「子育て世代包括支援センター」ってなに? 新しい取組み始動!

 

前回、フィンランドで取り組まれている「ネウボラ」についてご紹介しました。

「ネウボラ」とは、母親の妊娠初期から子どもの小学校入学まで担当の保健師が子育てに関するあらゆる相談にノンストップで応じる仕組みのことです。

日本では、現状こういった仕組みはありそうでありませんでした。

今回は、日本のネウボラとも言うべき「子育て世代包括支援センター」についてご紹介します。

 

ネウボラについては、こちらの記事で紹介しています。

虐待を防ぐ取組み フィンランドの「ネウボラ」とは!?

 

コレまでの子育て環境

子育てに限ったことではないですが・・・

子どもに関する相談をしようと思えばあなたはどこに相談しようと思いますか?

  • 小児科?
  • 保健センター?
  • 市役所?
  • 児童相談所?
  • 子ども家庭支援センター?
  • 病院?

などなど少なくとも、2つぐらいはおもい付くのではないでしょうか?

 

市役所に行った場合

市役所では、ご存じのように縦割り行政のため「児童手当に関してはこちらの⚪⚪課」「マイナンバーに関してはこちらの⚪⚪課」「障害関係ならこちらの⚪⚪課」とたらい回しにされる可能性が高いですよね。

例えば、他の市町村に引っ越したことがある人なら分かると思いますが、住民票の手続きやゴミの手続きなどいろんな課に回されたのではないでしょうか?

そして、あなたは引っ越し先の情報は基本的になにも持っていない状態ですよね。

もし、全国で実施されていることが分かっている児童手当の支給といった相談なら、明確な意図をもって相談しに行くことができるため、時間はかかってもゴールにたどり着けます。

ですが、仮に漠然とした情報(その自治体でやっているかどうか分からないサービス)だった場合、職員の知識によってはたどり着けない場合があります。

ちなみに、特に民間の情報は点で存在しているため、こちらから役所や駅のチラシ・パンフレットをもらいにいかなくては情報を得ることができない可能性が高いです。

→仮に、インターネットに紹介されていたとしても、そもそも知らなければどんな情報があるか分からないため、検索で分かるか不明。


私が住む自治体では、子どものための「絵本の広場」・「リトミック教室」・「保健センターの教室」など、各自治体や個人で子育てに関するさまざまな取組みが実施されています。

ところが、こういった情報は分散していることが多く一握りの人しかその情報にたどり着けず、最後は孤立してしまう可能性があります。

それでは、「子育て世代包括支援センター」にはどんな期待ができるのでしょうか?

naobim / Pixabay

 

「子育て世代包括支援センター」はコレまでとなにが違うの?

子育てに限ったことではないですが、私達が生活する上で行動する第一歩となるものが「情報」です。

コレがなければ、あるかないかも分からない情報をやみくもにネットなどで調べることになりかねません。

そんな時に頼りになるのが「子育て世代包括支援センター」です。

 

厚生労働省より満たすべき3要件が示されています

  1. 妊娠期から子育て期にわたるまで、地域の特性に応じ「専門的な知見」「当事者目線」の両方の視点を活かし、必要な情報を共有して切れ目なく支援する。
  2. *ワンストップ相談窓口:妊産婦・子育て家庭の個別ニーズを把握した上で、情報提供、相談支援行い、必要なサービスを円滑に利用できるよう、きめ細かく支援する。
  3. 地域の様々な関係機関とのネットワークを構築し、必要に応じて社会資源の開発等をおこなうこと。

*ワンストップとは、一箇所で全ての用事が済ませることができるという意味です。


難しいことが書いてありますが、つまり・・・

  • 子育てに関する、民間も含めたあらゆる情報をここに来れば得ることができる(ワンストップ)
  • 専門職が対応することで、切れ目無く支援してもらえる
  • 必要なサービスを作り出す。

という特徴があります。

これらは、「妊娠期から子育て期に渡るまでの支援をワンストップ拠点(子育て世代包括支援センター)を立ち上げていく」という目的で実施されます。

これまでとは違う大きなポイントとしては、子育てに関する確固たる相談機関ができてきているということです。

 

まだまだ発展途上!

子育て世代包括支援センターは、2019年4月1日時点で983市町村→1,717箇所あります。

→2019年4月1日時点で市町村数は1,724箇所あるため、半数以上の市町村ではすでに運営されていることになります。

 

課題は山積み!

①そもそも周知されていない・・・

センターは、原則全ての妊産婦(産婦:産後1年以内)、乳幼児(就学前)とその保護者を対象とすることを基本としています。

→地域の実情に応じて18歳までの子どもとその保護者についても対象とする等、柔軟な対応が求められます。

さて、そんな「子育て世代包括支援センター」の最大の課題は、そもそもこの取組みが子育て家庭に周知されていないことだといえます。

自分事ですが、例えば2019年10月時点で、私は1歳と3歳の子育て中ですが、そもそもこの取組みについて存在すら知りませんでした。(ネウボラの記事を調べているときに、たまたま見つけました)

*子育て包括支援センターは、「まち・ひと・しごと創生基本方針」2015年6月30日閣議決定等における新しい取組みです。

 

②通り一辺倒のサービスでは意味がない!

各自治体により、課題は違います。

例えば、そもそも妊婦さんの人数も子どもの数も自治体によって違います。

また、虐待が多い地域なら虐待対応だけで手一杯になってしまう可能性もあります。

つまり、その地域でなにが必要かを見極めていく必要があります。

 

③切れ目のない支援?

妊娠時からの支援となると、約10年。18歳までなら、それこそ20年近く継続的に利用することになります。

また、転勤等による引っ越しのために支援が切れる可能性があるだけでなく、そもそも専門職が異動することも考えられます。

「あなたで4人目・5人目の担当者」なんてことになったら、相談する方も相談する気にならないのではないでしょうか?

Kaz / Pixabay

 

最後に

「子育て世代包括支援センター」が子育ての相談機関として、フィンランドで実施されている「ネウボラ」のように当たり前になるためには、まずは周知徹底していく必要があります。

そして、周知徹底するためには一般への働きかけが必要になります。

周知徹底ができれば、今度は専門職を増やしていく必要があります。

→そうなるまでには、何年もかかります。

子育て世代包括支援センターが、既存の縦割り行政に組み込まれることなく、本来の目的である「あらゆるネットワークに繋がっていく」ことが期待されます。

そして、膨大な対象者とのつながりをいかに結びつけていくかが今後の課題となります。

*既存の来てくれる人だけに対応するサービスでは、限界がある。


参考

e-stat:市区町村数を調べる
https://www.e-stat.go.jp/

厚生労働省:子育て世代包括支援センターについて
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-hoken/index.html

 

 

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