エスカレーターの常識・非常識!?~子どもの安全はどうやって守りますか~

皆さんは、エスカレーターを歩いて登りますか?

エスカレーターにのるときは、片側を空けますか?

特に通勤ラッシュは毎日運動会状態ですよね・・・

そもそも走らないと電車の乗り継ぎに間に合わないなんてこともありえます。

今回は、「エスカレーターの常識・非常識から子どもの事故まで」について紹介します。

 

エスカレーターは、そもそも歩いてはいけない!?

エスカレーターとは、辞書で調べると「機械式階段」「自動階段」「移動階段」などさまざまな呼ばれ方で説明されています。つまり、人を乗せて階上・階下に人を運ぶ「運搬装置」ということになります。

エスカレーターは、商業施設や駅などありとあらゆる場所に設置されていますよね。

また、エスカレーターに乗るときは片側によって利用することが常識化していることと思います。

Pexels / Pixabay

実は、このエスカレーターそもそも乗ることしか想定していません。簡単にいえば、エスカレーターを歩く、ましてや駆け上る想定なんてしていません。

あくまで、手すりをしっかり持って立ち止まることが基本です。

例えば、エスカレーターに乗るときにこんなアナウンスを聞いたことはありませんか?

「エスカーレーターに乗るさいは、手すりをもって黄色い線の中央へ」「お子さんの手はしっかりつないで一緒に乗って・・・

つまり、片側によることさえ誤りなんです。

 

エスカレーターの強度は?

エスカレーターの1枚の板に何人乗れるかご存じですか?

エスカレーターの強度は、建築基準法に記載されています。

ちなみに、エレベーターの積載基準によって変わってくるのですが、100㎏ぐらいなら基本的に問題ありません。

あの1枚の板にそれだけ(それ以上)の強度があります。

大人1人+子ども1人までなら一緒に乗ることが可能です。(大人2人は本来想定されていません)

JJuni / Pixabay

とはいえ、エスカレーターに乗る人は体重もさまざまでリュックなど荷物があればさらに負荷がかかります。下りなら、瞬間加重が大きくなるためさらに危険です。

ですが、日本のエスカレーターの場合は安全装置が何重にも設置されています。そのため、2015年に中国であったようなエレベーターに巻き込まれているにも関わらず停止せず母親が亡くなってしまうという凄惨な事故はありえません。もし、衣類などが巻き込まれれば緊急停止装置が作動します。

 

ただ、緊急停止装置が働くまでの時間差で重傷だけでなく過去にはマフラーが巻き込まれ首が締まり亡くなるケースもあり絶対安全とはいえません。

そして、エスカレータによる事故は子どもも例外ではありません。

 

エスカレーターによる子どもの事故

エスカレーターによる事故は、2017年にJR東日本だけで180件の事故報告が上がっています。東日本の駅の利用客で把握されただけでこの件数です。

エスカレーターはどこにでもあります。つまり、毎日どこかでエスカレーターによる事故が起こっていることが推察されます。

それでは、実際の子どもの事故事例を確認していきましょう。

国土技術政策総合研究所 建物事故予防ナレッジベースから検索していただくと、年齢や建物・怪我の具合などさまざまな条件で細かく調べることができます。

まずは、どんな事故があったのか子ども達に伝えるためにも一度は目を通すことをオススメします。

 

エスカレーターでの重度の怪我

①女児が踏み段と床部分の間に左手の指を挟まれる。父親が気付き助け出した。

→左手の人さし指と中指の爪の付け根付近に2か月の重傷。

②傾斜型動く歩道前 でしゃがみ、遊んでいた踏板 とスカートガードの間に挟まる。

→左手 小指の第一関節から先を切断。

③上りエスカレーターに母親と一緒に乗っていた小学5年の男児。

→ステップの間の隙間に靴を引き込まれる。足指を骨折する重傷。

つま先が隠れるタイプのサンダルを履いた3歳の男児。右足のつま先をサンダルごとエスカレーターのステップと側壁のすき間に巻き込まれる。エスカレーターは緊急停止。男児は病院に運ばれる。

→人さし指と中指、薬指のつめがはがれる大けが。

⑤動く歩道の進行方向に頭を向け、ゴム製ベルトの上に四つんばいの状態で乗っていた。

→終点部分に左手をはさまれた。

⑥女児(1才)が1人でエスカレーターに近づき、踏段とくし歯との間に手を引き込まる。

→右手小指の第2関節から先を切断。

 

エスカレーターによる死亡事故

①デパートに設置された4階から5階へ通じる上りのエスカレーターに乗り、エスカレーターの進行方向に向って右側手すりのべルトから外側へ身体を乗り出す。

→同べルトと4階天井にはさまれ死亡。

②2歳男児が商業施設の4階の吹き抜けに設けられたエスカレーターの手すりから10メートル下の2階特設売り場に転落

→頭を強く打って死亡。

 

子どもを守るためのルール

  1. そもそも、子ども一人ではエスカレーターに近づけない。
  2. エスカレーターの緊急停止装置を過信しない。(切断や死亡事故が実際に起こっていることを理解する)
  3. エスカレーターの隙間は側面にもあり、必ず自分も含めて黄色い線の中に立たせる。無理ならエスカレーターを使わずエレベーターへ。(手で抱えるだけの抱っこは、転落の危険があるのでNG)
  4. 手すりから外に手や顔を子どもに出させない。
  5. 親が一緒だとしても、状況によっては子どもを助けられるとは限らないため子どもから目を離さない。(危険な行為をしていないか逐一確認する)
  6. 子どもだけでなく、自分の安全確保も意識する。
  7. 周りの状況を確認する。

Free-Photos / Pixabay

いかがでしたでしょうか?

エスカレータの中央に立つことがなぜ必要か分かっていただけると幸いです。


片側に寄っているということは、あなたの足先はエスカレーターの側面に当たっていませんか?あなたの頭は手すりの外側にあることはありませんか?

エスカレーターの安全装置が間に合えばいいですが、必ずしも間に合うとは限りません。どちらにしても、巻き込まれれば間違いなく怪我をします。

さらに、子どもと一緒に乗るときは子どもの安全も確認しなくてはいけません。明日は我が身のエスカレーター事故。本当に、十分ご注意下さい。

 

まとめ

  1. 安全装置は付いているが間に合うとは限らない。
  2. エスカレーターによる子どもの重大事故や死亡事故は実際に起こっている。
  3. 子ども一人では、エスカレータに近づけさせない。
  4. 隙間や手すりの外側に注意する。

参考

中国の『人喰いエスカレーター』に巻き込まれ死亡した母親
https://matome.naver.jp/odai/2143858372575018201

エスカレーター事故180件 JR東「手すりにつかまって」
https://www.sankei.com/life/amp/180723/lif1807230037-a.html

国土技術政策総合研究所 建物事故予防ナレッジベース
https://www.tatemonojikoyobo.nilim.go.jp/kjkb/case_search.php?build_parts[09]=1&human_type[01]=1&accident_level[6]=1&limit=10&order=accident_level&sort=asc

建築基準法
http://best.life.coocan.jp/k-rei/rei0504/02/rei_12912.html

 

 

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