皆さんは、食品を選ぶときどうやって選んでいますか?
例えば、効果に注目して欲しい効能となる「キャッチコピー」をズバリ伝える食品をたくさん見かけるようになりました。
今回は、そんな「食品を購入するときの知らないと危険な注意点」について消費者庁の注意喚起からご紹介します。
機能性が表示されている食品の場合
「保健機能食品(食品に機能性表示が可能な食品)」とは、食品を摂取することで得ることができる効果を表示することができる食品のことです。
- 特定保健用食品(トクホ)・・・国による個別許可。
- 栄養機能食品・・・自己認証(国への届出不要)
- 機能性表示食品・・・自己認証(販売前に国への届出が必要)
これ以外の健康食品や一般食品は効能を表示してはいけません。
→保健機能食品について、詳しくはこちらの記事で紹介しています。
どうして注意が必要なの?
保健機能食品は、効能を表示することができます。
例えば、「目の疲れに効く!」とか「糖の吸収を抑える!」。他にも、「ぐっすり眠りたいなら!」なんて分かりやすいキャッチコピーが表示されています。
ですが、キャッチコピーだけでは結局その食品がどういった食品か分からないですよね。
つまり、パッケージ表示を確認する必要があります。
《パッケージの記載内容》
- 「特定保健用食品」・「栄養機能食品」・「機能性表示食品」である旨。
- 機能性の内容
- 1日当たりの摂取目安量
- 摂取する上での注意事項
このように、摂取するときの注意事項はありますが、医薬品や医薬部外品とは違います。
そもそも、保健機能食品はバランスのとれた食生活ができていることが前提として摂取する食品です。病気が治療できるものでもなければ、たくさん食べればいいという物でもありません。
むしろ、過剰摂取することで身体を壊す可能性もあるため、摂取目安量はしっかり守る必要があります。
*分かりやすく言えば、保健機能食品を摂取していても太ります。
それでは他に、食品にはどういった危険が潜んでいるのでしょうか?
小麦アレルギーが多発中!
最近では、世界中の食品を食べることができます。
近場のスーパーに行けば、必ずといっていいほど海外の輸入製品が売られています。
それでは、米粉製品による小麦アレルギー事故が発生していることをご存じでしょうか?
私達消費者としては、小麦アレルギーがあったとしても「小麦がダメなら米粉!」と自分や家族にあった食品を選んでいるつもりですよね。
小麦アレルギーのアレルゲンは、「グルテン」と呼ばれる小麦特有のタンパク質が原因となっていることが多いのですが、さて、このアレルギー表示はそもそも「日本」と「EUやアメリカ」とでは基準が違います。
日本のアレルギー表示の場合
食べ物アレルギーは、ごく微量のアレルゲンにより引き起こされることがあるため、小麦など*特定原材料を含む食品は、原則、当該特定原材料を含む旨を表示する必要があります。
*特定原材料とは、「えび・かに・小麦・そば・卵・乳・落花生」の7品目。→義務表示
ちなみに、数ppm以上の小麦総タンパク質を含む状況なら、容器包装に小麦のアレルギー表示をしなくてはいけません。
そもそも、混入の可能性が排除できない場合は食物アレルギー疾患を有する者に対する注意喚起表記が推奨されています。
EUやアメリカ等で使用されている「グルテンフリー表示」の場合
セリアック病の人の商品選択に資する観点から、「グルテンフリー表示」がなされています。
ただし、グルテン濃度が20ppm以下で表示することができます。
→セリアック病とは、小麦などに含まれるタンパク質のグルテンによって引き起こされる、慢性の自己免疫疾患のことです。
つまり、対象としている疾患が異なります。
そのため、「グルテンフリー」と記載があっても実際は「小麦が混入していた!」という事故が発生しています。
ただし、日本で販売されているから安全とは限りません。
小麦混入による事故事例
❶ケーキ店で販売されている米粉クッキーを食べたお子さん(7歳の女児)が、アナフィラキシーを起こし救急搬送され1泊入院。
→女児には、卵と小麦アレルギーがあったが、米粉クッキーには「小麦粉」の記載がなかった。
➋パン屋で販売されている米粉パンをお子さん(1歳の男児)に食べさせたところ、アレルギー症状が発生し病院受診したが、2日間顔の腫れが引かなかった。
→米粉だけでなく、小麦粉も使用されていた。また、普段はアレルギー表示をしているがたまたま記載を外していた。
❸米粉のパンケーキミックス粉でホットケーキを作りお子さん(5歳の男児)に食べさせたところ、舌がピリピリするとのことで病院受診し薬をもらった。
→パッケージには、原材料の一部に小麦粉を含むと記載があったが「大丈夫だろう」と与えてしまった。
このように、「米粉だから大丈夫!」とは思わず個人店などではアレルギーがあることを伝える。また、購入する場合はパッケージを確認する必要があります。
→アレルギーについては、こちらの記事でも紹介しています。
最後は、最近流行のフリマアプリの注意点についてご紹介します。
フリマアプリの場合
メルカリなどのフリマアプリでも、食品を売買することができることは多くの方がすでに知っていることだと思います。
ちなみに、メルカリでは「消費(賞味)期限」と「食品表示」の転載が必須となっています。
食品表示とは・・・
- 名称
- 原材料名
- 内容量
- 消費(賞味)期限
- 保存方法
- 販売者
のことです。
こうすることで、アレルギー対策にもなりますし、そもそも届いた食品の賞味期限が切れていては意味がないため、当然の対処といえるでしょう。
フリマアプリの落とし穴
フリマアプリを利用するということは、発送する必要がありますよね。
商品によっては、常温配送で送ると大変なことになります。まさか、アイスクリームを常温配送で送る人はいないですよね。
ですが例えば、鮮魚や果物などはどうでしょうか?
例えば、ヤマト運輸ではこのようになっています。
- 「冷蔵タイプ」・・・0℃~10℃→10℃以下で6時間以上の予冷。
- 「冷凍タイプ」・・・-15℃ →-15℃以下で12時間以上の予冷。
このように、必要な配送方法を選択することができます。
忘れてはいけないことは、クール便で配送してもらう食品はあらかじめ予冷しておく必要があります。
このように、保存方法:10℃以下の商品(要冷蔵食品)が常温配送で送られてきた場合、食中毒の原因となる場合があります。
→「レトルトパウチ食品」と記載されている食品は常温保存が可能です。
食品に関してはアレルギーや食中毒など、命に関わることもあるため特に販売者はそれなりの知識が問われることになります。
最後に
食品は、お弁当の作り方一つとっても、専門知識のある人が扱えば恐れることはありません。
ただ、フリマアプリやケーキやパンといったその場で作っているお店などでは注意が必要になります。
少なくとも、お店ならアレルギーがあることを伝えれば説明が聞けるでしょう。
ただ、配送されて初めて分かるフリマアプリでは消費者側がしっかり購入するときに確認しないと、大変なことになりかねません。
まずは、最低限の食品に対する知識を身につけて自分だけでなく家族も守っていきたいですね。
特に、子どもは免疫がまだしっかりできていないためご注意下さい。
参考
消費者庁:出版物・パンフレット等
→https://www.caa.go.jp/publication/pamphlet/#food_attention
食品衛生の窓:食品の表示制度
→http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/hyouji/shokuhyouhou_kakou_allegy.html
メルカリからのお知らせ
→https://jp-news.mercari.com/2019/03/26/item-rule-food/
ヤマト運輸
→http://www.kuronekoyamato.co.jp/ytc/customer/send/services/cool/
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