雪の重さはどれくらい? 新雪でも力士1人分!?

 

この記事では、「雪は重たい!」についてお伝えしています。

 

今年(2021年)は、年始早々「何十年ぶりの大雪」なんて言われています。

ところで、雪の重さはどれくらいあるかご存じでしょうか?

例えば、普段雪が降らない地域に住んでいる人でも、スキーやスノボなどの経験がある人は新雪の「軽い雪」のイメージがあるかもしれせん。

ですが、その一方で雪による「建物の倒壊」や「圧死」など雪の重さが取り沙汰されますよね。

今回は、「同じ雪でも雪の重さは大きく変わる!?」についてご紹介します。

 

まずは水の重さを参考に!

「水の重さ」と聞いてどんな単位を思い浮かべるでしょうか?

「g(グラム)」・「L(リットル)」など、さまざまな単位がありますよね。

ですが、今回のように「雪が1g」と言われても、結局どれくらいの量で雪が1gになるのか分からないですよね。

同じように、「水の重さ1g」と聞いてもどれくらいの量で1gかイメージしにくいのではないでしょうか?

そのため、どの位の量で1gになるのかを知るために使われるのが「m³」です。

  • 水:1g=1cm³(縦横高さがそれぞれ1cmの箱の中に入っている水の重さが1g)
  • 水:1kg=1,000cm³(縦横高さがそれぞれ10cmの箱の中に入っている水の重さが1kg)
  • 水:1t=1m³(縦横高さがそれぞれ1mの箱の中に入っている水の重さが1t)

さて、ここからが本題になりますが、大前提として雪は水よりも軽い特徴があります。ただ、雪の状態(雪質)で重さが変わります。

 

雪の重さは雪質でどれくらい変わる?

水の重さは、1m³=1,000kg(1t)の重さですよね。

それでは、雪の重さはどうなるのでしょうか?

 

雪の重さは「雪質」で変化する?

雪は、重さを感じない白い玉がどんどん降ってきますよね。

ですが、そんな雪はどんどん変化していきます。そして、1m³当たりの雪の重さは「雪質」により数百kg単位で変わっていきます。

  1. 新雪   :約50kg~150kg(新しく降り積もった雪)
  2. 小締まり雪:約150㎏~250㎏(降り積もってやや固い雪)
  3. 締まり雪 :約250㎏~500㎏(雪の重みで固く締まった雪)
  4. ざらめ雪 :約300㎏~500㎏(氷粒のようにざらざらした雪)

このように、雪質により重さが大きく変わります。

そして、もう一つ注目する点は、例えば同じ新雪でも重さが大きく変わる点です。

「cm³」や「m³」は、重さの単位ではなく体積の単位。

つまり、例えば同じ箱に「なに」を入れるかで箱の重さは変化することになります。さらに、雪の場合は時間経過や環境などにより、その箱の重さが変わっていきます。

dapple-designers / Pixabay

 

そのため、まさに「塵も積もれば山となる」と、ことわざにあるように家屋を押しつぶすほどの重さになります。

 

雪は家屋を押しつぶす!?

確かに、雪は一番重い「ざらめ雪」の状態でも500kg程度です。これは、水の半分程度の重さですよね。

ただし、この重さはあくまでも1m³の場合の目安の重さでしかありません。

とういのも、雪は水とは違い流れることなく、どんどん降り積もっていきます。

しかも、最初は新雪でも時間経過とともに「小締まり雪」→「締まり雪」→「ざらめ雪」と雪質を変えながら重さも変わっていきます。

つまり、降り積もる雪をそのまま放置することはそれだけで家屋倒壊のリスクが高くなります。

当然、屋根の雪が落ちてくれば歩行者は数百キロの加重がかかるためひとたまりもありません。

*車のフロントガラスが割れるほどの威力がある。

 

どれくらいの積雪で注意が必要?

  • 屋根に1m以上の雪が積もっている。
  • 屋根に積もった雪と周囲の雪がつながっている。
  • 雪の重みで建物が傾いている。

こういった状態があれば、屋根から雪が落ちてきたり、建物の倒壊に注意しなくてはいけません。

ちなみに、「1m³当たりの雪の重さは力士の体重に匹敵する」と言われます。

力士が屋根から振ってきたらひとたまりもありませんよね・・・


例えば、締まり雪(1m³=300kg)が、屋根の面積60m²に積もった場合どれくらいの重さになると思いますか?

A.約18t

これだけの重さが家にかかってくるため、倒壊の危険性を考慮する必要があります。それでは、もしもそれが「空き家」だったら誰の責任になるのでしょうか?

 

空き家が倒壊したら?

これは、地震でも同じことが言えますが誰の手入れもされていない空き家は、老朽化により倒壊の危険が高まりますよね。

そんな空き家の屋根ならなおさら、雪が積もれば積もるほど倒壊の危険が増していきます。

例えば、屋根の積雪を放置することは、力士がどんどん増えていくようなイメージをしてもらえれば分かりやすいかもしれません。

それこそ、先程の屋根の積雪18tの事例では、力士が120人ほど乗っていることと同じです。

それでは、そんな積雪の影響で空き家が倒壊した場合、誰の責任となるのでしょうか?

ArtTower / Pixabay

 

「所有者」または「占有者」の責任!

民法717条

 

  1. 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
  2. 前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。
  3. 前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。

 

瑕疵(かし)とは、「欠陥」のことです。

例えば、空き家に「雨漏れ」や「腐食」などを放置していれば瑕疵となるでしょう。当然、すでに建物が傾いていたにも関わらず、放置し積雪により倒壊した場合も所有者の責任となります。

このように、ほったらかしにしていた空き家が、雪により倒壊しけが人などが出れば、それは所有者の責任なります。

このように、空き家の放置は周りを巻き込んでリスクしか生まないため注意が必要です。

 

最後に

一見、雪は「軽く」見えます。

確かに、少しだけの積雪ならそれほどの加重もかかりません。

ですが、積雪は、増えればふえるほど最後は家屋を押しつぶすほどの災害に変わります。特に、普段から雪が降らない地域に大雪が降ってしまうと対策が不十分になります。

例えば、その影響が以前紹介した「水道管の凍結」といった現象も引き起こしてしまいます。

今年のような、大雪になった年は危険な場所・状況を素早く判断する必要がでてきます。ただ、上ばかり見て足下を見ずに転倒しては本末転倒です。

雪の日は、それだけいつもとは違う危険が潜んでいることを忘れないようにして下さいね。

 

「水道管の凍結」については、こちらの記事で紹介しています。

水道管は「水の通り道」! もしも、凍結・破損したら・・・


参考

空き家管理サポート郡山
https://akiya-kanri.info/news/snowdamage-20171219/

語彙力.com
https://goiryoku.com/kashi/

NPO法人 空家・空地管理センター
https://www.akiya-akichi.or.jp/what/damage/snowslide/

 

 

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