最近、「自転車が高速道路に侵入してそのまま車の脇を走る!」なんて信じられないようなニュースが話題になっていました。
ちなみに、海外でも同じようなことは起こっているようですが・・・
外国人だから・・・
認知症だから・・・
と病気や文化の違いなど故意とはいえないこともあるでしょう。
ですが、ルールを破れば事故につながります。
今回は、「意外と知らない自転車の罰則」についてご紹介します。
自転車は軽車両!
自転車は、軽車両に分類されています。(軽車両は、原動機をもたない車両の総称)
ちなみに、ペダルをこがなくても運転できる「フル電動自転車」という物がありますが、これは「原動付き」になります。→運転免許証も必要!
つまり、軽車両は人力で動かす必要がある「人力車・そり・自転車(電動アシスト自転車含む)など」が当てはまります。
例えば、子どもを乗せて電動アシスト自転車に乗せていると、「これって原動機じゃないの?大丈夫なの?」と思うときがあるかもしれませんが・・・
そもそも原付などとは違い、あくまで補助するだけで自分でペダルをこがなければ動きませんよね。そのため、「軽車両」に分類されます。
軽車両のため、免許証も必要なければ原付のようにヘルメットなどをしなくても罰則はありません。
*ちなみに、電動自転車へのせた幼児へのヘルメット着用は、「努力義務」のため罰則もありません。
→ただ、信号などで止まったときなどに、自転車から子どもが乗り出して落ちることもあるので絶対必要!
それでは、軽車両の罰則についてみていきましょう。
軽車両の罰則ってなにがあるの?
実は、かなりたくさんの違反対象があり、道路交通法により厳しい罰則が設定されています。
《5年以下の懲役又は100万円以下の罰金》
- 飲酒運転の禁止(第65条第1項)
→何人も酒気を帯びて運転してはならない。
《3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金》
- 信号無視(第7条)
→信号機の表示する信号又は警察官等の手信号機に従わなければならない。 - 一時不停止(第43条)
→道路標識等により一次停止すべきことが指定されている時は、停止線の直線で一時停止しなければならない。 - 通行の禁止等(第8条)
→道路標識等によりその通行を禁止されている道路又はその部分を通行してはならない。 - 車道通行(第17条第1項)
→歩車道の区別のある道路では、車道を通行しなければならない。 - 左側通行等(第17条第4項)
→道路の中央から左の部分を通行しなければならない。
《5万円以下の罰金》
- 無灯火(第52条)
→夜間、道路を通行するときは、灯火を付けなければならない。
《2万円以下の罰金又は科料》
- 二人乗りの禁止(第57条第2項)
→都道府県公安員会が定める乗車制限に反して乗車させ、自転車を運転してはならない。 - 軽車両の並進の禁止(第19条)
→自転車など軽車両は、他の軽車両と並進してはならない。(横に並んで、走行してはいけません) - 普通自転車の歩道通行(第63条の4第2項)
→道路標識等により通行することができる歩道を通行するときは、歩道の中央から車道寄りの部分を徐行しなければならず、また、普通自転車の進行が歩行者の通行を妨げることとなるときは一時停止しなければならない。 - 自転車横断帯による交差点通行(第63条の7第1項)
→交差点又はその付近に自転車横断帯があるときは、その自転車横断帯を進行しなければならない。
自転車運転者講習制度
このように、軽車両にはたくさんの罰則が存在しています。とはいえ、よく違反している自転車は見ますよね・・・
例えば自転車の併走は、学生の下校中によく見かけますよね。他にも、夜間に車を運転していると無灯火で走行する自転車を度々見かけます。
個人的には、「自転車の違反で罰金を払った!」という話しは身近で聞いたことはありませんが、すでに取締りは厳しくなっています。
というのも、実は平成27年6月1日から新たに「危険な自転車の運転は取締りのあとで講習を受けなければならず、講習を無視すれば5万円以下の罰金」というルールが追加されているためです。
→「自転車運転者講習」については、こちらの記事で紹介しています。
最後に、冒頭でお伝えした高速道路を自転車で走った場合どんな処罰があると思いますか?
まさかの高速道路を自転車で走行!?
そもそも、高速道路等の自動車専用道路は「歩行者」はもちろん「自転車等の軽車両」や「原動付き自転車」、「125cc以下の自動二輪車」も通行できません。
- 道路法第48条の11
→「何人もみだりに自動車専用道路に立ち入り、又は自動車専用道路を自動車による以外の方法により通行してはならない。」 - 高速自動車国道法第17条
→「何人もみだりに高速自動車国道に立ち入り、又は高速自動車国道を自動車による以外の方法により通行してはならない」
により禁止されています。
高速道路の進入件数は?
ちなみに、NEXCO東日本のHPには平成24年度で約1.500件(1日4件のペース)も「歩行者や自転車が立ち入っている!」という通報があったようです・・・
つまり、高速道路の不法進入は以前からかなりの数があったようです。
ちなみに、国土交通省の発表ではH24年で2,512件 →H28年3,678件と大幅に増加しています・・・
- 特に、40代以下の若年層が5年間で2倍以上も増加している。
- 20代の進入が最も多く、うち7割が「道間違い・誤進入」によるもの。
罰則については・・・
- 高速自動車国道法(第30条)
→50万以下の罰金 - 道路交通法(第8条)
→上記で紹介した「通行の禁止等」に当たるため、3ヶ月以下の懲役5万円以下の罰金。
あくまで、高速道路に自転車などが進入しただけで発生する罰則です。
最後に
自転車の罰則は、他にも以外とたくさんあり具体的には、自転車の傘差し運転(5万円以下の罰金)や急な進路変更(5万円以下の罰金)などもあります。
イヤホン使用など、自治体によって対応が違う場合もあるので注意が必要です。
山口県警察のHPを確認すると・・・
車両(自転車を含む)の運転手は、左折・右折・転回(Uターン)・徐行・停止等又は同一方向に進みながら進行をかえるときは、「手」、「方向指示器」等で合図をしなければ5万円以下の罰金となっています。
つまり、自転車にのっている人は手信号をしないといけないわけですが、これまでほとんど手信号をしている人を見かけたことがありません・・・
皆さんも、自転車の運転にはご注意下さい!
参考
JAF:事故・違反
→http://qa.jaf.or.jp/accident/penalty/06.htm
交通事故・違反の法務相談室
→http://www.toyoshima-k2.jp/14476546669056
NEXCO東日本
→https://www.e-nexco.co.jp/road_info/important_info/h25/0708/
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