いよいよ夏本番が近づいてきましたが、この季節になると特に注意する病気があります。
この時期になると、足がむず痒くなったり皮膚がめくれてきたりと、さまざまな症状に苦しむ人が多くなります。
その病気とは、「水虫」です。
今回は、「知っているようで知らない水虫」についてご紹介します。
「水虫」という病気!
そもそも、水虫はカビの一種である白癬菌が皮膚の角質層に寄生することで引き起こされる「皮膚の病気」です。
イメージとしては、「革靴を1日中履くサラリーマンの足」。つまり、おじさんの病気と言ったところでしょうか?
ただ、そんなイメージは昔の話しで実際には、男女関係なく「日本人の5人に1人(約20%)は水虫だ!」と呼ばれるほど、水虫は当たり前の病気となってしまいました。
それでは、どうして水虫に感染するのでしょうか?
水虫が増える場所とは?
水虫が好きな場所は、ズバリ「高温多湿」です、
当然、夏場に革靴を履けば足が蒸れるため高温多湿の状態が完成します。ただ、女性の場合も例えばストッキングをはけば蒸れてしまいますよね。
つまり、男女に関係なく仕事などで1日中靴を履いていれば、足は蒸れることになります。そして、高温多湿になることで増殖し水疱などの症状が出ることになります。
とはいえ、必ずしも感染するわけではありません。
水虫に感染する条件とは?
割合をみても分かるように、全ての人が感染するわけではありません。
例えば、白癬菌は水虫にかかった人の皮膚から剥がれ落ちる角質のなかでも生きることができるため、もしも白癬菌に感染している角質を踏んでしまえば菌が足に付着します。
そして、付着したまま洗い流さずに残った菌が傷付いた角質から入り込み、さらに繁殖しやすい環境にあった場合に感染
することになります。
逆言えば、この条件がそろわなければ感染しません。
→言い方は悪いですが、「感染者が白癬菌をばらまく」ことで、その他大勢の人に感染していく。
注意する場所は?
家庭内
- バスマット
- 絨毯
- 布団
- 畳
家庭外
- 温泉
- スポーツジム
- 公共施設スリッパ
このように、他の人と共用する場所や物は特に注意が必要となります。
ただし、「皮膚に白癬菌が付着したとしても、皮膚内部に侵入する前に洗い流せばいい」と言われています。これは、感染するまでに最低24時間かかるためです。
→足の皮膚に傷口などがあれば、「12時間で感染する」というデータもあるため注意は必要。(ゴシゴシ洗うと傷が付いてしまい感染しやすくなる)
とはいえ、必ずしも足に感染するとは限らず、さらに言えば人から感染するとも限りません。
水虫の9割は「足」だけど・・・
足に水虫があることで、同じ菌(白癬菌)が体部にまで拡がっていきます。
- 体幹部
- 顔
- 首
- 腕
- 脚
などに、赤く盛り上がった小さな発疹が初期症状として現われ、円形~楕円形状拡大していくことになります。
そして、「強い痒みが生じやすい」という特徴があります。さらにいえば、人から感染するとは限りません。
動物から感染する!?
例えば、飼っている犬や猫が白癬にかかっていると触れ合ったときに接触した部分に感染することがあります。
この場合、顔や体だけでなく髪にも感染(シラクモ:戦前はよく見られた)する場合があります。
そして、この場合はペットの治療も必要になります。
このように、水虫は感染している「人」や「動物」から感染することになり、感染すれば自分も感染源となります。
それでは、このやっかいな水虫を治すことは難しいのでしょうか?
水虫は治りやすい!?
「水虫の治療薬を発見したらノーベル賞もの」なんて、聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?
ですが、今は病院などに受診して薬をもらえば高確率で治療できる病気となりました。
ちなみに、足白癬に有効な民間療法はないようです。もしも、「治った!」という人がいれば、その時期に注目する必要があります。
そもそも、水虫は高温多湿が原因ですので時期ははだいたい決まっています。
→5月の連休頃始まり、8月のお盆を過ぎた頃に自然に症状が治まる。
つまり、そのタイミングを見計らって民間療法が実施されたのであれば、治ったのではなくただおさまっただけの可能性が高いです。
そもそも、水虫治療の難しさは軽減させることではなく再発にあります。
水虫が再発!?
先程も紹介したように、白癬菌は角質に入る込むことで増殖していきます。
例えば、足白癬の場合なら塗り薬を毎日塗布すれば、約2週間でとりあえずよくなっていきます。つまり、多くの患者さんは症状がなくなり「治った!」と思い、この時点で治療をやめてしまいます。
ところが、実際には2週間程度の治療では白癬菌は完全に消失せず、残っている状態です。そのため、翌年になり夏場になってくるとまた増殖していき再発していくことになります。
さらに言えば、水虫は必ずしも症状があるとは限りません。
つまり、薬を塗布する場合も、「足の指の間~足裏全体に薬を塗布」する必要があります。
こういった理由から、最低でも1ヶ月は毎日塗り続ける
必要があります。当然、家族など白癬菌がばらまかれている状態があれば再感染の可能性があります。
このように、水虫は「治療の完結」と「再感染」に気をつければ完治できる病気です。
ただし、水虫と間違えやすい症状があるため注意が必要です。
水虫と間違えやすい症状?
水虫と間違ってそのまま治療すると、治らないばかりか悪化する可能性まであります。
水虫の専門科は、以下の症状を挙げています。
汗疱(かんぽう)
疥癬(かいせん)
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
皮膚カンジダ症
湿疹
皮膚炎
少なくても、水虫の治療をしているにも関わらず一向によくならなければ、上記のような原因を疑う必要があります。
例えば、「水疱や痒みなどがある」からといって、必ずしも水虫とは限りません。まずは、受診してから治療を開始する必要があります。
最後に
水虫は、基本的に治る病気になりましたが今でも最低1ヶ月はかかります。
そして、そもそも感染しないことが必要です。
- 毎日、シャワーや入浴で清潔を保つ
- 足を洗いすぎるなどして傷つけない
- 家族に水虫の人がいればスリッパやマットなどの共用は避ける
このように、「清潔・傷をつけない・感染源を絶つ」ことが重要です。
水虫は治る病気です。そんな水虫は、これからが本番です。「うつらないように・うつさないように」ご注意下さい。
参考
皮膚科Q&A:白癬
→https://www.holosrin.com/similar-symptoms/
第一三共ヘルスケア:ぜにたむし
→https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_hifuken/symptom/zenitamushi/
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