台風やゲリラ豪雨など、日本での水害被害は毎年のように発生してしまいます。

特に、お盆で実家へ帰るときに台風が直撃することもあるでしょう。

そんな時、家族を守るために知っておくべき知識として今回は、「冠水・浸水」についてご紹介します。

 

「冠水」と「浸水」は、そもそもどう違うの?

国土交通省中部地方整備局より

 

洪水による氾濫によって住宅や田畑が水につかること。

  • 冠水・・・田畑や道路などが水につかること。→外が水につかった状態。
  • 浸水・・・住宅などが水につかること。→中にまで水が浸入してきた状態。

つまり、水の浸入が「外」か「中」かで呼び方が変わります。

 

使い方としては・・・

「冠水した道路に進入した車が、浸水により動けなくなった。」

となります。

それでは、車は浸水に強いのでしょうか?

 

車が冠水した道路に入るとどうなるの?

普段私達が、「雨の中を車が走ってもエンジンがかからなくなる」といった、基本的に故障することはないですよね。

私も、10年以上車の運転をしていますが、雨の中を走ってこういったトラブルは一度も経験したことはありません。

もちろん、水たまりに入ったこともありましたが特に車に問題はありませんでした。

 

冠水していると・・・

ところが道路が冠水していると、例えばマフラーの出口が水に塞がれてしまうと、燃焼したガスが排出されず、エンジンは止まってしまいます。

これは、勢いよく排気ガスが出続けていれば走ることができますが、一度止まってしまうと水がマフラーに浸入してしまうためです。

→ちなみに、エンジンやマフラーなどを高い位置にしたり、水に弱い電装系に防水をしたりとカスタムされている場合は、深い場所を走ることができます。


you tube動画で、池のような場所で水が屋根近くまできているにも関わらず、問題なく走向している「スズキ ジムニー」の動画が紹介されています。

https://www.youtube.com/watch?v=yxUwEAMIR0Y

マフラーがルーフ(車の屋根)と同じくらいの高さにあるなど、改造があります。

逆に言えば、車にこういった改造がなければ、そもそも冠水した道路に車が進入することは自殺行為になります。

RonaldPlett / Pixabay

 

よく、高架下には「冠水注意」の注意書きがなされていますよね。

高架下の場合は、冠水どころか*水没してしいる場合もありますが・・・

*水没・・・既に水へ埋まってしまった後の状態。

それでは、どれくらいの水位で車に影響が出てくるのでしょうか?

 

水深のある冠水した道路

車は、ある程度の冠水や浸水に耐えられるように設計されています。

そのため、ある程度の水深までの冠水した道路なら、走向することはできてしまいます。

ですが、冠水した道路を走ったことがあるドライバーだと、「今回も大丈夫だろうと!」と過信してしまうかもしれません。

 

JAFのHPを確認すると、走行可能な水深はこのように設定されています。

  • 乗用車・・・車の床面が浸からない程度。つまり、ドアの下端までです。

 

*ただし、一部のオフロードタイプの4輪駆動(渡河性能が重要視されている)車は水深1m弱の中でも走向できる特殊なモデルも存在しているようです。

よっぽどオフロードが好きな人はともかく、普通は燃費や道路での走向性能を重視して車を買いますよね。


私の場合は、それに加えて「子ども達のベビーカーを楽に乗せることができるか?」なんてことも重要視しましたが、少なくとも「車で川を渡ろう!」なんて理由で車を選んではいません・・・

気をつけないといけないことは、前を走っている車が水深1m程の冠水した道を走りきったとしても「自分の車も走りきれる!」とは思ってはいけないということです。

前の車は、「特殊なモデルの車」「何かしらの理由でたまたま渡り切れた」だけでしょう。

もう一度お伝えしますが、あなたの車が普通の乗用車なら車の床面が浸からない程度の水深が限界です。車の扉を開けて水が浸入してくるような水深では、車が故障する可能性が高いです。

 

それでは、その車の扉さえ開かない水深をご存じでしょうか?

 

扉の開閉限界とは!?

京都大学防災研究所が実施した「水没した自動車からの避難実験」より

  • 地上面からの浸水深が70~80㎝程度で避難成功率が急激に低下する。(成人の避難限界)
  • ドアの形状により水圧の大きさが変化するため同じ浸水状況では、後部ドアの避難が有利。
  • JAFのユーザーテストで浸水時は、パワーウィンドウなども正常に機能しなくなることが確認されている。

とはいえ、「水深70㎝~80㎝の水深に入ることはないだろう~」と誰もが考えていると思います。

ですが、現実問題として台風やゲリラ豪雨の中を車で走ることがあるなら、そういった危険性にさらされていることを自覚した方がいいでしょう。

実際、冠水した道路は水深が分からないため、おもいのほか深い場所にはまりエンジン停止。水が増水し、結果的に水深が70~80㎝に到達することもありえます。


他にも、JAFが「ミニバンのスライドドア」が開く水深を検証した実験があるので紹介します。

この実験結果では・・・

  • 水深約90㎝で車体が浮く。
  • 後輪が浮いている間は、車内外で水位差によりドアに強い水圧がかかり開かない。
  • 完全に水没し、車内外の水位差が小さくなると、扉は重たいが扉を開けることはできた。

このことから、パワーウィンドウも開かない状態の場合、車内外の水位差がなくなったときが扉を開けるチャンス!

*今回の実験では、完全に水没して車内外の水位差が同じになった状態なら、水深120㎝でも1分以内に女性の力でスライドドアを開けることができています。

 

それでは、最後にもしもの時の避難はどうすればいいのでしょうか?

 

冠水した道路でエンジンが止まったら・・・

①車両の前方に重たいエンジンがあれば車は前傾姿勢になります。

②シートベルトを外し、パワーウィンドウを開ける。

③パワーウィンドウから脱出し車の上で避難を待つ。


④パワーウィンドウが開かない場合は、「緊急脱出用ハンマー」でガラスを割る。

⑤もし、ハンマーがなければ、座席のヘッドレストを外して金属部分をパワーウィンドウの設置部分を差し込んで割ることもできます。

 

→ヘッドレストの使い方は、こちらのユーポスの動画で実験がされています。

ただ、ヘッドレストの使い方はコツがいるようで、緊急脱出用ハンマーを買っておいた方が確実でしょう・・・

*緊急脱出用ハンマーには、シートベルトを切断するカッター機能も付属。

 

結論!

「冠水・水没している道路は使わない!」です。

当たり前の結論ですが、理由を知らないとやってしまうかもしれません。

水没している道路はともかく、冠水している道路の水深は浅いか深いか分からないですよね・・・

実際、雨の日に運転をしていると思いのほか深くなっている場所があります。

できる限り、他の車が走っている場所を走向するようにした方が安心です。

知らない道を走るときは、特にご注意下さい。

*夏場の場合は、走向不能になると脱水の危険性も高まります。特に、小さい子ども達はすぐに熱中症に陥るため注意が必要。

→あなた1人ではないなら、雨の日は特に慎重に道路は選んで下さいね!


参考

カーミー
https://www.youtube.com/watch?v=yxUwEAMIR0Y

JAF
http://qa.jaf.or.jp/trouble/disaster/08.htm
http://qa.jaf.or.jp/trouble/handling/06.htm

 

 

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