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●この記事では、『育児休業の「これまで」と「これから」』について説明しています。
社会人になると、いろいろなライフステージを迎えることになります。
例えば、一人暮らしをする人を始める人もいますよね。
そして、結婚し子どもが産まれて、家族を形成するようになるかもしれません。
それでは、そんなときどちらが育休を取得しますか?
今回は、「改正される育児・介護休業法(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)」についてご紹介します。
「育休」ってそもそもなに?
日本では、「育休」といえばまだまだ女性が取得することが当たり前の状態です。
さて、そんな育休ですがそもそもこの育児介護休業法は、「育児や介護をしながらでも働き続けることができるように」と、1991年に制定されました。
これにより、「労働者は原則として1歳に満たない子どもを養育するための休業」が、法律で認められることになったことがはじまりです。
とはいえ当然、なんの保障もなしに「休業してもいいよ~」なんて言われても誰も育休なんてとりませんよね。
それでは、どうやって育休中の保障がなされてきたのでしょうか?
給料はどうなるの?
例えば、私達が仕事をする理由は人それぞれかもしれませんが、その根本にあるのは「生活を維持するため」ではないでしょうか?
そのためには、休業中も収入をえる必要がありますよね。
育児休業中の保障?
労働者の保障
実は、育休を取得すると平均的な会社員なら9割程度の収入が保障されています。
といっても、会社から9割の収入が支給されるわけでもありませんし、そもそも収入の9割が支給されるわけでもありません。
それでは、誰が収入を援助してくれて、どうやって「9割の保障」が実現するのでしょうか?
そもそも、産後180日間(6ヶ月)は月給の67%分(6ヶ月以降は50%)が、雇用保険から「育児休業給付金」として支払われています。
それでは、残りの23%はどこから支給されるのでしょうか?
実は、残りの23%は支給ではなく「社会保険料の免除」になります。
つまり、収入としてはあくまでも月収の67%となるため勘違いしないようする必要があります。
→実際の手取額で比較すると、「67%の支給+社会保険の免除=8~9割の手取り分」ということになる。
*給付金は雇用保険から支払われているため、会社に金銭的負担もない。
企業への保障
それでは、企業に対してはどういった保障があるのでしょうか?
企業からすれば、従業員が働けなくなるわけですから、デメリットしかないように見えます。
ですが、実際は「両立支援等助成金」を受けることができます。
事業主の規模や取得した育児休業期間により、企業への助成金の額は異なります。
例えば、一人目の育休取得者が出れば「中小企業には57万円(最大72万円)」が支給されることになります。
→ちなみに、中小企業以外では28.5万円(36万円)となります。
*2人目以降は事業主の規模だけでなく、育休の取得日数(5日・14日・1ヶ月)によっても支給額は異なる。
つまり、人出の解消さえできれば労働者に育休を取得させるだけで、企業にとっては収入が増加する仕組みになっています。
そんな「育休」は、どのように改正されてきたのでしょうか?
「これまで」と「これから」の改正で、なにが変わった?変わる?
そもそも、この法律はこれまで何度も改正されています。
これまでの改正
育児休業の延長
例えば、最初は冒頭でお伝えしたように「1歳に満たない子どもを養育するための休業」が定められていました。
それが、2017年10月1日からは、育児休業が最長で子どもの2歳に達するまで取得可能になりました。
ただし、誰もが取得できるわけではなく「条件」があります。
● 1歳6か月以後も、保育園等に入れないなどの場合には、会社に申し出ることにより、育児休業期間を最長2歳まで延長できます。
● 育児休業給付金の給付期間も2歳までとなります。
このように、「保育園等に入れない」場合に会社に申し出ることで延長することができ、また、給付期間も2歳まで延長できるようになりました。
パワハラ防止強化!
また、2020年6月1日からは、パワハラの防止対対策の強化が規定されています。
①職場における育児休業等に関するハラスメントについて、労働者が事業主に対して相談を行ったこと等を理由とする事業主による不利益取扱いの禁止を規定
②職場における育児休業等に関する言動に起因する問題に関する国、事業主及び労働者の責務を規定
これからの改正
男性の育休取得の低さは、すでに周知の事実ではないでしょうか?
→2019年:7.48%
そこで、企業に対し、働き手に取得を個別に働きかけることを法律で義務づける方針が固められ、「男性産休」の新設が決まりました。
男性産休と言うのは、「子どもが生後8週までなら、2週間前までの申請で取れる」という仕組みのことです。
つまり、政府の方針としては男性の育休取得に今後も力を入れていくことがすでに決まっています。
最後に
育休取得の仕組みとしては、すでに男女とも取得できるようになっています。
ですが、現実問題として例えば私が働いた介護業界を考えてみても、少ない人数でギリギリで回していました。
その中で、「新人研修」や「会議」などをこなさないといけないため、長期間の休みなどありえない話しでした。
まずは、労働条件の見直しが急務となっています。
また、仮に育休を誰もが気軽に取得できるようになったとしても、今度は財源の問題が出てくるかもしれません。
さて、法律的には育休を申し出された会社は拒否することができないことになっています。
ですが、人員ギリギリの職場で育休を言い出すのは難しいのではないでしょうか?
仮に、育休を申し出ることができたとしても、会社から違法なはずの「説得」を受けるかもしれません。
ちなみに、育休の拒否は違法なため・・・
- 厚生労働大臣による報告の要請および助言・指導・勧告
- 企業名の公表
- 20万円以下の罰金
と、なります。
→当然、民事訴訟も起こせる。
育休の対象は、「1歳に満たない子供を持つ労働者」とあるため、男女関係ありません。ただし・・・
- 同じ会社に1年以上雇用されていること
- 子供が1歳6ヶ月になる以前に契約が満了し、更新されないことが明らかではないこと
- 週の所定労働日数が2日以下
これが、育休が取得できる条件です。
労働者は法律により守られていますが、その法律を知らなければ意味がありません。
企業・労働者にとってもっと働きやすい社会になればいいですね。
ただ、昔を知らない若者には今の環境が当たり前です。そういう意味では、働き方改革に終わりはないのかもしれません。
参考
yahoo ニュース:男性育休「義務化」への誤解と、「人手不足」だからこそ男性育休が必要な理由
→https://news.yahoo.co.jp/byline/murohashiyuki/20201005-00200883/
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