「口座の維持費がかかる」は半分間違い!「未利用口座管理手数料」とは?

 

前回、休眠口座についてご紹介しました。

「休眠口座」というのは、10年以上入出金などお金の移動がない預金のことです。

ちなみに、そもそも放置したままの口座には消滅時効として、最後の取引きや満期日などから銀行口座は5年・信用金庫や労働金庫の口座は10年となっています。

→2018年1月に施行された「休眠預金等活用法」により、国は10年以上取引きがない預金口座を公益活動に使用できるようになった。

ということで、「預金口座は10年間放置してはいけないよ!」ということになりました。

ただ、これから紹介する口座の話しは2年間放置した場合です。

今回は、「各銀行が取り入れ始めている未利用口座管理手数料」についてご紹介します。

 

休眠口座については、こちらの記事で紹介しています。

休眠預金になっても権利消滅はしない!?~銀行通帳を持ってるすべての人へ~

 

「未利用口座管理手数料」ってそもそもなに?

未利用口座管理手数料というのは、「最後の預け入れや払い戻しから2年以上取引きがない場合、事前に文書で通知し、2~3ヶ月後に利用や解約がなければ手数料が引き落とされる」というものです。

残高不足の場合は、残高全額が引き落とされ自動解約になります・・・

目的としては、「未利用口座の不正利用」「口座管理にかかる最低限のコスト負担」にあるようです。

ただ、対象になる時期や細かい条件などは各銀行によって違います。

→この手数料は、2020年4月から10以上の信用金庫がすでに導入しており、地銀でも導入が進められている。

「まさか、銀行口座を持っているだけで手数料を払うことになるなんて・・・」と思う人が、多いのではないでしょうか?

とはいえ、口座管理手数料が必要になる場合はある条件が大前提になります。

 

口座管理手数料が必要な条件は?

確かに、「2年以上取引きがなければ」というのも確認すべき条件の一つです。ですが、手数料が必要になる条件はこれだけではありません。

例えば、りそな銀行の普通預金口座の場合は、そもそも対象外になる条件がいくつかあります。

 

りそな銀行より

  1. 該当未利用口座の残高が1万円以上である場合。
  2. 同一支店で、他にお預かり金融資産(定期預金、積立定期預金、財形預金、投資信託(ファンドラップ含む)、外貨預金、国債、生命保険等)が1円以上ある場合。
  3. お借入れがある場合。
  4. りそなクラブの代表口座でステータスが「パール」以上である場合。

この条件は、りそな銀行に限ったことではないですが、そもそも残高が1万円以上あれば手数料が発生しませんし、各銀行により「口座のステータス」など細かい条件が多少違う部分があります。

→ただし、盗難・紛失などにより利用が停止されている口座も、未利用口座管理手数料の対象となるため注意が必要。


ちなみに、いくつか銀行を確認しましたが引き落とされる手数料は、税込み1,320円(税抜き1,200円)となっているようです。

もちろん、税金が上がれば手数料も上がることになります。

また、基本的に1万円以上残高があれば手数料が引き落とされることはないですが、あくまでも「今のところ」として見ておいた方がいいかもしれません。

Peggy_Marco / Pixabay

 

このように、「銀行に預けていれば資産は減らない!」は昔話になっています。

とはいえ、そもそも2年以上使っていない通帳は忘れ去られた通帳の可能性が高いです。

しかも、1万円未満しか口座に入っていないにも関わらず、手数料がかかることが「案内」として送られてくるわけですから、むしろ親切な対応だと言えるでしょう。

昔は、「とりあえず口座だけでも作って!」なんて言われましたが、今となっては懐かしい話しですね。

ところで、どうして「休眠口座」・「管理維持費」と口座の取扱いが変わってきているのかについて、最後に口座の維持費という視点から紹介します。

 

口座の維持費はバカにならない!?

これまで、私達は口座の維持費なんて考えずに、例えば「就職先の給料の振り込み」や、「児童手当の振り込み」など、必要に応じて口座を開設してきました。

例えば、私の場合は信用金庫・地銀・ネット銀行などを合せれば6つ以上の口座を持っています。

ですが、実は金融機関が預金口座を維持するためには、システムデータを管理するなどの必要があるため、1口座当たり、年間2,000円~3,000円のコストが必要になってきます。

ちなみに、「マネーロンダリング」といって脱税など不正に得た資金の出所を不明にする工作行為が行なわれることがあるため、その対策強化にもお金がかかります。

当然、年々巧妙化する詐欺行為に対する強化も必要ですよね。

このように、基本的に口座の管理費用は上がることはあっても、下がることはないでしょう。


さて、そんな口座の数は2016年9月の日本経済新聞によれば全体で約12億口座もあることが指摘されています。これは、国民1人当たり10口座もっている計算になりますよね。

つまり、私が持っている6口座は、まだまだ少ないことになります。ちなみに、先進国では1人当たり2~3口座が普通のようです。

なにはともあれ、12億口座✕3,000円=3兆6千億円程が、2016年の段階で毎年銀行口座の維持費にかかっていたことになります。

むしろ、「今までよく放置していたな・・・」という驚きの方が大きかったことが正直な感想です。

 

最後に

例えば、フードロスの問題は目の前で食べ物が廃棄されるわけですから分かりやすいですよね。

それでは、「口座の維持費」についてこれまで考えたことがある人は、どれだけいるでしょうか?

そもそも、銀行で通帳は無料で作ってもらえますし、カードも無料で作ってもらえます。もしも、「磁気が読みとれなくて・・・」なんて使えなくなっても無料で新品に交換してもらえます。

目の前で「通帳」や「カード」という物が配布されるため、「無料でできるんだ・・・」と最初の頃は驚いたことを覚えています。

ですが、「口座の維持費」については、目に見えないため気付きにくいですよね。


私が書いているこのブログでさえ、「サーバー」と「ドメイン」を維持するために年間12,000円程が必要になります。

→無料のサーバーでは不安があるため、自分専用のホームページを開設しこのブログを運営中。

このように、目に見えない費用は分かりにくいですが、確かにそこに存在しています。

むしろ、まだ「未利用口座」限定で、あくまでも管理手数料が発生する可能性があるだけの現状の方が違和感があります。

そもそも、1万円以上口座にあれば良いわけですから、基本的には手数料が発生しないことと同じでしょう。今後のことを考えると、「もっと条件が厳しくなる?」と考えた方が自然ではないでしょうか。

住所変更が上手くできていなければ、案内はきません。使っていない口座は、早い内に確認して下さいね。


参考

東証マネ部:年1200円ずつ減っていく!?
https://money-bu-jpx.com/news/article022998/

 

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