2020年1月からすでに始まっている「新しい所得税」 ~控除が変わる!?~

 

皆さんは、2020年1月から所得税が変わったことをご存じでしょうか?

これは、2017年12月22日に閣議決定された「平成30年度税制改正の大綱」によりすでに決められていました。

今回は、2020年1月から始まった「新しい所得税」についてご紹介します。

 

なにが変わったの?

世間では、新型コロナウイルスが世界中に影響を与えていますが、日本国内では今だに「桜を見る会」の追求が終わっていませんね・・・

ただ、それ以上に注目しないといけない私達の生活に直結する改正が行われ、どんどん施工されていきます。例えば、前回紹介したような民法改正などがそれにあります。

2020年4月:民法大改正! 連帯保証人制度も変わる!? 

それでは、すでに実施されている「新しい所得税」について見ていきましょう!

所得税=課税所得(年収ーさまざまな控除)✕税率

 

控除の「引き下げ」と「引き上げ」

「控除」というのは、「ある金額から一定の金額を差し引くこと」です。

例えば、「100万円から10%を引かれる」のと「10万円の控除を受けて90万円(100万円-10万円)から10%を引かれる」のとで比べると、控除額が多い方が税金を引かれる金額が少なくてすみます。

この場合だと、10万円(100万円の10%)→9万円(90万円の10%)。つまり、控除により支払う税金が1万円が少なくなります。

さて、控除の説明はこれぐらいにして1月から「給与取得控除」公的年金等控除」がそれぞれ一律10万円引き下げられました。

 

《給与所得控除》

給与等の収入金額 給与所得控除額
改正前 改正後
1,625,000円以下 650,000 550,000
1,625,000円越~1,800,000円以下 給与収入✕40% 給与収入✕40%ー100,000円
1800,000円超~3,600,000円以下 給与収入✕30%+180,000円 給与収入✕30%+80,000円
3,600,000円超~6600000円以下 給与収入✕20%+540,000 給与収入✕20%+440,000円
6,600,000円超~8,500,000円以下 給与収入✕10%+1,200,000 給与収入✕10%+1,100,000円
8,500,000円越~10,000,000円以下 1,950,000円
10,000,000円越~ 2,200,000

給与所得というのは、勤務先から受ける「給料」や「賞与(ボーナス)」などの所得のことです。

例えば、給与収入が300万円あったとします。

  • 改正前:300万円✕30%(0.3)+180,000円=1,080,000円の控除→192万円が課税対象
  • 改正後:300万円✕30%(0.3)+80,000円=980,000円の控除→202万円が課税対象

このように、課税対象になる額が10万円増えてしまうことになります。

つまり、「控除が引き下げられる」ということは私達の負担が増すということです。

また、控除を受けるための「給与等の収入金額」の上限が年収1,000万円→年収850万円までとなり控除を受けられる上限額も引き下げられました。

さらに、「公的年金等控除」も10万円引き下げられました。

 

《公的年金等》

  1. 国民年金法・厚生年金法・公務員法等の共済組合法などの規定による年金
  2. 過去の勤務により会社などから支払われる年金
  3. 外国の法令に基づく保険または共済に関する制度で(1)に掲げる法律の規定による社会保険または共済制度に類するもの

つまり、基本的にほとんどの人が加入している年金に対する控除が「一律10万円引き下げられた」ということです。

他にも、公的年金等の収入金額が1,000万円を超える場合の公的年金控除額が195万5,000円が上限とされました。

ちなみに、私には関係ありませんが「公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額」が・・・

  • 1,000万円越え~2,000万円以下の場合は、一律10万円。
  • 2,000万円超える場合は、一律20万円。

このように、高所得者からの控除が引き下げられることになります。

ただし、基礎控除額は一律10万円引き上げられました。

 

基礎控除の引き上げ!?

「基礎控除」というのは、他の所得控除のように一定の要件などは関係なく、全ての人が総所得控除から一律差し引くことができる控除です。

これまで、基礎控除の額は38万円でしたが、最大48万円まで引き上げられました。

合計所得金額 基礎控除の額
2019年度 2020年度以降
2,400万円以下 38万円 48万円
2,400万円越~2,450万円以下 32万円
2450万円越~2,500万円以下 16万円
2,500万円越

このように、2,500万円を超えると基礎控除がなくなることになりますが、所得が2,400万円以下の対象者(私)にとっては、10万円基礎控除が引き上げられました。

 

結局どうなるの?

今回の新しい所得税により、

  • 年収が850万円を超える経営者・会社員・公務員など収入が多い年金受給者の所得税・住民税が増税
  • 年収が850万円以下の経営者・会社員・公務員などは今までと変わらない
  • フリーランス・自営業者の大半は減税

ただし、年収850万円以上の人が増税になってしまうため救済措置が設けられています。

 

所得税額調整控除

年収850万円を超えていても、以下のいずれかに該当する従業員は控除の対象となります。

  • 本人が特別障害者である場合
  • 23歳未満の扶養家族がいる場合
  • 特別障害者である同一生計配偶者または扶養家族がいる場合

 

最後に

平成30年度税制改正の大綱には、今回紹介した「個人所得課税」意外にも例えば、「消費課税」のなかでたばこ税の増税外国人旅行者向け消費税免税制度の利便性向上など、本当にさまざまな内容が盛り込まれています。

結論からいえば、今回の個人所得課税については「お金持ちの税金が上がる!」という内容でした。

あなたにとって、「桜を見る会」と今回の改正どちらが重要でしょうか?

マスコミ報道だけを追っていると、こういった大切なことがいつの間にか改正されていきます。これからも、さまざまなことがどんどん変わっていくので、注目していきたいと思います。


参考

平成30年度税制改正の大綱
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2018/20171222taikou.pdf

平成30年度税制改正の大綱の概要
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2018/30taikou_gaiyou.pdf

OBC360℃:「令和2年分」の年末調整が大幅変更!基礎控除・給与所得控除の改正内容とその影響
https://www.obc.co.jp/360/list/post79

薩摩川市内市役所 税務課:給与所得控除・公的年金等控除の見直しについて令和3年度(2年分)から適用
https://www.city.satsumasendai.lg.jp/www/contents/1368754751307/html/common/other/5dfc6622007.pdf

 

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