突然ですが、使った歯ブラシはどうしていますか?
ひょっとしたら、消毒している人もいるかもしれませんね。
今回は、そんな「使った後の歯ブラシのお手入れはどうしたらいい?」についてご紹介します。
歯ブラシのお手入れって必要?
そもそも、大人の口の中には300~700種類の細菌が生息していると言われています。
- 歯をよく磨く人:1,000~2,000億個。
- あまり歯を磨かない人:4,000~6,000億個。
- ほとんど歯を磨かない人:1兆個。
つまり、そんな口の中に歯ブラシを入れるため、歯磨き直後の歯ブラシは細菌だらけの状態になっています。
ちなみに、ある調査によれば3週間程度使用した歯ブラシには、およそ100万個もの細菌(トイレの水の約80倍)が付着しているのだとか。
こうした細菌が、虫歯や歯周病、口臭などの原因となります。
そう考えると、やはり歯ブラシのお手入れは最低限しておく必要があることになります。
それでは、消毒をすればいいのでしょうか?
*ちなみに、母親のお腹の中にいる胎児は無菌状態の羊水の中で成長するため、口の中にも細菌はいません。つまり、主に母親や家族からの細菌が新生児に定着していくことになります。
間違ったお手入れ方法
NGな消毒!
《除菌スプレー》
まず、最初にお伝えすることとして歯ブラシの除菌スプレーは意味がありません。
というのも、そもそもアルコールでは除菌はできても滅菌することはできないためです。
アルコールは70%の濃度が維持できてはじめてそれなりの効果を発揮します。つまり、時間が経過して薄くなったアルコールには消毒効果さえありません。
*さらに言えば、除菌スプレーの添加剤が害になる可能性もあるようです・・・
これは、病院の予防接種などで注射する前に拭くアルコール綿と同じです。
そもそも、アルコールを含めどんなに強力な消毒薬で皮膚表面を消毒しても、皮膚が無菌になることはありません。
滅菌しようと思えば、皮膚がボロボロになるくらい強力な消毒剤を使用するか、ガスバーナーで皮膚ごと薬ぐらいしか方法がありません。
アルコール消毒などは、「浸漬(しんし)」と呼ばれる器具を10分間つけ置きすることで初めて効果があります。
《熱湯消毒》
一般的な歯ブラシは、耐熱性がほとんどありません。
歯ブラシを痛める原因になるためNG行為となります。もちろん、口に入れる歯ブラシをハイターなどの台所用漂白剤は危険なため使わないようにして下さい。
NGな保管方法!
- 手先を下にしてコップに入れる。→毛先が乾かないため、細菌が増殖しやすい。
- ユニットバスや洗面台の収納の中に保管。→毛先がなかなか乾かない。
- 一つのコップに複数の歯ブラシが入っている。→毛先が触れ合うことで、菌が感染する可能性がある。
NGな歯ブラシ
古い歯ブラシは、「1ヶ月程で交換するように」といわれますよね。それは、私達が思っている以上に磨けなくなるためです。
新品の歯ブラシが100%とすると・・・
- 毛先が少し広がった歯ブラシ→80.8%
- 毛先が大きく広がった歯ブラシ→62.9%
そもそも、毛先が開くと弾力性がなくなってしまうため歯茎を痛め出血してしまう場合があります。ちなみに、毛先が開いていなくても長い間使用していると植毛に弾力がなくなり、汚れの落ち具合が低下します。
このように、「歯ブラシのお手入れ」と聞くと、ついやってしまいそうなことがあるためお気を付け下さい。
それでは、結局どうすればいいのでしょうか?
「正しいお手入れ」は、どうすればいいの?
歯ブラシは、とにかく乾燥させる!
そもそも、細菌は水分がなければ分裂できないため増殖することはありません。そのため、以下のようなことに気をつける必要があります。
- 歯ブラシキャップをしたままにしない。
- 通気性の低い、浴室などに放置しない。
歯ブラシとその置場は清潔にする!
- 使用後は、流水化で「こすり洗い」してよく汚れを落とす。
- コップや歯ブラシスタンドが汚れていると、底に付いた細菌が増殖し、歯ブラシにも付着してしまいます。
- トイレと同じスペースに置かない。⇒ユニットバスなどの場合、トイレからの細菌が空中に飛び散り歯ブラシに付着する。
つまり、歯ブラシのお手入れは・・・
①しっかり洗う。
②しっかり乾燥させる。
つまり、歯ブラシのお手入れとは、しっかり洗った後は「風通しのいい場所で毛先を上にして、立てて保管すること」です。
最後に
歯ブラシ一つとっても、正しいお手入れの方法があります。
あなたは、NG行動をしていませんでしたか?
ちなみに、電動歯ブラシにもお手入れ方法があります。
- 歯磨き後は、ブラシ部分を外して流水で水洗い。(「毛先部分」と「本体とつながる内側の部分」)
- 本体にも、歯磨きの汚れや唾液が付着しているため可能性があるためタオルで拭き取る。
- ブラシ部分を本体に装着し、電源を入れて水滴を飛ばす。
- ブラシ部分を外して、本体と一緒に風通しのいい場所に保管。
歯ブラシの保管は、乾燥が基本です。
ただ、赤ちゃんがいる家庭なら「ミルトン」を使われているご家庭もあるのではないでしょうか?
次に使うときまでに、歯ブラシを付けておけば消毒ができており、使う前に歯ブラシを洗う必要もありません。
参考
一般社団法人 日本訪問歯科協会
→https://www.houmonshika.org/oralcare/c109/
→https://www.houmonshika.org/oralcare/c145/
動物病院エルファーロ:注射部位のアルコール消毒は原則的に行いません
→https://www.elfaro-vet.com/
ORALFIRST
→https://oral-first.com/toothbrush/7/
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