあげる必要があります。
そして、寒さの感じ方には個人差があるため、最後は「寒いと感じない温度」にすることが基本です。
ちなみに、帰宅直後や入浴後など汗をかいた状態で、エアコンの冷たい風を直接受けると体を冷やし体調を崩す原因になります。
「腹巻」で対策!?
特にデスクワークをしている人にとって、「膝掛け」や「カーディガン」があるかないかでは、大きな差があるのではないでしょうか?
ただ、それでも体調不良を引き起こしてしまうことはありますよね・・・
それでは、「腹巻」はされているでしょうか?
「腹巻」はなぜいいの?
- 冷えから腸や胃の障害を起こす人が多い
- 腹部を温めると、全身の温度も上昇しやすい
- 腰痛予防(腰の冷えを防ぐため)
あとは、足下に強い冷えを感じるならレッグウォーマーを履くといった対応が必要になります。
→暑さ対策のためにエアコンを使い、今度はエアコンの寒さ対策をすることになります。
このように、そもそも「エアコンを使うことは、自然ではありえないおかしなことをしている?」ということは間違いないでしょう。
最後に
冷房の機能は自動センサー機能を始め、どんどん上がっています。そのうち、「冷房病」なんていわれる日はなくなるのかもしれません。
ただ、それまでは「冷え」をもっとも感じやすい、足先の対策をする必要があるでしょう。
これは、エアコンの冷気は足下にたまりやすいことに加えて、足先は心臓から遠いため血液の流れが悪くなりやすいためです。
そのため、席を立ったり・少しでも歩いたりといった必要がでてきます。
冷房病は、意識していればある程度予防することができます。特に、夏場は熱中症の危険があるためエアコンを上手に使っていきたいですね。
ちなみに、「熱中症と新型コロナウイルスの症状は似ている」と言われています。
- 身体がベタつく
- だるい
- 頭がフラつく
- 発熱
- 頭痛
などが、似ている症状として当てはまります。
日頃から熱中症対策をしていれば、コロナに感染してもいち早く見分けることにつながるでしょう。そのためにも、まずはエアコンの正しい使い方を意識してみてはいかがでしょうか?
参考
一般社団法人 大阪府医師会:クーラー病
→https://www.osaka.med.or.jp/citizen/tv56.html?
京都外国語大学(短期大学):「新型コロナウイルス感染症」と「熱中症」は、症状が似ているので要注意!
→https://www.kufs.ac.jp/news/detail.html?id=DPi1VelL
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