保育所のイメージは?
やっとの思いで見つけた保育所。しかしそこが認可外だったらどうしますか?また、ニュースでなんども認可外保育園での死亡事故が取り沙汰されるようになってしまいました。ですが、「事故」という観点でみれば認可の有無に関わらず増えています。今回は、「保育所の認可があるなしでどれほど違うのか」について紹介します。
朝日新聞デジタル版より引用→https://www.asahi.com/articles/ASL5X5GMKL5XUTFK01M.html
内閣府は、2017年に報告があった保育施設や幼稚園、認定こども園での事故件数を発表した。全治30日以上の重大な事故は880件で、前年比1・5倍。子どもが亡くなった事故は8件(8人)だった。
認可外保育園という名前が必要以上にママパパを不安にさせている!
そもそも認可されている保育所とは?
①児童福祉法第7条で定める児童福祉施設のなかに保育所が明記されています。
②児童福祉法第45条第1項の規定に基づき,「児童福祉施設最低基準」が厚生省令をもって制定されています。
- 設備規定・・・トイレや遊戯室・調理室など。→屋外遊技場は、近所の公園・神社の境内等でも可。
- 人員規定・・・保育士・嘱託医・調理師など。
例えば、保育士の数は
- 乳児おおむね3人につき1人以上。
- 満1歳以上満3歳未満の幼児おおむね6人につき1人以上。
- 満3歳の幼児おおむね20人につき1人以上。
- 満4歳以上の幼児おおむね30人につき1人以。
- 一保育所につき,2人を下回ることはできない。
このように、預かる年齢の子どもによって人員配置も変わります。そして、認可されている保育所では必ず2人以上の保育士がいないといけません!
③設備(保育室や授乳室など)の面積が決められています。
*他にも食事の提供についてなど、細かい規定があります。
厚生労働省「幼稚園と保育所の基準の比較【職員配置・施設設備等」参考
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/10/s1024-11d.html
なぜ認可外保育所が増えるの?
①設置主体
認可外保育所→制限なし。(個人でも可)
認可保育所 →法人のみ。
②保育所の設置手続き
認可外保育所→設置後1ヶ月以内の届出のみ。
認可保育所 →公募→審査・選考→認可・確認の審査→設置認可・確認の流れが必要。
③保育の必要性の認定
認可外保育所→認定不要。
認可保育所 →認定が必要。
④入所方法
認可外保育所→各施設設置者と保護者の直接契約。
認可保育所 →区役所に申込、区役所が入所先を決定。
⑤保育料
認可外保育所→各施設が任意に設定。
認可保育所 →保護者の収入に応じて大阪市が決定。
⑥給食
認可外保育所→全てで提供されるとは限らない。
認可保育所 →全てで提供。
⑦保育従事者の資格要件
認可外保育所→6人以上の施設:概ね1/3(保育従事者が2人の施設にあっては1人)以上が保育士または看護師(准看護師も含む)
認可保育所 →保育士(看護師・幼稚園教諭・子育て支援等の特例配置あり)
⑧保育室等面積基準
認可外保育所→1.65㎡/人以上(だいたい畳1枚分)。
認可保育所 →0歳児:5㎡・1歳児:3.3㎡・s歳~5歳児:1.98㎡/人以上。
⑨開所時間
認可外保育所→制限なし。
認可保育所 →原則11時間。
このように、認可外保育所と認可保育所では設置基準が全く違うことが分かります。つまり、認可外保育所は誰でも(個人でも)開設することができます。
例えば、保育所併設のマンションがあるとします。
ですが、認可保育所にしてしまうと役所での選定が必要になりマンション利用者だからといって利用できなくなります。
そこで、あえて認可外にすることでマンション住人を優先的に保育園利用させることができます。このように、認可外にする事情はさまざまです。
ここで伝えたいことは、一つだけです。最初にもお伝えしましたが、認可の有無に関係なく事故は発生しています。重要なことは、子どもが安全に利用できるサービスが確保されているかどうかです。
認可外保育園を選択するときは・・・
個人が誰でもできるということは、例えばあなたのお母さんが園長として賃貸マンションではじめることも可能です。「子育ても終わり、自由な時間が増えて社会に貢献したい!」そんな強い志しがあったとします。
- それでは、安全面は果たして確保されているでしょうか?
- あなたのお母さんは、保育士の資格もなければもちろん経験もないですよね?
- 仮にあっても園長をしたことはないですよね?
- もし、園長経験があっても自分で保育所を立ち上げたことはないですよね?
認可外保育所を始めるにしても最初にそんな不安があると思います。
資格は「専門的な知識があることの証明」です。あくまで、保育をするのは「人」です。
*高齢者介護の現場でもいえることですが、「資格」は「経験」には勝てないことがあります。緊急対応といった知識さえもいざという時に役に立たないことがあります。もちろん、資格がなければできないことはたくさんありますが・・・
認可外保育所を選択した場合、直接契約なので認可外保育所に足を運ぶことになります。
そのとき、「園長が保育士資格を持っているか(なくても問題がない体制か)」・「緊急時の対応はどうなっているか」・「テレビを見せっぱなしになっていないか」など、心配になることはたくさんあります。
そこで、厚生労働省の「よい保育施設の選び方10条」を紹介します。
厚生労働省の「よい保育施設の選び方10カ条」より引用
→https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/hoiku/tp1212-1_18.html
一 まずは情報収集を
二 事前に見学を
- 三 見た目だけで決めないで
- 四 部屋の中まで入って見て
- 五 子どもたちの様子を見て
- 六 保育する人の様子を見て
- 七 施設の様子を見て
- 八 保育の方針を聞いて
- 九 預けはじめてからもチェックを
- 十 不満や疑問は率直に
それぞれの詳しい内容は、上記の10カ条のリンク先で紹介されています。
- *園長に保育士資格がない場合・・・
- 窒息などの緊急時対応ができない可能性があります。
- 乳児をうつ伏せで寝かせてはいけないという基本的な知識がないかもしれません。
- 知識はあっても、いつの間にか自分で寝返りをしてうつ伏せになっていても見過ごしてしまうかもしれません。
やる気だけでは、どうにもならない事態が起こったときに解決できる環境が整っているか確認してください。
認可外保育所は名前も含めて見直した方がいいのでは?
「認可外保育所しか空いていなかった!」これが今の現状です。
それでは、あなたが選んだその認可外保育所は本当に選んで失敗でしたか?
「認可外(無許可)」という名前のイメージばかりが先行していませんか?
ニュースで認可外保育所の事故が取り沙汰されて不安になったからではないですか?
もし本当に、子どもを通わせている認可外保育所に問題があると思ったら児童相談所へ。
→厚生労働省認可外保育施設に対する指導監督要綱より引用。
「全ての認可外保育施設の設置者又は管理者に対して、運営状況の報告を、年1回以上、文書により、回答期限を付して求める」とされています。
*年に1回以上立ち入り調査をしている地域もあります。
どんなに監査をしても分からないときはわからないです。だからニュースになるわけで・・・
最後は、親が子どもの生命線になります。
まとめ
- 認可有無に関係なく事故は起こっている。
- 認可外だからではなく、そこの保育所だから起こった事故だと考えた方が自然。
- 認可外保育所は届出のみで条件をクリアすれば誰でも開設できる。
- 厚生労働省がだしている「保育所選びの10カ条」を確認!
こちらの記事では、それぞれの施設について解説しています。
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