●この記事では、オンライン診療の診察~処方の変化についてお伝えしています。
前回、コロナ相談窓口に連絡してから受診することをお伝えしました。
ただ、必ずしも直接診察を受けなくてもよくなりました。
新型コロナウイルスにより、これまで通りの生活は難しくなりましたが、新しく進んだこともたくさんあります。
今回は、「コロナで加速したオンライン診療」についてお伝えします。
→「コロナ相談窓口」については、こちらの記事で紹介しています。
「オンライン診療」ってなに?
オンライン診療については、以前の記事でも紹介していますが、厚生労働省:オンライン診療の適切な実施に関する指針(平成30年3月:令和元年一部改訂)より。
「遠隔医療のうち、医師-患者間において、情報通信機器を通して、患者の診察及び診断を行い診断結果の伝達や処方等の診療行為を、リアルタイムにより行う行為。」
と、あります。
つまり、パソコン・スマホ・タブレットなどがあれば、病院や診療所などに足を運ばなくても診察できてしまいます。
そんなオンライン診療は、2018年の診療報酬改定により保険適用されるようになりましたが、そもそも対象となる疾患は限られていました。
また、初診診療だけは基本的にオンラインによる診療は認められていませんでした。
ですが、新型コロナウイルスの拡大を契機にオンライン診療の利用が拡大されました。
オンライン診療の利用が拡大!?
2020年4月10日に厚生労働省が「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」の通達が出されました。
患者から電話等により診療等の求めを受けた場合において、診療等の求めを受けた医療機関の医師は、当該医師が電話や情報通信機器を用いた診療により診断や処方が当該医師の責任の下で医学的に可能であると判断した範囲において、初診から電話や情報通信機器を用いた診療により診断や処方をして差し支えない
となりました。
当然、医師の判断のもとではありますが、この通達により初診からオンライン診療が可能になり、それによる診断や処方も可能になりました。
ただし、あくまでも「時限的・特例的な対応」として認められているだけです。
そのため、新型コロナウイルスが終息すれば、「初診の対応は基本的に認められなくなる可能性が高い」と言えるでしょう。
ちなみに、オンライン診療では、麻薬及び向精神薬の処方をしてはならないことが決められているため、注意が必要です。
なりすましなどに注意!
そもそも、「初診からオンライン診療」となれば、初対面となるため当然なりすましなどが発生する可能性がありますよね。
パソコンなど視覚情報を含むオンライン診療を実施する場合
医師と患者は、お互いに身分証明をする必要が決められています。
被保険者証により受給資格を、医師については顔写真付きの身分証明書により本人確認を、互いに行うこと。
それでは、視覚情報がない電話で診察を受ける場合はどうすればいいのでしょうか?
電話でオンライン診療を受ける場合
当該患者の被保険者証の写しをファクシミリで医療機関に送付する
被保険者証を撮影した写真の電子データを電子メールに添付して医療機関に送付する
こういった方法で、受給資格の確認が行なわれることになります。
とはいえ、こういった方法で必ずしも本人確認ができるとは限りません。
本人確認ができない場合は、電話により・・・
- 氏名
- 生年月日
- 連絡先(電話番号、住所、勤務先等)
- 保険者名、保険者番号、記号、番号等の被保険者証の券面記載事項
これらを確認することで、診療を行うことで差し支えないことが記されています。
虚偽の申告が発覚したら?
虚偽の申告による処方が疑われる事例があった場合は、その旨を所在地の都道府県に報告すること。報告を受けた都道府県は、管下の医療機関に注意喚起を図るなど、同様の事例の発生の防止に努める。
と、なっています。
それでは、オンライン診療で処方された薬などの受け取りはどうなるのでしょうか?
薬の受け取りも拡大!
従来なら、郵送などで届いた処方せんを患者さんが薬局に持参し、薬剤師から服薬指導を受けた後に薬を受け取るのが原則でした。
つまり、オンライン診療で処方箋が出れば、まずは薬局に薬をもらいに行く必要がありました。
ところが、処方箋の受け取りについても、「時限的・特例的」にオンラインでの服薬指導が認められました。
そのため、処方された薬剤は自宅に配送してもらうことも可能になりました。
院内処方を行う場合は、患者と相談の上、医療機関から直接配送等により患者へ薬剤を渡すこととして差し支えない
→患者さんは、オンライン診療を利用すれば医師や薬剤師と足を運んで直接対面しなくても、「診察~薬剤の受け取り」までできるようになった。
最後に
オンライン診療は、あくまでも医師が認めた場合に限られ、麻薬や向精神薬が処方されることもありません。
なにより、「初診の診察」と「薬剤の自宅での受け取り」は、コロナ禍における「時限的・特例的」な対応です。
さて、これまで少しずつ進んでいたことが一気に動いたため、今後、大きなしわ寄せ(問題)が引き起こされる可能性は十分にあります。
ただ、これだけのことがなければ進まなかったことを考えると、コロナが大きな転換期になったことは間違いありません。
少なくとも、オンライン診療は今後も進んでいくことは間違いないでしょう。
参考
厚生労働省
→https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/rinsyo/index_00010.html
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