先日、新型コロナウイルスの影響で車の車検や自賠責保険の特例措置があることをお伝えしました。
それでは、運転免許証の期限は延長されるのでしょうか?
今回は、「運転免許証に特例措置はあるの?」についてご紹介します。
→「車検」や「自賠責保険」の特例措置についてはこちらの記事で紹介しています。
そもそも運転免許証の有効期間はどうやって決められているの?
「運転免許証を更新しないと、運転できなくなります。」なんてことは、小学生でも知っていますよね・・・
それでは、もっと深掘りしていきましょう。
そもそも、免許証の更新はいつまでにするの?
免許証の更新期間は、誕生日をはさんだ2ヶ月間!
つまり、免許証の有効期間が満了する日の直前のその方の誕生日の生後1ヶ月間の期間となります。
ちなみに、有効期間の末日が土日・祝際日・年末年始等の休日に当たる場合は、これらの日の翌日までの間です。
このように、基本的に免許証の有効期間はあなたの誕生日を起点に定められています。
とはいえ、免許証によってそれぞれ有効期間が違いますよね?
免許証の区分
❶優良運転者(有効期間:5年間)
- 継続して免許を受けている期間が5年以上
- 違反やケガのある事故を起こしていない。
→この二つに当てはまる人が対象で、免許証の帯の色がゴールド
➋一般運転者(有効期間:通常5年)
- 継続して免許を受けている期間が5年以上
- 3点以下の軽微な違反が1回のみ
→この二つに当てはまる人が対象で、免許証の帯の色が青色
❸違反運転者(有効期間:3年)
- 違反が複数ある
- ケガのある事故を引き起こしてた
→このどちらかに当てはまる人が対象で、免許証の帯の色が青色
❹初回更新者(有効期間:3年)
- 継続して免許を受けている期間が5年未満
- 違反や事故の有無が違反運転者講習の区分に当てはまらない
→このどちらにも当てはまる人が対象で、免許証の帯びの色は青色
❺新規取得者(有効期間:3年)
- 初めて運転免許を受ける
→帯の色は緑
つまり、運転免許証は新規取得者の「緑帯」を除けば、「青帯」と「ゴールド帯」しかありません。そのため、「ゴールド帯」は無事故・無違反の証明となるため優良運転者とされています。
さて、運転免許証の更新や有効期間のおさらいはここまでにして、それでは更新をしない(無免許運転した)場合、どうなるのでしょうか?
無免許運転をしたら・・・
無免許運転で捕まった場合は、道路交通法によりこのような罰則があります。
通常の場合、「三年以下の懲役または五十万円以下の罰金」が科されます。ちなみに、2013年12月1日に改訂されるまでは、「1年以下の懲役または三十万円以下の罰金」でしたので厳罰化が進められていることが分かります。
また、免許証の有効期限が切れているということは、運転をする資格がない状態です。つまり、無免許運転は資格がないのに運転していることから、罰則が重くなります。
さらに、無免許運転の違反点数は25点(「免許取り消し」の違反点数は15点)で、赤切符が切られることになります。(無免許運転が発覚した時点で、2年以上の免許取り消しという行政処分を受ける)
*赤切符は、違反点数が6点以上の重大な交通違反を犯したときに渡される切符で、行政処分を受けることになる。
→「赤切符」や「青切符」については、こちらの記事で紹介しています。
このように、無免許運転がどれだけ大きな影響を及ぼすか分かっていただけたのではないでしょうか?
ただし、実は道路交通法101条の2に、もともと「特例更新」という特例措置があります。
特例更新とは?
例えば、海外旅行や病気などやむを得ない理由で、「更新期間内に更新を受けることが困難である」と予想される場合は、特例として更新期間前に更新を受けることができます。
《やむを得ない理由として認められるもの》
- 海外旅行する予定がある
- 病気または負傷について療養している
- 法令の規定により身体の自由を拘束されている
- 社会の慣習上または、業務の遂行上やむを得ない用務が生じている
- 積雪・高波その他の自然現象により交通が困難になっている。
このように、「やむを得ない理由」と判断されれば、特例更新を受けることができます。
→基本的には、更新期間内に免許証の更新をしなかった場合は免許は失効するため、免許を再取得する必要があります。
*ただし、6ヶ月以内であれば免除が適用される。
《「失効日から6ヶ月を経過しない!」というポイント!》
免許証有効期間の失効日から6ヶ月を経過しない期間内であれば、免許試験のうち、技能試験および学科試験が免除されます。
さらに、「やむを得ない理由」で免許証の更新を受けられなかった場合は、失効後6ヶ月を経過しない期間内に免許を再取得した場合は、失効していた期間も継続して免許を受けている期間に含めることができます。
→「やむを得ない理由」として認められれば、❶更新期間前に更新を受けられるだけでなく、➋失効後6ヶ月以内であれば、免許の再取得じたいが免除され、さらに❸過去の運転経歴の運転期日に基づいて、「優良運転者」や「一般運転者」が引き続き適用されることになります。
さて、ここまでは「これまでの運転免許証の取扱い」についてです。それでは、新型コロナウイルスの影響による免許証の更新はどのような特例措置が講じられることになったのでしょうか?
免許証の特例措置とは?
2020年3月13日より、運転免許証の有効期間の延長措置が実施されています。
新型コロナウイルスへの感染やそのおそれを理由に、運転免許証の通常の更新手続きを受けることが「できない」・「できなかった」方について、このような対応がなされています。
更新期限が過ぎてしまいそうな場合
更新期限の前に、運転免許センターや警察署等に申し出ることで、更新期限後であっても3ヶ月間は運転が可能になります。
→注目すべきは、これまでどんな理由があろうと免許の有効期間が過ぎている場合は、車の運転が認められなかった点です。
《対象者》
免許証の更新期間が令和2年3月13日~3月31までの方
*ただし、延長された3ヶ月の間に講習の受講や適性検査の受検を含む、通常の更新手続きを改めて受ける必要がある。
免許証の更新が過ぎた場合
更新期限までに更新手続きをおこなうことができず運転免許を失効させた場合は、「運転免許の失効から3年以内」かつ「新型コロナウイルス拡大の終息から1ヶ月以内」なら、学科試験・技能試験が免除され再取得が可能になります。
さらに、通常の再取得に必要な手数料から減額されることになります。
このように、免許証おいても特例措置が講じられるようになりました。
最後に
運転免許証の有効期間を守らないことが、いかにリスクが高い行為か分かっていただけたでしょうか?
ただ、今回の特例措置では短い期間であるとはいえ、本来なら無免許運転になる行為が届出をすることで認められることになりました。
新型コロナウイルスの拡大により、例外続きですがこれからもさまざな特例措置が実施されていくでしょう。
ただ、その情報は自分から取りにいく必要があります。新しい特例措置ができても、知らなくては意味がありません。
次は、マイナポータルのように必要な情報が必要な人に届くようなシステム開発が必要になります。
→「マイナポータル」については、こちらの記事で紹介しています。
千葉県警察
→https://www.police.pref.chiba.jp/menkyoka/licence_update-about.html
弁護士法人中村国際刑事法律事務所:刑事弁護コラム(無免許運転)
→https://www.t-nakamura-law.com/
警察庁:新型コロナウイルス感染症への対応について
→http://www.npa.go.jp/bureau/soumu/corona/index_corona_special.html
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