皆さんは、「ギンナン」を食べたことがあるでしょうか?
ギンナンは、「茶碗蒸しに入っている黄色い豆」と言えば分かりやすいと思います。
ところで、このギンナンは道端に落ちていたりしますよね。それでは、このギンナンを拾うことは法律的になにか問題があるのでしょうか?
今回は、「ギンナンを拾って窃盗罪!?」についてご紹介します。
そもそも「ギンナン」ってなに?
正直、小学生の頃の私にとってのギンナンのイメージは、「おばあちゃんの食べ物」というイメージでした。
というのも、小学生の時に祖母と一緒に近くの神社に、ギンナンを何度か拾いに行ったことがあるためです。
ただ、ギンナンは苦みのせいであまりおいしくない上に、臭いも強烈なため当時は個人的にあまり好きではありませんでした。
とはいえ、学校の給食でも見たことがなかったため興味があり、集めることじたいは面白かったので一緒に拾いに行っていました。
最終的には、「お手伝い?」の一環だったと思います。
さて、そんなギンナンですがこれはイチョウの種子です。イチョウ並木を通るときに、スゴイ臭いを嗅いだことがある人もいるのではないでしょうか・・・
ただし、イチョウ並木が必ずしも臭うわけではありません。そして、この臭いの有無がギンナンを拾えるかどうかにも関わってきます。
臭いがないイチョウ並木?
例えば、東京都ではイチョウの木が「東京都の木」として選ばれており、イチョウの木がたくさん植えられています。
さて、このイチョウ並木特有の独特な臭いは、イチョウの種子(ギンナン)が熟した臭いです。つまり、イチョウの並木特有の臭いの原因は、この「ギンナン」です。
ただし、ギンナンができるイチョウの木は雌の木だけ。
そのため、雄の木だけでイチョウ並木にすれば、そもそも臭いの発生源であるギンナンができないため、臭いも防ぐことができます。
そのため、ギンナンを探すときは雌のイチョウの木を探すことになります。ただ、ギンナンを拾う行為が法律的には「窃盗罪」などに問われる可能性があります。
*「イチョウ」・「ギンナン」どちらも「銀杏」の漢字になるため、このままカタカナで説明を続けます。
ギンナンを拾ったら窃盗罪!?
例えば、人家の木になっている柿を勝手に盗んだら当然、窃盗罪になりますよね。それでは、落ちているギンナンはどうなのでしょうか?
実は、民法にこんな規定があります。
第八十九条 天然果実は、その元物から分離する時に、これを収取する権利を有する者に帰属する。
ギンナン以外にも、「木から分離する天然果実」と言えば、例えば「栗」も当てはまりますよね。
さて、民法にあるように落ちているギンナンも「木の持ち主の物」ということになります。まあ、当たり前と言われれば当たり前の話しですよね・・・
つまり、無関係の人が勝手にギンナンの実を拾うことは、刑法235条の「窃盗罪」が問われる可能性があります。
とはいえ、現実問題として私の子ども頃のように、孫を連れて一緒にギンナンを拾っている人を「訴えよう!」とする人は、程度によるかもしれませんが基本的にいないのではないでしょうか?
また、「ギンナンを拾ったから逮捕!」なんて、警察が厳しく取り締まるとは考えにくいですよね・・・
そんな現場を想像すると、かなりシュールな映像が浮かびます。
ちなみに、街路樹は自治体が管理しているため念のため管理者に断りを入れた方が安心でしょう。
と言うことで、落ちているギンナンを拾う行為は犯罪行為に当たる可能性があるため、ギンナンを拾うことはあまりお勧めできません。
例外はある!?
例えば、公園にイチョウの木が植えられていることがありますよね。いまでも、そんな公園でギンナンを拾っている人をみかけます。
もしも、そんな人達が窃盗罪で次々と逮捕されたら・・・
これもまた、かなりシュールな映像が浮かびますが、逮捕劇が目の前で引き起こされたらもはや恐怖でしかありません。
夕方のニュースで「公園にギンナンを拾っていた男女3人が窃盗の疑いで逮捕されました。昔からやっていて犯罪だとは思っていなかったと証言している・・・」なんて流れたら耳を疑うのではないでしょうか?
ですが、実際はそんなことよほど悪質でない限りありえないでしょう。
と言うのも、そもそも公園に落ちているギンナンは事実上、地方自治体が所有権を放棄している可能性が高いためです。
もちろん、それが「柿」などの木と分離していない果実なら窃盗罪が成立する可能性が高く、勝手に盗ってはいけません。
そういう意味では、ギンナンのように下に落ちている天然果実物ならではということができるかもしれません。
どちらにしても、拾う前に管理者に問い合わせることが確実な対処法といえるでしょう。
ちなみに、公道に落ちた場合は、「木の持ち主が近くにいて落ちるところを見ていた」といったことがない限り、持ち主の占有が及んでいるとは言えない可能性が高くなります。
そのため、窃盗罪にはなりませんが「占有離脱物横領罪」という刑法254条が問われる可能性があります。横領になるんですね・・・
→1年以下の懲役または10万円以下の罰金もしくは科料に処される可能性があるようです。
当然、民事では損害賠償の可能性もあります・・・
*少し判例を探してみましたが、「ギンナンを拾って逮捕された」という事例は見当たりませんでした。
最後に
そもそも、ギンナンを拾う人がどれだけいるでしょうか?
ただ、ギンナンにはまってしまうとこの時期になると拾いに行きたくなる気持ちは分かります。
そもそも、居酒屋などでギンナンを頼めばそれなりの金額がかかることになります。そのため、少し手間ですが「自分で皮をむいて焼いた方が・・・」と考えてしまいます。
と言うより、実はギンナンの調理は「封筒でチン」で簡単にできてしまいます・・・(「チン」すると緑色になる)
詳しい調理の仕方は、you tubeで紹介されています。ただ、その結果、食べ過ぎてしまう危険性があります。
実は、次回紹介する記事がメインなのですが、次回は「命に関わるギンナンの食べ過ぎてはダメ!」について紹介します。
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