・この記事では、寒暖差アレルギーと自律神経についてお伝えしています。
皆さんは、何かアレルギーをもたれているでしょうか?
少し古い情報ですが、「平成15年保健福祉動向調査の概況」によれば日本人の2人に1人は何かしらのアレルギー疾患をもっていることが指摘されています。
そもそも、アレルギーは食べ物だけでなく花粉症や化学物質など私達の身の回りにある物がアレルギーの原因になってしまいます。
世界的にみても希ですが、涙や汗にも反応してしまう「水アレルギー」まであるため、アレルギーは本当に身近な疾患といえるでしょう。
さて、そんな身近な「アレルギー」ですがこのアレルギーは物質だけではなく寒暖差によっても引き起こされることをご存じでしょうか?
今回は、アレルギーと名前がついている「寒暖差アレルギーってなに?」についてご紹介します。
寒暖差でアレルギーが発生?
「寒暖差」とあるように、例えば・・・
- 夏場に、空調が効いている屋内と炎天下の屋外への出入り
- 季節の変わり目による1日の寒暖差が大きい
こういった、寒暖差は毎年経験していますよね。
他にも・・・
- カレーやラーメンなど熱くて刺激性が強い食べ物を食べたとき
- スキー場などで冷たい空気を吸ったとき
こういった場合でも引き起こされます。
症状は?
- くしゃみ
- 鼻水
- 鼻詰まり
- 食欲不振
- 不眠
- イライラ
- 疲れやすい
など、様々な症状がみられ、「7℃以上の気温差がある場合に引き起こされる」と言われています。
実は、アレルギーではない・・・
さて、この寒暖差アレルギーですが、医学的には「血管運動性鼻炎」と呼ばれています。
そして、ここからが本題なのですが、この寒暖差アレルギーは、そもそも病院でのアレルギー検査などで花粉やハウスダストなど、明確なアレルギーの原因となる物質「アレルゲン」が発見できない場合に診断されます。
つまり、アレルギーではありません。
ちなみに、アレルゲンが特定されている鼻炎は「アレルギー性鼻炎」と呼ばれるため、はっきりと区別されています。
*寒暖差アレルギーの治療は、投薬が中心。(症状を和らげる対処療法)
*アレルギー性鼻炎は、投薬の他、アレルゲンの除去を行うなど、治療方法が異なる。
寒暖差アレルギーの見分け方は?
実は、寒暖差アレルギーは詳しい原因についてまだ解明されいませんが、気温の差が刺激となって鼻粘膜の血管を広げ、内部が腫れることで、症状が引き起こされていると考えられています。
このことからも、寒暖差アレルギーはアレルゲンがないため、「アレルギーではない」ということになるでしょう。
さて、本来ならアレルギーは私達がもつ免疫機能の過剰防衛が原因ですよね。
つまり、ある特定のアレルゲンに対して必要以上に免疫機能が働いてしまうため鼻水や目の痒み、発熱などが引き起こされることになります。
それでは、アレルギーではない「寒暖差アレルギー」にはどういった症状があるのでしょうか?
例えば、「寒暖差アレルギ-」・「アレルギー性鼻炎(アレルギー)」・「風邪」では以下のような違いがあります。
寒暖差アレルギー | アレルギー性鼻炎 | 風邪 | |
鼻水 | 無色透明 | サラサラ | 黄色っぽくドロッとしている |
鼻づまり | ある | ある | 「ある」・「ない」どちらも |
くしゃみ | ある | ある | あっても長く続かない |
目の痒み | ない | ある | ない |
発熱 | ない | ない | ある |
一見すると、同じような症状があると思ってしまいますが、実はこのように症状の出方にはそれぞれ特徴があります。
そして、本題の寒暖差アレルギーの場合は「目の痒み」や「発熱」が見られないことが分かります。
それでは、寒暖差アレルギーを防ぐためにはどうすればいいのでしょうか?
寒暖差アレルギーは自律神経の乱れを防ぐ!
先程もお伝えしましたが、寒暖差アレルギーの治療としては投薬が中心です。ただ、アレルゲンはないため引き起こされた症状に対して治療をおこなう対処療法となります。
とはいえ、そもそも寒暖差アレルギーの原因は自律神経の乱れが指摘されています。そのため、寒暖差をなくし血流をよくすることが寒暖差アレルギーの予防になります。
簡単に言ってしまえば・・・
- 冬場は、部屋をあらかじめ暖めておく
- 〃 、羽織れる物・手袋。帽子などを準備しておく
- ウォーキングなどの軽い運動
- バランスのよい食生活
と言うことで、健康的な生活を送ることが寒暖差アレルギーの予防になります。
最後に
「医食同源」なんて言葉があるように、日々の生活が私達の体を作っています。
運動不足やエアコンの設定温度を極端な数値に設定するなどすれば、自律神経は乱れることになります。
自律神経は、内臓・血管などの働きをコントロールすることで私達の環境を整えるとても大切な神経です。
例えば、呼吸や消化、汗など無意識に私達の体調を管理してくれています。
とはいえ、ストレスや生活習慣により簡単に乱れてしまう神経でもあります。
当然、精神的な部分も大きく影響します。
1年中、元気に過ごせることができれば幸せですが、実際には仕事や子育てなどストレス過多になりがちです。
私達は、ただでさえ自律神経が乱れやすい環境になりやすいため「最近は疲れやすいな~」と思ったら、生活習慣を見直すことをお勧めします。
参考
公益財団法人 三重県健康管理事業センター:健康一口メモ
→https://www.kenkomie.or.jp/file/newsletter/k_202104.pdf
老木医院
→https://www.oikiiin.com/nonallergic-rhinitis/
ココカラクラブ
→https://www.cocokarafine.co.jp/oyakudachi/health/201609153.html
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