外食と孤食とコロナ・・・ ~コロナの影響と食事~

 

●この記事では、「コロナ以前からすでに増加していた孤食」についてお伝えしています。

 

コロナ禍により、今年は「忘年会」や「新年会」も難しくなりました。

それでは、普段の食事は誰と食べていますか?

農林水産省によれば、1日の全ての食事を1人で食べている人は、2017年で約15%となっていました。

今回は、私達の大切な食事のなかでも「孤食とコロナ禍」についてご紹介します。

 

そもそも「孤食」は増えているの?

そもそも、「孤食(こしょく)」というのは食事を1人で食べることを指します。

→もともとは、子どもが1人で食事を摂ることが問題視されたことがきっかけで使われるようになった。

*ちなみに勘違いしやすい例として、同じ「こしょく」でも「個食」は、家族が同じ食卓を囲んでいるにも関わらず、レストランのようにそれぞれが違う物を食べている状態のこと。

それでは、農林水産省より「孤食」について見ていきましょう。

 

コロナに関係なく「孤食」は増えていた?

  • 2011年の調査:1日の食事の全てを1人で食べていた人→77.2%。

→週の半分以上、1日の食事を全て1人で食べていた人→10.2%。

 

  • 2017年の調査:1日の食事の全てを1人で食べていた人→73.0%。

→週の半分以上、1日の食事を全て1人で食べていた人→15.3%。


とはいえ、「1日の食事全てを1人で食べていた人」は減少しています。ところが、「週の半分以上を1日1人で食事をしていた人」は増加していました。

このように、少しずつですが孤食はこれまでも増加してきました。

とはいえ、仕方がなく「孤食」になってきた現状があります。

 

孤食の理由は?

農林水産省の2017年の調査(「食育に関する意識調査」)では、このような結果になっていました。

  1. 1人で食べたくないが、食事の時間や場所が合わないため仕方がない→35.5%
  2. 1人で食べたくないが、一緒に食べる人がいないため、仕方がない →31.1%
  3. 1人で食べることが都合がいいため、気にならない        →27.3%

つまり、「仕方なく1人で食べている」と答えている人が、約7割(66.6%)もいることになります。

このように、これまでも孤食は少しずつ増加していましたが、多くの人は「好きで孤食をしているわけではない」ことが分かりました。

それではコロナ禍の今、「孤食」はどのように変化しているのでしょうか?

 

コロナ禍と孤食

丸亀製麺が、2020年12月1日 <コロナ禍前後における“ランチの変化”に関する調査>を発表しています。

Free-Photos / Pixabay

 

外食はコロナ禍で大幅に減少

①「コロナ禍の前後で、平日のランチで外食する頻度はどうなりましたか?」

「やや少なくなった」、「少なくなった」と回答した人が全体の約46%

 

ちなみに、コロナ禍前後における外食の頻度を具体的に質問した結果、「週4~5回」と回答した割合が23.9%→9.4%と大幅に減少していました。

*「週0~1回」と回答した割合は、54.6%→79.3%。

このように、コロナ禍の影響により外食の回数が激減しています。

それでは、ランチを誰と食べているのでしょうか?

 

ランチを一緒に食べる人数が変化

②「コロナ禍の前後で、平日のランチを一緒に食べる人数はどうなりましたか?」

「やや減った」、「減った」と回答した人が全体の約4割(39.4%)

それでは、ランチを一緒に食べる人数はどれくらい減ったのでしょうか?

 

③コロナ禍前後で「平日のランチは何人で食べること/機会が多いですか?」

1人(自分のみ)と回答した人の割合が50.6%→74.3%

つまり、ランチの機会が激減しただけでなく、1人で食べる(孤食)が7割を越えてしまっています。

それにより、ランチにかける予算も減少が見られているようです。

 

ランチの予算が減少?

④「コロナ禍の前後で、平日のランチの予算に変化はありましたか?」

「やや減った」「減った」と回答した人の割合は全体の25.6%

これは、そもそも外食の機会が減少したことと、1人で食べることが影響している考えられます。「1人で食べる・お店に長居できない」となれば、安く簡単に済ませることになるのではないでしょうか・・・

それでは、コロナ禍の今、ランチはどこで食べてられているのでしょうか?

 

ランチは「自宅」が普通

⑤「平日のランチはどこで食べることが最も多いですか?」

→「飲食店(店内)」と回答した人の割合:コロナ禍前で33.4% → コロナ禍後で12.0%

→「自宅」と回答した人の割合     :コロナ禍前で5.3% → コロナ禍後で40.0%

つまりコロナ禍の今、ランチは自宅で食べることが主流になっています。

「withコロナ」なんて言われますが、ランチ1つとっても「孤食」という形で大きな変化が起きています。

このように、withコロナは「お一人様のサービス」が主流になっていくのかもしれませんね。

 

最後に

孤食は、子ども・若者・高齢者の問題として取り沙汰されます。

  • 子ども:心身発達にかかわる「食育」問題
  • 若者 :友人や仲間とのコミュニケーション不全や社会性・協調性欠如の問題
  • 高齢者:単身高齢者の介護ケアやQOLの問題

こういったことが、問題点としてあげられます。

 

ですが、そもそも孤食が続けば「抑うつ傾向が強くなる」ことが指摘されています。

特に高齢者は、うつになる可能性が女性で1.4倍、男性では2.7倍も高かったことが、東京大学で栄養疫学を専門とする谷友香子研究員らの研究チームによって明らかになっています。


コロナの影響で、これまでの常識が大きく変わっていきました。

コロナ以前の生活に完全に戻ることは、すでに不可能な状況になっているのかもしれません。

とはいえ、もっと致死率の高い感染症だったらさらに大変なことになっていたでしょう。

今後も多くのことが変わっていくことが考えられますが、コロナ対策の影響で生活がままならなくなってしまっては本末転倒です。

今後も、体調管理には気を付けてお過ごし下さい。

 

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