・この記事では、『「ランドセルの歴史」と「新しくなっている機能」』についてご紹介しています。
皆さんは、子どものランドセル選びはどのようにされているでしょうか?
教科書もデジタル化が少しずつ進んでいますが、その理由の1つに「ランドセルの重さ」があることは言うまでもありません。
私自身、肩に食い込むランドセルに耐えながら通学した痛い経験があります。
さて、今回は来年(2023年)に小学生デビューする息子がいることから「ランドセルの機能と視点」についてご紹介します。
そもそも「ランドセル」ってなに?
「小学生の通学鞄」と言えば、多くの人がランドセルを最初に思い付くのではないでしょうか?
実際、ランドセル商戦はすでに始まっていますが・・・
それでは、そもそもなぜ小学生の通学鞄はランドセルなのでしょうか?
正直、現在では丈夫な鞄はいくらでもありますよね。
しかも、皆が購入する鞄としてはお値段もかなり高額になっています。
ランドセルの歴史は江戸時代(幕末)!?
明治・大正・昭和・平成・令和と時代は流れてきましたが、ランドセルはいつから始まったと思いますか?
実は、江戸時代(幕末)が発祥とされています。
*意外と知られていませんが、明治のさらに1つ前が「江戸」。
そもそも、ランドセルはオランダから伝わったバックパックを利用したことが始まりとされています。
というのも、当時の幕府が洋式軍隊制度を導入するときに持ち物を収納するために利用するためでした。
そのため、オランダ語呼称の「ransel(ランセル)」がなまって「ランドセル」になったとされています。
「日本語英語ならぬ、日本語オランダ語」ということですね。
日本らしいと言えば日本らしいですね・・・
ランドセルが通学鞄になったのは?
通学鞄としてランドセルが利用されるようになったのは、1885年(明治18年)に学習院の初等科が起源とされています。
さらに、世間に広まったきっかけは1887年(明治20年)にありました。
当時、皇太子だった大正天皇の学習院初等科入学時に、伊藤博文が祝い品として軍の将校にならったランドセルを献上。
それがきっかけで、世間に徐々に浸透していったとされています。(昭和30年代以降の高度成長期を迎えた頃から徐々に全国に普及)
つまり、ランドセルは最初、軍事に利用されていたこと。
そして、ランドセルが通学鞄として利用されるようになったのは明治からだと言うことが分かりました。
少なくとも、日本で通学鞄としてランドセルが使われるようになってから100年以上は確実に経過していることになります。
とはいえ、ランドセル登校が法律で義務づけられているわけではありません。
ちなみに、例えば私立では別に指定されている鞄を利用している場合もあります。
ただ、長い歴史的にも伝統的にも「小学校=ランドセル」が一般常識になっていることは間違いないでしょう。
そもそも、このことは親自身がランドセルを当たり前に使っていた子ども時代の経験からもいえるのではないでしょうか。
まさに、「ランドセル通学は日本の伝統」だと言えるでしょう。
それでは、そんなランドセルに問題はないのでしょうか?
ランドセルはとにかく重い!
「ランドセル」と言えば、とにかく重たいイメージですよね・・・
ちなみに、素材によっても違いますがランドセル自体の重さも1.1~1.5kgあります。
そんなランドセルに、荷物をどんどん入れていくわけですから重たいことは想像に難くないでしょう。
そのため、「6・7歳の子どもが持つにはさすがに重すぎるのでは?」と考える親も、少なくないのではないでしょうか?
例えば、私の息子は小柄で5歳ですが体重は約16kgあります。
ランドセルを背負う来年(2023年)には、もう少し体重も増えているとは思いますが、ランドセルの重さには危惧しています。
というのも、ランドセルの重さは「置き勉禁止」や「タブレットの導入」など、学校の教育方針などによっても変化しますが、西日本新聞ではこのような記事が掲載されていたためです。
「小学1年の息子のランドセルは4.2キロ以上。週の終わりは6キロ超えの日も…」。そんな声が寄せられました。
ちなみに、この記事では小学3年生男子で12kgのランドセルを背負っている強者まで紹介されていました。
確かに、教科書・ノート・ドリル・筆箱などなど・・・
さらに、夏休み前などは、ランドセルに入れられない授業で作成した作品などの荷物で溢れることでしょう・・・
この現状は、私が小学生だった約30年前とあまり変化がないようですね・・・
ちなみに、重たいランドセルの対策として、親はこんな工夫をしていることが紹介されています。
- 軽い水筒にして持参するお茶を少なくする。(足りない分は、学校の水道水)
- 手提げ袋で重さを分散。
- ランドセルと背中の隙間をなくす。
- 学校には内緒で、予備の教科書を買って自宅に置いておく(置き勉)
とはいえ、文部科学省も通学時の持ち物負担の軽減に向け、適切に工夫するよう求める通知(児童生徒の携行品に係る配慮について)を2018年に全国の教育委員会に出しています。
それだけ、ランドセルの軽量化には要望の声が多いことが見てとれます。
このように、ランドセルは子ども達にとって学校生活を左右する存在の1つと言えるでしょう。
と言うことで、やはり「ランドセル選びは慎重に」という話しになるのですが、そもそもランドセルはどれも同じではないのでしょうか?
→「ランドセルと体への影響」については、こちらの記事で紹介しています。
ランドセルの金額は本当にさまざま・・・
例えば、SEIBANによればランドセルの価格対は5~7万円が最も買われているそうです。
とはいえ、ランドセルの価格対は「1万円以下の激安ランドセル~10万円以上の高級ランドセル」までさまざまあります。
それでは、子どもの負担を軽減するためにはどんなランドセルを選ぶ必要があるのでしょうか?
素材・機能・収納・限定品!
biocafeによれば、3種類のランドセルの素材が紹介されています。
- 人工皮革(クラリーノなど):値段を抑えたい方や周囲の方と特別差をつけようとは考えていない方、軽いものを持たせたい方におすすめ。
- 牛革:多少値段がかかっても良いから丈夫で高級感のある、周りの子供と差をつけたい方におすすめ
- コードバン:値段は高くても良いからとにかく最上級のランドセルを持たせたい方におすすめ
このように、素材ひとつとっても大きく特徴が異なります。
ただ、例えば以前は「人工皮革は私たちが子供の頃は丈夫さや耐久性に欠ける」とされていましたが、現在では「牛革と同等の丈夫さや耐久性を持つものが普及している」など、素材は向上しているようです。
- 人工皮革 -値段が安く、3万円台のものもある
- 牛革 -値段が高く、7万円以上のものがほとんど
- コードバン(馬のお尻の皮をなめした高級皮革)-値段が高く、8万円以上のものがほとんど
このように、ランドセルを「素材」で選べばコードバンが最高級品であることが分かります。まさに、ランドセル選びは親の考え方が大きく影響することは言うまでもありません。
それでは、もう一度、子どもにとってのランドセルについて考えてみましょう。
ランドセルにはどんな機能があるの?
ざっとあげるだけも以下のような機能が挙げられます。
- A4フラットファイル対応サイズに大型化
- 防犯ブザーが取り付けられる肩紐防犯フック
- 家の鍵をなくさずに収納できるポケット内フック
- 成長に合わせて調整できる肩ベルトのスライド機能
- 荷物の量に合わせて伸びるマチ
- 錠前
- 背負いやすさにこだわった「立ち上がる肩ベルト」
- 動きや成長に合わせて動く可動式背カン
- 事故を防ぐ安全ナスカン
- コンパクトで大容量なキューブ型
- 車や夜道から子どもを守る反射材
- デザイン性の高いおしゃれランドセル
- タブレット学習に対応したランドセル
まさに、今どきのランドセルの機能といえるでしょう。
機能の詳細については、こちらのランドセル教室のHPで確認できます。
とはいえ、6年間使用することを考えれば、子どもの成長に合わして変化できるランドセルが重要になることは言うまでもないでしょう。
もちろん、「デザイン性」や「高級感」も大事かもしれませんが、それ以上に・・・
- 成長に合わせて調整できる肩ベルトのスライド機能
- 背負いやすさにこだわった「立ち上がる肩ベルト」
- 動きや成長に合わせて動く可動式背カン
があれば、長く使うことができるでしょう。
また・・・
- A4フラットファイル対応サイズ
- 荷物の量に合わせて伸びるマチ
といった機能があれば、ランドセルに楽に荷物を入れることができるでしょう。
ところで、ランドセルには4種類のサイズがあることをご存じでしょうか?
❶A4教材対応サイズ
- 横21.5cm × 縦29cm前後
- A4サイズの教科書は入るが、A4以上の教科書やファイルは入らない
➋A4クリアファイルサイズ(横対応)
- 横22cm×縦30cm前後
- A4クリアファイルの横幅には対応しているが、縦向きははみ出てしまう
❸A4クリアファイルサイズ(縦・横対応)
- 横22cm×縦31cm前後
- A4クリアファイルの横幅にも縦幅にも対応している
❹A4フラットファイルサイズ
- 横23cm×縦31cm
- A4フラットファイルがちょうど入る
ただし、「教材の増加」や「保護者の要望」によりランドセルは大型化し「A4クリアファイルサイズ(縦・横対応)」と「A4フラットファイルサイズ」の2種類が主流となっています。
最後に
ランドセルは、子どもが6年間使い続けます。
昔ながらのランドセルでは、肩部分が固定されているため成長するにつれて窮屈になってしまいます。
そもそも、A4フラットサイズなんて入りませんでしたよね・・・
ランドセルの進化はまだまだこれからも続いていくことが予想されますが、少しでも子ども達の負担を軽減できると良いですね。
あとは、財布との相談になるため個人的には「長く使えるランドセル」を目標に子どもが気に入るランドセルを探そうと個人的には考えています。
一般社団法人 日本鞄協会 ランドセル工業会によれば・・・
少し古いデータですが、2019年4月入学生のランドセルの購入時期は、5月~10月が多く、この時期までに全体の8割の方がランドセルを購入されています。
すでに、ランドセル商戦に突入していますね・・・
さて、次回はランドセルの最新状況を知るために、2022年にランドセル工業回が実施した「ランドセル購入調査」の結果についてご紹介します。
それではお楽しみに!
参考
中村鞄のランドセル
→https://www.nakamura-kaban.net/faq/history/
SEIBAN
→https://www.seiban.co.jp/hiroba/detail/51#nav_02
ランドセル教室
→https://randoseru-kyousitsu.com/column/saishin-kinou/
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