子どもがかかる病気はたくさんあります。これまでも、インフルエンザをはじめ注意すべき病気はたくさん紹介してきました。
今回ご紹介する病気は・・・
- 最近、流行していきている
- 大人がかかると重症になりやすい
そんな病気、「手足口病」についてご紹介します。
そもそも手足口病ってなに?
どんなイメージをもっていますか?
「初めて聞いた!」と言われる方もいる一方で、手足口病と言えば「子どもがかかる夏風邪!」というイメージをすでにもっている方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、患者のほとんどは5歳未満の小児が80%を占めています。ただし、大人にも感染することがあります。
それでは、もう少し詳しく見ていきましょう。
どんなウイルス?
手足口病(hand,foot and mouth disease:HFMD)
⇒「エンテロウルス」や「コクサッキーウイルス」の感染によって起こる、急性ウイルス感染症。
さて、このウイルスは「手のひら・足の裏・口の中」に小さな水ぶくれができる病気です。ただ、手足にできるものは水疱をつくることや、皮膚に豆を埋め込んだようになることもあります。
*手足口病とはいえ、「膝・肘・おしり」にも発疹ができることも。
どんな症状があるの?
- 10人のうち3人ぐらい(3割程)は、38℃位の発熱(熱はほとんどない場合が多い)
- 手足の水疱はほとんど痛がらない。
- 痒い・痛がゆい場合がある。
- 口内炎がひどくなった場合は、よだれが流れだし食事を嫌がる。
手足口病は、自然治癒することがほとんどです。ただ、特に口にできた場合は注意が必要になります。
《口に、手足口病が感染した場合》
- 熱い物
- 塩味
- 酸味
- 固い物
- パサパサ
などは、口の中を刺激してしまうため避けて「うす味」で「柔らかい食べ物」にする必要があります。
*手足口病のウイルスは、数種類あるため1シーズン中になんと2回・3回もかかるといったこともあります。
さらに、合併症を起こすことがあります。
まれに発生する合併症!
非常にまれとはいえ、「骨髄炎」や「脳炎」といった中枢神経系の合併症などさまざまな病気を引き起こし、命に関わることさえあります。
- 発熱(2日以上)
- 高熱
- 嘔吐
- ぐったりする
- 呼びかけに応じない
- 呼吸が速く息苦しそう
- 視線が合わない
- 食欲がない
- 水分がとれずおしっこがでない
- 頭痛
といった症状があれば、すぐに診察へ行く必要があります。
それでは、手足口病はどういった経過をたどるのでしょうか?
感染後はどうなるの?
そもそも感染源は?
「感染症」ですので、いくつかの感染ルートがあります。
- 飛沫感染・・・感染者のくしゃみや咳
- 接触感染・・・感染者触れたドアノブやスイッチ、おもちゃなどに触れてから自分の口や鼻などに触れる。
- 経口感染・・・感染後は、約2~4週間にわたって便中にウイルスが排出されます。つまり、「乾燥した便の粒子を吸い込む」・「トイレやオムツ交換後に手を十分に洗わない」といった状態で自身の顔に触れる。
感染後の経過
《潜伏期》
約2日~7日(感染してから数日は、特に症状は現れません)
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《発症》
手足の皮疹・口内炎などの症状が現れる。(約1週間)
- 手のひら、足の裏・甲、口の中に2~3㎜の水ぶくれ状の発疹。
- 口の発疹は、潰れて口内炎になる場合もあります。
その他、先程紹介した症状が現れます。
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《症状が治まる》
症状が治まっても、感染から2~4週間はウイルスが便から排出され続けます。(ほとんどの場合は1週間で軽快する)
*このように、手足口病は発症してから普通なら約7日で軽快していく病気です。
それでは最後に、大人がかかる「手足口病」にはどんな危険があるのでしょうか?
大人の手足口病
大人が手足口病にかかった場合は、子どもの時とは比べものにならないほど危険です。子どもの場合なら、手足に手足口病ができても、「痒み」や「痛み」があるかどうかという程度ですが・・・
- とにかく痛い(足裏にでき、ひどくなると歩けないほど)
- 全身倦怠感
- 悪寒
- 関節痛
- 筋肉痛
このように、発疹+痛み+インフルエンザにかかったような症状が現れます。まさに、踏んだり蹴ったりの状態になります・・・
大人がかかる場合は、自身の子どもから(オムツ交換など)もらう場合が多いです。子どもがいなくとも、公共交通機関などで子どもと接触して免疫が落ちていれば感染する場合があります。
*大人の場合も、子どもと同じで何度も感染を繰り返す可能性があります。
治療法はあるの?
予防なら、手洗い・うがい。子どもがかかったらマスクをして接するといった方法がありますが・・・
「治療」という意味では抗生剤の投与は意味がなく、特効薬はありません。熱や痛みなどに対する対処療法がおこなわれます。
基本的には、自然治癒していきます。入院した場合も対処療法がおこなわれ、点滴による水分補給・解熱剤が使用される場合もあります。
最後に
手足口病は、ほとんどが子どもに発症します。ですが、大人も感染する場合があります。特に、子育て中のママ・パパは気をつけないといけない病気の1つです。
また、「何度も感染」することや「合併症」が怖いこと・「大人がかかると重症化」しやすいことも注意すべき点です。自分1人だけなら大丈夫でも、なぜか子どもからは風邪までうつされることがよくあります。
夏場は、特に湿疹などができやすい時期でもあります。そのため、水疱=手足口病ではありませんが、子ども達の様子をみながら受診するなど、くれぐれもご注意下さい。
参考
白十字小児科医院
→http://www.hakujyuji.com/HFMD.htm
インフルラボ
→http://influlab.jp/reception_desk/symptom/hfamd.html
サワイ健康推進課
→https://www.sawai.co.jp/kenko-suishinka/theme/201808.html
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