●この記事では、「運転免許証の更新が一部オンラインでできてしまう!?」について説明しています。
新型コロナウイルスの影響で私達の生活は大きく変わり、その1つに「オンライン化」が挙げられます。
ところで、あなたの運転免許証はゴールド(優良運転者)免許でしょうか?
実は、運転免許証もオンライン化がすでに決まっています。
今回は、「ゴールド免許とオンライン更新」について紹介します。
免許証がオンラインで取得できる?
違反歴がないなど無事故無違反の運転者には、「優良運転者」としていわゆる「ゴールド免許」が交付されますよね。
ただ、優良運転者であっても運転免許証を更新するためには、免許講習時に試験場などで30分程度のビデオ教材で講習(学科教習)を受ける必要があります。
警察庁は、この30分程度のビデオ講習を2021年度から4道府県(北海道・千葉・山口・京都)で試験的にオンライン化することを決定しました。
ただし、オンラインで学科教習を受講できる優良運転者は、マイナンバーカードの取得者に限られます。
→視力検査やその他の手続きなどは、これまで通り試験場などに出向く必要がある。
*試行結果を検証後、2024年度末からは全国で運用を始める方針となっています。
- 「免許更新のオンライン化」というのは、マイナンバーカードを取得している優良運転者に限定。
- オンライン化されるのは、あくまでも30分程度のビデオ教材(「パソコン」や「スマホ」などでどこでも受けることができるようにする)
- ビデオ教材以外の各種手続きは、これまで通り試験場などでおこなう必要がある。
さて、免許更新のオンライン化についての概要は、これで理解できたのではないでしょうか?
それでは、具体的に「免許更新のオンライン化」について見ていきましょう。
免許更新のオンライン化?
令和2年12月10日に「指定自動車教習所におけるオンラインによる学科教習の実施について(通達)」が出されています。
冒頭でお伝えしたように、そもそも免許更新のオンライン化が進んだ理由の1つは、「新型コロナウイルス感染症の拡大を予防」・「対人接触や移動に伴う感染回避」という、新型コロナウイルス対策のためです。
ただ、それだけでなく、そもそも集中豪雨などで教習所が「休校」や「物的被害の対応」が生じたとしても、教習所の態勢や教習生のニーズを踏まえていくことも以前から課題になっていました。
つまり、免許更新のオンライン化は以前から進められていましたが、「コロナ対策により加速した」というのが本当のところです。
*「運転免許証」と「マイナンバーカード」の一体化を、これまでの計画から前倒しして2024年度末に始める工程表を政府が決めた。
それでは、そもそもオンラインで教材を視聴することは法律的に問題ないのでしょうか?
合法なオンライン視聴?
そもそも、道路交通法第99条の3第3項
指定自動車教習所を管理する者は、自動車の運転に関する技能又は知識の教習を、教習指導員以外の者に行わせてはならない。
とあります。
つまり、オンライン学習であっても選任された教育指導員に実施させなくてはいけません。
それでは、具体的にどのように進められていくのでしょうか?
オンライン学科教習の方法は?
そもそもオンライン学科教習を受けるためには、更新期を迎えた人に送られてくるはがきに記載されている「QRコード」や「固有の識別番号」が必要になります。
そして、「パソコン」や「スマートフォン」で講習を受けることになる予定です。
動画は早送りできないようにし、「修了画面を印刷」・「スマホ画面を保存」などして、窓口に提出することで完了します。
ただ、オンライン学科教習には2つの方式が認められています。
2つのオンライン学科教習
- ライブ配信方式・・・同時かつ双方向に行われ、学科教習を行う教室等以外の場所で行われる教習。
- 録画配信方式 ・・・学科教習を行う教室等以外の場所で、動画ファイルを再生して行われる教習。
さて、ライブ配信なら「選任された教育指導員」が実施できますが、録画配信ならどうでしょうか?
実際、録画配信ではコミュにケーションがとれないため、不安があるのではないでしょうか?
そこで録画配信では、以下の対策がなされる予定です。
- 教習終了後、速やかにインターネットその他の適切な方法で、「当該教習に出演」又は「監修した教習指導員」による指導及び質疑応答の機会が確保。
- かつ、教習生が継続して教習を受けている状況を確認できる。
つまり、「やりっぱなし」で終わらない対策がとられる予定になっています。
その他の対策
なりすまし
オンラインで不特定多数の人間が集まるわけですから、さまざまな対策が必要になりますよね。
その1つが、「なりすまし」です。
→なりすまし対策は、「個人ID」や「パスワード」などにより個人識別がおこなわれる。
通信環境
他にも、通信環境の問題もありますよね。
もしも、オンライン学科教習の実施中に、通信環境の脆弱により回線が切断されるなど、実質教習時間が確保できない教習生については、当該教習を改めて最初から行わせることになっています。
→「通信環境」・「通信制限」に気を付ける必要がある。
ただ、初めての取組のためテレワークの際に引き起こされたような・・・
- 「画面が動かない」
- 「音声が途絶える」
- 「自宅などの室内の状況などが知られる」
- 「子どもの声が・・・」
など、さまざなトラブルが引き起こされる可能性は十分にあります。
最後に
今後、私達はオンラインでさまざまなことをする機会が増えるようになるでしょう。
ただ、全てがオンラインに統一されていくわけではありません。
今回紹介した免許更新のオンライン化も、確かに2024年からオンライン講習が全国で開始される予定になっていますが、これまで通り教習所などで教科教習は実施されます。
そもそも、通達で「教習所にオンライン学科教習を義務付けるものではない」と明言されています。
とはいえ、私達が「新旧入り交じった方法」と捉えるのか、それとも「新しいもう一つの方法」として考えるかで、今後の方向性は決まっていくでしょう。
個人的には、「もう一つの新しい方法」として考えた方が選択肢が増えるため、今後も選択肢が増えていく方向に進んでほしいと思うばかりです。
参考
朝日新聞デジタル:免許更新のオンライン講習、4道府県で来秋にも試行へ
→https://www.asahi.com/articles/ASNDH77D2NDGUTIL03W.html
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