●この記事では、やさしい日本語の例と必要性についてお伝えしています。
今は、コロナの影響で観光名所に行くこともなくなりました。ただ、以前は日本の観光名所に行くと、「外国人しかいない?」なんて状況がよく話題になりました。
例えば、伏見稲荷大社は世界遺産になったことで、本当に右を見ても左を見ても外国人ばかりでした・・・
ただ、そういった場所は観光旅行の為に一時的に遊びに来ている外国人が多いのではないでしょうか?
それでは、日本で生活している外国人はどれだけいると思いますか?
ただ、そんな外国人は日本語を必ずしも読めるわけではありません。
今回は、「外国人のためのやさしい日本語」についてお伝えします。
そもそもどれだけの外国人が日本で生活しているの?
身近な話しで言えば、息子が通う幼稚園にも同級生の外国人の親子が入園されています。とはいえ、日本語はペラペラでとても明るいお母さんで、コミュニケーションも問題なさそうでした。
さて、そんな日本に来ている外国人の出身国は150ヶ国以上もあり、200万人を越えています。
例えば、最近は多言語表示の案内板が当たり前になりましたよね。
英語・中国語・韓国語といった言語が日本語表示の下に書かれていて、日本人からすればかなり読みにくい状態になっています・・・
ですが、日本に住んでいる外国人は150ヶ国以上もあるため、もしも本気で多言語表示をしようと思えば、大きな看板が必要になるでしょう。
また、例えば転入届けを出すと、「その地域のゴミの捨て方」や「医療機関の場所」などが書かれた冊子が配られますよね。
ただ、現実問題として仮に、英語に翻訳した同じ冊子を作ったとしても、他にもたくさんの言語があるため、「英語の冊子を作れば解決!」とはなりません。
かといって、その他の言語別に同じ冊子を一つ一つ作ることは、予算的にも時間的にも不可能ですよね。そもそも、市役所にある資料は転入したときに配られる冊子だけではありません。
また、日本語にはない表現の言葉はいくらでもあります。そもそも翻訳は、それぞれの国の言葉の意味に近い言葉を見つける作業です。
つまり、「多言語表示や翻訳をして・・・」と言っても、完璧に翻訳できるわけではありませんし、日本語を全ての言語に翻訳できるわけでもありません。
そのため、どうしても日本語をある程度覚えてもらった上で、それぞれの解釈をしてもらうことになります。
ちなみに、英語圏の人達には「日本語は最も難しい言語の1つ!」という調査結果もあり、すこしでも分かりやすい日本語が必要になってきます。
→文化圏によって言語の難易度は変わるため、あくまでも、「英語圏の人にとって」という意味。もちろん、個人差もある。
それぞれの国の翻訳は完璧にできない?
言語を覚える作業は、最終的には自分がしっくりくる意味で解釈することになります。体操選手が自分の身体の使い方を覚えていくようなものかもしれませんね。
そのため、どうしても日本語の文字と意味を覚えてもらう過程で、自分が知っている言語との類似した解釈をしてもらう作業が必要になります。
とはいえ、日本語は文字1つとっても「ひらがな」・「カタカナ」・「漢字」がありますよね。最近では、「レガシー」や「エビデンス」といった言葉まで報道されますよね・・・
また、日本人でも法律の条文を持ち出されても多くの人は意味が分かりませんよね。
ですが、私の場合なら弁護士の先生が法律を解説してくれているホームページを確認すれば、ある程度は法律の条文も理解することができます。
つまり、これが私にとっての「やさしい日本語」です。(法律の条文よりも分かりやすい日本語)
それでは、外国人にとっての「やさしい日本語」とはなんなのでしょうか?
「やさしい日本語」?
島根県・(公財)しまね国際センター:「やさしい日本語」の手引きより
普通の日本語より簡単で、外国人に分かりやすいように配慮した日本語
と、あります。
それでは、普通の日本語とはなんなのでしょうか?
例えば、日本語には「省略した言葉」がたくさんありますよね。
- 今日の朝→今朝
- 後からくる地震→余震
- 書く→記入・記載
- お父さんとお母さん→両親
- 先にお金を払う→料金前払い
私達にとっては聞き慣れた日本語ですが、日本語をあまり知らなければどうでしょうか?
いきなり「余震がきた!」なんて言われても、分からないのではないでしょうか?
それでは、具体的にどういった日本語にすればいいのでしょうか?
外国人にとってのやさしい日本語とは?
今朝、5時32分、中国地方で強い地震がありました。気象庁は今後も最大で震度5までの地震が起きる可能性があるとして注意を呼びかけています。
これは、よく見かける地震情報ですよね。
地震が日常の日本では、大切な情報の1つと言えるでしょう。ただ、難しい言葉がたくさん使われていますよね。そもそも、漢字が読めないかも知れません・・・
それでは、やさしい日本語に直すとどのようになるのでしょうか?
「やさしい日本語」にすると?
今日 の 朝 5時32分 中国地方で 大きい 地震が ありました。この後も 大きい 地震が くるかもしれません。注意して ください。
さて、最初の地震情報となにが違うのでしょうか?
- 「今朝」のような省略された言葉が使われていない。
- 「ひらがな」だけでも読めるようにルビが振ってある。
- 気象庁などの言葉を省いて、伝えたい情報を明確にする。
- 1つの文を短くする。
- 文末(「です。」・「ます。」など)を統一する。
- 文節で区切って、余白を作る。
例えば、上記のやさしい日本語ではこのようなことに注意して書かれています。
「例えば」というのは、この書き方が必ずしも正解ではないためです。最終的には、その人にあったやさしい日本語にする必要があります。
それこそ、私達からすれば「最初の日本語の書き方の方が読みやすい!」という人もいると思いますが、やさしい日本語の方なら、子どもでも読むことができるのではないでしょうか?
そもそも、外国人の方が日本人よりも日本語を使いこなしている場合があるほどです。そのため、その人にあったやさしい日本語にする必要があります。
これは、なにも外国人にかぎったことではなく日本人にとっても同じことが言えるでしょう。
最後に
1995年1月の阪神・淡路大震災により、日本人だけでなく日本にいた多くの外国人も被害を受けました。
ですが、必ずしも日本語や英語が話せる外国人ばかりではありませんでした。
やさしい日本語は、こういった人達が災害発生時に適切な行動をとれるように考え出されたことが始まりでした。
今では、災害のような緊急事態だけではなく行政情報や生活情報、日々のニュース発信などにも取り入れられています。
最後に、定住外国人が理解できる言語として・・・
- 「日本語」:62.6%
- 「英語」 :44%
このような調査結果が、国立国語研究所より示されています。日本に定住する外国人は、2016年法務省統計では約230万人で、訪日外国人と共に増加傾向が続いていました。
つまり、以外にも定住外国人は日本語の方が英語よりも理解できる言語になっています。
ただ、そうはいってもやはり理解度はそれぞれ違います。
そのため、できる限り多くの人が理解できる日本語「やさしい日本語」が求められています。
やさしい日本語は、こちらの埼玉県のホームページでも紹介されています。
参考
東京都オリンピック・パラリンピック準備局
→https://www.2020games.metro.tokyo.lg.jp/multilingual/references/easyjpn.html
やさしい日本語
→http://www4414uj.sakura.ne.jp/Yasanichi/what-is-ej.html
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