集団になると感染症の危険がいっぱい!?  「マスギャザリングとは?」

 

皆さんは、お祭りなどそういったたくさんの人が集まる場所に出向くことはあるでしょうか?

例えば子育てをしていると、外出はどうしても増えていきますよね。

そもそも、2020年には東京オリンピックを予定しているため、半強制的に集団の中に入っていくことになるかもしれませんが・・・

さて、今回はそんな「1つの目的のために集まった集団(マスギャザリング)に参加する危険性」についてご紹介します。

*集団心理の話しではなく、感染症のお話です。

 

マスギャザリングとは?

聞き慣れない言葉だと思いますが、以前から指摘されていました。

例えば、「AKB48の握手会に参加したはしか感染者により、同じように参加していたお客さんに感染させた・・・」なんてニュースを聞いたことがありませんか?

 

マスギャザリング(mass gathering)

  • mass=集団
  • gathering=集まる

→「集団形成」と訳されます。

日本集団災害医学会では、「一定期間の中で限定された地域において、同一目的で集合した多人数の集団と定義されており、厚生労働省でも取り上げられています。

 

多人数?

多人数の定義はさまざまですが、1,000人とするものからWHOでは、25,000人以上とするものまでさまざまあります。

  • zozoマリンスタジアム→収容人数:約30,000人
  • 福岡ヤフオク!ドーム→収容人数:約38,000人
  • 甲子園球場→収容人数:約47,700人
  • 東京ドーム→収容人数:約5,5000人(野球時46,000人)。
  • 新国立競技場→収容人数:約6,8000人(予定)

つまり、仮に25,000人以上と定義されたとしてもスタジアムでの観戦やライブに行く人にとって、マスギャザリングは当たり前ということになります。

その集団の1人が「あなた」。

 

そもそも、会場に行かなくても、お正月やクリスマスではさまざまなイベントが各地で行なわれるため、あっという間にマスギャザリングは発生します。

  • 初詣(3日間):明治神宮→約313万人 / 成田山新勝寺→約300万人
  • 東京マラソン:参加人数→約3万7千人

など、初詣1つとっても途方もない人数が毎年のように集まりますよね。

最近では、渋谷でハロウィンに多くの人が集まることもすっかり有名になりました。こちらは、参加者の問題行動の方が問題視されていますが・・・

このように、私達日本人にとってマスギャザリングはとても身近なことが分かります。

集まる目的・地域・期間・季節・屋内・屋外・国際的なイベントかどうかなど条件は違いますが、通常私達が生活する社会生活とは異なるため、感染症が引き起こされやすくなります。

 

マスギャザリングと感染症!?

マスギャザリングに伴う感染拡大

  • インフルエンザ
  • 骨髄炎菌感染症
  • ノロウイルス感染症

など、アウトブレイクの発生(通常発生するよりも、感染症が増加すること)がすでに報告されています。

 

オリンピックとアウトブレイクの歴史

  • 2002年:ソルトレイクオリンピック→インフルエンザ
  • 2010年:バンクーバー冬季オリンピック→はしか
  • 2014年:ソチ冬季オリンピック→はしか
  • 2016年:ソチオリンピック→ジカ熱
  • 2020年:東京オリンピック→不明

オリンピックの場合は、世界中から人が集まるため国内だけのマスギャザリングとは違い、そもそも海外からの感染症の流入が発生するため、意味合いが全く異なります。

基本的には、予防接種や普段の生活で体力を付けておくぐらいの対策しかありません。

それでは最後に、厚生労働省が推奨している咳エチケットをご紹介します。

 

個人でできる咳エチケット?

厚生労働省では、3つの正しい咳エチケットが紹介されています。

  1. マスクを着用(鼻~顎までを隙間なく覆う)
  2. ティッシュやハンカチなどで口や鼻を覆う。(ティッシュはすぐに捨てる)
  3. 上着の内側や袖で覆う。

よくやりがちですが、咳をするときに手で覆うのは間違ったやり方です。

結局、手に付着したウイルスなどがドアノブなどに付着し他人へ感染させてしまいます。

ちなみに、咳やくしゃみをそのままするとしぶきは2m程飛んでいくため、何もせずにくしゃみや咳をするのは論外です。

sweetlouise / Pixabay

 

最後に

どんなに対策をしても感染するときはしてしまいます。ただ、子どもや高齢者など免疫能力が低くなってしまっている場合は、特にマスギャザリングが発生している場所に近づかない方が安全です。

どうしても参加したいなら、時間帯や時期を調節をするのも1つの手です。

感染してからの肺炎など病状の悪化により命の危険が簡単に起こってしまいます。

全ての人に言えることは、マスクをはじめ体力を付けるなど(徹夜明けの体がヘロヘロの状態で参加しないなど)、個人でできる対策はしっかりしてから参加して下さいね。


参考

厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/column32.html

マスギャザリングにおける健康危機管理
https://plaza.umin.ac.jp/massgathering/pdf/3_lecture_wada.pdf

 

 

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