みなさんは、「アナフィラキシー」という言葉をご存じでしょうか?
例えば、蜂に刺されてアナフィラキシーショックが起これば命に関わるなんて聞いたことがありませんか?
このアナフィラキシーは、特に「即時型アレルギー」の中でもっとも危険な症状として恐れられています。今回は、「アナフィラキシー」についてご紹介します。
→「即時型アレルギー」については、こちらの記事で紹介しています。
「アフィラキシー」ってなに?
アナフィラキシーとは、ズバリ!「過剰反応」のことです。
アナフィラキシーは、原因物質が体内に入ることで、1つの臓器にとどまらず複数の臓器に強い症状が現れます。
●みなさんが聞いたことがある「アナフィラキシーショック」●
- 循環器
- 呼吸器
- 消化器神経症状と全身に自覚・他覚症状
- 血圧低下や呼吸困難
- 意識障害
などに進展する「アナフィラキシーショック」が起こると、命に関わる危険な状態になることも・・・
どんな症状が見られるの?
「アナフィラキシー」は、冒頭でもお伝えしたようにアレルゲン(食べ物・虫刺されなど、アレルギーを引き起こす原因物質)を取り込むと、数分~遅くとも2時間以内に発生する「即時型アレルゲン」のもっとも重い症状です。
アレルゲンが体内に入った後、短時間で激しい症状が現れます。
最も多い症状は、「じんましん」や「赤み」、「痒み」などの皮膚症状が圧倒的に多いようです。さらに、呼吸器・消化器・循環器など全身にわたる症状が複数かつ同時に起こります。
*アナフィラキシーには、食べただけでは症状がでずにアレルゲンになる食べ物を食べてから運動中や運動後に発生する「運動誘発性アナフィラキシー」という特殊なタイプもあり注意が必要です。
●症状の出現時間●
- 蜂に刺された場合は5分~10分以内
- 食べ物は、消化・吸収される時間(食後30分~1時間程)かかるため、2時間以内に出現しやすい
ただ、治療などにより初期症状が回復したとしても・・・
●二相性反応●
一部の人(1~20%程度)に見られる症状で、再度アナフィラキシーの症状が出現します。たいてい二相反応は8時間以内に発症しますが、中には72時間(3日)後に発症することもあり治療後もしばらく危険な可能性がある恐ろしいアレルギー症状です。
治療方法は?
治療方法は、「小児」と「成人」で対処方法が違います。
小児
●脱感作療法(減感作療法)●
例えば、「蜂に2回刺されるとアナフィラキーショックが起こって死ぬ可能性がある」と聞いたことがあると思います。
これは、始めて蜂に刺されたときに免疫作用により抗体ができます。ですが、2回目に刺されたときに毒の量が多いと免疫が過剰反応を起こしてショック死する危険性があります。
→投与された毒の量が少なければショック死することはありません。
つまり、「脱感作療法」とはアレルゲンの量をごく少量から投与して、次第に量を増やしていくことで過敏性を軽減させていく治療法です。
*「注射による免疫療法」と「舌下免疫療法」がありますが、治療には数年かかり全ての人に効果があるとは限りません。
成人
原因物質を避けるしかありません。
*原則、アレルゲンとなる薬剤も避けることになりますが・・・
どうしても必要な場合や重症でない場合は、減感作療法がおこなわれることもあります。
→蜂毒の場合は、海外なら減感作療法がおこなわれていますが日本では保険適応ではないためほとんどおこなわれていません。
ここでお伝えしたいことは、「蜂に刺されることだけでなく、食べ物や薬剤などアレルギー原因になるものは全てアナフィラキシーショックが起こる可能性がある」ということです。
最後に
赤ちゃんの食べ物アレルギーは、10人に1人が発症しているといわれています。
ただ、6歳以下でアレルギーを発症した場合は食べ物アレルギーに対する耐性を獲得する(食べられるようになる)可能性が高く、比較的治りやすいという特徴があります。
→逆に、6歳~成人期に食べ物アレルギーを新規に発症すると治りにくいとされています。
どちらにしても、食事後など皮膚症状や喘息など体に症状が出るようなら病院を受診することをオススメします。
参考
アナフィラキシーガイドライン
→https://anaphylaxis-guideline.jp/pdf/anaphylaxis_guideline.PDF
広島県医師会
→http://www.hiroshima.med.or.jp/pamphlet/256/2-3.html
有明こどもクリニック
→https://child-clinic.or.jp/allergy_Anaphylaxis
味の素HP
→https://www.ajinomoto.co.jp/products/anzen/know/f_allergy_01.html#02
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