毎月勤労統計調査は基幹統計調査 ~国家主導で罰則もある重要調査~

 

転職が当たり前の時代となり、かくいう私も転職を経験しています。

ところが、「毎月勤労統計調査の不正な手法での調査をしていた」として、異例ともいえる2019年度の予算案まで変更する事態となってしまいました。

今回は、「そもそも毎月勤労統計調査ってなに?」について紹介します。

毎月勤労統計調査の不正による影響に関する記事はこちらで紹介しています。

毎月勤労統計調査で不正調査 ~あなたの給付は大丈夫?~

 

毎月勤労統計調査とは?

まず、「毎月勤労統計調査」は厚生労働省が実施している調査です。

そして、この調査は1923年(大正12)に始まり90年以上続いている歴史のある調査です。

まず、この毎月勤労統計調査は3種類に分かれています。

どの調査も、雇用・給与及び労働時間を明らかにすることを目的としています。

《常用労働者5人以上の事業所を対象として毎月実施》

①全国調査:全国的な変動を毎月明らかにする。

②地方調査:都道府県別の変動を毎月明にする。

《常用労働者1~4人の事業所を対象として年1回実施》

③特別調査:全国調査と地方調査を補完する。

 

ポイント!

*「常用労働者」が5人いるかいないかで、調査回数が大きく変わります。

*平成30年1月調査から
常用労働者とは、期間を決めずまたは1ヶ月を超える期間を決めて雇われている者など、常時使用されている労働者のことです。
(それまでは、「臨時または日雇い労働者で前2ヶ月の各月にそれぞれ18日以上雇われた者」も含まれていました)

*調査対象の「業種」としては、「日本標準産業分類」に基づく以下の16大産業となっています。

  1. 鉱業,採石業,砂利採取業
  2. 建設業
  3. 製造業
  4. 電気・ガス・熱供給・水道業
  5. 情報通信業
  6. 運輸業,郵便業
  7. 卸売業,小売業
  8. 金融業,保険業
  9. 不動産業,物品賃貸業
  10. 学術研究,専門・技術サービス業
  11. 宿泊業,飲食サービス業
  12. 生活関連サービス業,娯楽業(その他の生活関連サービス業のうち家事サービス業を除く)
  13. 教育,学習支援業
  14. 医療,福祉
  15. 複合サービス事業
  16. サービス業(他に分類されないもの)(外国公務を除く)

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①全国調査

【調査範囲】

・16大産業

・常用労働者:5人以上の事業所

【事業所】

第一種事業所

・規模:30人以上の常用労働者

・事業所:約30万ヶ所ある事業所から抽出して約16,700事業所を調査。

第二種事業所

・規模:5~29人の常用労働者

・事業所:約160万ヶ所ある事業所から抽出して約16,500事業所を調査。

 

②地方調査

【調査範囲】

・16大産業

・常用労働者:5人以上の従業員

【事業所】

第一種事業所

・規模:30人以上の常用労働者

・事業所:約30万ヶ所ある事業所から抽出して全国調査+約5,000事業所を調査。

第二種事業所

・規模:5~29人の常用労働者

・事業所:約160万ヶ所ある事業所から抽出して全国調査+約5,500事業所を調査。

 

③特別調査

【調査範囲】

・16大産業

・常用労働者:1~4人の事業所

【事業所】

・事業所:約230万ヶ所ある事業所から抽出して約25,000事業所を調査。

 

ポイント!

*全ての事業所を調査するには、時間・予算的な問題があるためどの調査方法においても基本的には抽出調査がおこなわれています。

常用労働者の規模が500人以上の事業所(第一事業所)は、全数調査(全ての事業所への調査)をおこなうこととされています。
→16大産業のそれぞれの抽出率表はこちら表2 産業、事業所規模別抽出率表(第一種事業所)

 

毎月勤労統計調査のデータはなにに使われるの?

毎月勤労統計調査は、国の重要な統計調査である基幹統計調査として実施されています。

基幹統計調査は、報告義務があり「個人または法人その他の団体に対し報告を求めることができる」と統計法に規定されています。

→「報告を拒み、または虚偽の報告をした者」に対して、「50万円以下の罰金に処する」という罰則もあり、とても強制力のある調査です。(前提としては、「対象者からの協力に基づいての実施」となっています)

基幹統計調査

もっとも重要な統計・統計調査に位置付けられ、「統計法」により規定されています。

「国勢調査」「人口動態調査」「労働力調査」など、平成28年10月31日時点で56種類あります。

基幹統計を中心に公的統計の体系的整備が図られます。

統計法より引用

イ 全国的な政策を企画立案し、又はこれを実施する上において特に重要な統計
ロ 民間における意思決定又は研究活動のために広く利用されると見込まれる統計
国際条約又は国際機関が作成する計画において作成が求められている統計その他国際比較を行う上において特に重要な統計
6 この法律において「基幹統計調査」とは、基幹統計の作成を目的とする統計調査をいう。

つまり、基幹統計調査とは国内だけでなく海外においても日本の現状を伝えるために使われる資料の根幹となります。

このように、基幹統計調査である毎月勤労統計調査はとても重要な調査となります。

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まとめ

  • 毎月勤労統計調査は、1923年から90年以上続く基幹統計調査の1つ。
  • 常用労働者が500人以上の事業所は、全数調査がおこなわれることになっている。(それ以外は抽出調査)
  • 基幹統計調査は、統計法に定められており重要性は国内だけでなく国際条約や国際機関においても作成が求められている。

参考

厚生労働省:「毎月勤労統計調査(全国調査・地方調査)」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/30-1.html

総務省:「基幹統計一覧」
http://www.soumu.go.jp/toukei_toukatsu/index/seido/1-3k.htm

基幹統計の概要
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/singi/toukei/2008wg/wg1/wg1_8/sankou_2.pdf

 

 

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