「出店あらし」は、出入り口から侵入! 無締まりが狙われる!?

 

前回、新型コロナウイルスに便乗した「侵入窃盗」が発生していることをご紹介しました。

「侵入窃盗」というのは、空き巣や忍び込みなどのことです。

さて、侵入窃盗の1つに「出店荒らし(でみせあらし)」という被害が拡大します。

今回は、「新型コロナウイルスで急増?した出店荒らし」についてご紹介します。

 

「侵入窃盗」については、こちらの記事でも紹介しています。

新型コロナで火事場泥棒発生中・・・ 「侵入窃盗」とは?

 

そもそも「侵入窃盗」ってなに?

侵入窃盗は、建物に侵入して金品を盗む犯罪のことをいいますが、手口によっていくつも種類があります。

  • 空き巣  :家人等が不在の住宅の屋内に侵入し、金品を盗む
  • 忍び込み :夜間家人等の就寝時に住宅の屋内に侵入し、金品を盗む
  • 居空き(いあき):家人等が在宅し、昼寝、食事等をしているすきに住宅の屋内に侵入し、金品を盗む。
  • 出店荒らし:閉店中の店舗に侵入し、金品を盗む。
  • 事務所荒らし:会社、組合等の事務所に侵入し、金品を盗む。

→学校荒らし・病院荒らし・金庫破りetc・・・

さて、「出店荒らし」は閉店中の店舗に侵入して金品を盗む行為になります。つまり、コロナ禍で休業していたお店が狙われたことになります。

今回は、千葉県警が発表している出店荒らし件数について見ていきます。

 

そもそも、「出店荒らし」は減少し続けている!

例えば、平成23年(2011年)の出店荒らしの被害件数は、1,097件が報告されていますが、上半期と下半期ではこのようになっていました。

  • 上半期:597件
  • 下半期:500件

これが、10年前の状況でした。

 

その後、増減はありましたが減少傾向が続き、平成30年(2018年)には、457件(上半期:278件/下半期:179件)と全件数で500件をきりました。

そして、令和元年(2019年)には299件(上半期:121件/下半期178件)とさらに減少していました。

ところが、令和2年(2020年)の6月末時点の暫定値で、163件(上半期)となっています。


ちなみに、全国での上半期のみの「出店荒らしの件数」は、このように推移しています。

平成23年:10,544件 →平成30年:4,099件 →令和元年:3,417件 →令和2年:3,134件となっていました。

つまり、全国的には毎年3,000件台で推移していることが分かります。

また、全国でみた場合、去年と比較すると上半期では減少しているが、千葉県が増加しているように地域差が大きいことが見てとれます。

さて、それではそもそもどういったところから侵入してくるのでしょうか?

 

どんなところが狙われていた?

千葉県警によると、侵入口はこのようになっていました。

  1. 表出入り口:39.3%
  2. その他出入り口:31.3%
  3. 窓:23.9%
  4. その他:5.5%

つまり、約7割が出入り口から侵入していることが分かっています。

「泥棒」と言えば、窓からの侵入を想像する人も多いかもしれませんが、出入り口からの侵入が圧倒的に多かったようです。

しかも、この侵入手口が選ばれているは不用心だったことも影響しています。

 

まさかの「無締り(むじまり)」が多い!

「無締り」は、言葉通り鍵をかけていなかったために侵入されたという意味です。

 

 

侵入手段!

  1. ガラス破り:33.7%
  2. その他の侵入手段:27.0%
  3. 無締り:17.2%
  4. 施錠開け:16.6%
  5. 不明:5.5%

確かに、3割以上はガラスを破っての強行手段が使われています。

ですが、まとまりのない「その他の侵入手段」を除けばそもそも鍵をかけていなかった無締りも多くなっています。

さらに、「施錠開け」も含めれば「一見しただけでは窃盗に遭ったことすら分からない状態」が33.8%と、手口としては最も多いことになります。

→「合鍵を使った施錠開け」も、いまだに発生している。

 

 

狙われやすい場所は?

  • 幹線道路やその裏通りに面している
  • テナントが入っているビルなど、常時ビルの出口が開いている。
  • 工事のために足場が組まれいる建物やその隣の建物。
  • 無人になるビル(夜間・休日など)
  • 隣の建物との間隔が狭い・外階段が隣接。
  • 近くに公園・駐車場・空地がある。

このように、侵入のしやすさがそのまま被害に遭う可能性に繋がります。

→「一目に付きにくい場所」や「簡単に誰でも入れる場所」が、要注意だといわれる原因。

hebushiki / Pixabay

 

また、お店側としてはトイレなどに人が残っていないか、必ず確認しなくてはいけないことになります。

夜間警備の仕事が必要なことも、うなずけるのではないでしょうか?

ただ、千葉県内での出店荒らしの認知件数を確認すると集中していることが分かります。

 

出店荒らしは集中しやすい?

一概には言えませんが、千葉県内で令和2年6月末の出店荒らしの発生署別認知件数は以下のようになっています。

まず、ほとんどの署の管轄で出店荒らしが発生していますが、7ヶ所の署内では1件も発生していませんでした。

ところが、柏署内だけは15件以上と最も被害が集中していました。

というのも、多くの署内では4件以下の発生件数だったことが分かっているためです。

また、被害が多かった柏署の周辺も出店荒らしが増加傾向が見られますが、なぜか柏署に隣接している四街道署内では1件も発生していません。

このように、1件発生するとその後、犯行が繰り返されているのかもしれません。

 

最後に

今回は、千葉県内での「出店荒らしの現状」についてご紹介しました。

なんにしても、日頃から使わない出入り口の施錠も、徹底しないといけないことは言うまでもありません。

犯罪の手口や発生件数などは地域差がありますが、もしも近くで発生した場合、その周辺地域でも引き起こされる可能性があります。

地域情報には、くれぐれもご注意下さい。


参考

千葉県警察
https://www.police.pref.chiba.jp/seisoka/safe-life_publicspace-home_theft_07.html

 

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