皆さんのご自宅では、都市ガスを利用されていますか?
ただ、なかには私のようにプロパンガス(LPガス)を使われている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
さて、2020年8月16日に「山梨・南アルプス市の倉庫にあったガスボンベが連日の猛暑で破裂したとみられる」と報道がありました。
ただし、この時に爆発したのはヘリウムガス入りのボンベでした。
倉庫の中の温度がかなり高くなっており、ボンベ内の圧力が上昇し破裂してしまった可能性が指摘されています。
それでは、私が普段から使っているプロパンガスは大丈夫なのでしょうか?
今回は、「プロパンガスは猛暑でも安全?」についてご紹介します。
そもそも「プロパンガス」ってなに?
プロパンガスというのは、「液化石油ガス」のことです。
液化石油ガスは、プロパン・ブタンなどの天然ガスを圧縮し、常温で液化できる状態にしたガス燃料です。
→「LPガス」・「LPG」と呼ばれることもある。
例えば、都市ガスはガス導管を通すことで家庭にガスを届けていますよね。
一方、プロパンガスはボンベを家庭に配達することで、ガス導管がなくてもガスの供給ができます。
ただ、身近にガスボンベが置いてあることになります。それでは、このプロパンガスは爆発することはないのでしょうか?
プロパンガスは安全?
そもそも、プロパンガスは「液化石油ガス法(液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律)」により規制されています。
一般消費者等に対する液化石油ガスの販売、液化石油ガス器具等の製造及び販売等を規制することにより、液化石油ガスによる災害を防止するとともに液化石油ガスの取引を適正にし、もつて公共の福祉を増進することを目的
つまり、この法律を遵守することでプロパンガスによる災害が防止できることになります。
例えば、販売店は消費者とプロパンガスの供給を契約したときは、書面を契約者に渡さなければいけません。
- 調査・点検などの保安業務はどの保安機関が実施するか?
- 設備の持つ主は誰か?
- 料金の決め方
- 解約の手続き
こういった約束事が決められています。つまり、何かあったときの責任の所在は決まっており。そもそも、プロパンガスを運んで終わりではなく、定期的に点検がなされています。
ちなみに、調査・点検は資格を持った人が無料で実施しています。また、仮に有料で修理が必要になった場合は承諾なしで勝手に修理されることもありません。
また、プロパンガスの安全な使い方などを分かりやすく記載した書面を手渡すことを「周知」と言いますが、保安機関が1年ないし2年に1回、消費者に周知することになっています。
つまり、プロパンガスを使っている時点で、基本的にはプロパンガスの安全な使い方について利用者は知ることになります。
それでは、プロパンガスの特徴について見ていきましょう。
プロパンガスの危険性は?
「プロパンガスの保管には、当然規制があります・・・」とは、言い切れない部分はあります。
というのも、例えば小容器のプロパンガスを保管する場合・・・
- 屋内:8kg以内
- 屋外:制限なし
このように、例えば「屋内」か「屋外」かで制限の有無が変わってきます。(そもそも、屋外に設置することが原則)
それでは、保管のポイントについて見ていきましょう。
プロパンガスの保管ポイントは?
1.風通しがいい
そもそも、プロパンガスの特徴の1つとして、「空気よりも重い」ことが上げられます。
つまり、もしも漏れてしまった場合は、空気よりも低い位置にガスは留まることになります。
ちなみに、プロパンガスにも、都市ガスのように臭いが付けられていますが、足下の臭いにはなかなか気付けませんよね。
実際、こんな大事故が以前には引き起こされています。
1983年に静岡県のレクリエーション施設にて爆発事故が起きました。
室内にプロパンガスが漏れてしまい火気を使わない様にしたものの機械から火花が出てしまい爆発を起こしてしまったというものです。
被害として1000平方メートルの建物が全壊しけが人27名、死者14名という大事故につながってしまいました。
この事故はガス栓が占められていなかったことが原因
ちなみに、経済産業省によると2018年の一般消費者によるLPガス事故の発生状況は206件でした。
→その内、死亡者:1人・負傷者数:46人
このように、プロパンガスによる事故は未だに200件近く発生していますが、亡くなることは希なことが分かります。(2017年は事故件数193件-死亡者:0人・負傷者:50人)
2. 40℃を越えないこと
つい先日も、気温が41℃を越えていましたが一時的なものではなく、日常的な温度が40℃を越えないようにする必要があります。
直射日光が当たらない・容器が倒れないように平らな場所で保管する。
とはいえ、例えば車に入っているガソリンは200℃で発火しますが、プロパンガスは500℃にならないと火が付くことはありません。
3.発火物から2m以上離れている
容器は、火気から2m以上離して保管する必要があります。
→室外機などの電気設備など。
つまり、プロパンガス容器の保存方法は「火気から2m以上離した、直射日光が当たらない風通しのいい場所」ということになります。
とはいえ、プロパンガスが単体で爆発することはありません。
あくまでも、ボンベの中に入っているプロパンが酸素と結合し、さらに火があれば爆発することになります。
それでは、もしもガスの臭いを感じたらどうすればいいのでしょうか?
ガス漏れに気付くことができたら?
ガス漏れに気付けば、誰もがまずは換気をするでしょう。
ただし、先程の事例でもお伝えしたように、火花で爆発する可能性があります。
そのため、換気扇はまわさずに窓や扉を開けて換気をしないと危険です。(ガスは、足下にたまっているため注意)
そして、ガスの元栓・器具栓を閉じ、ガス容器バルブを閉じます。
そして、契約しているガス会社に連絡して緊急連絡先を確認するなどして緊急連絡先に「ガス漏れしていること・住所・現在の状況」を伝えます。
→24時間連絡可
そもそも、管理会社によってプロパンガスの管理対応は違う!
プロパンガスも、安い料金の会社を選ぶことはできますが・・・
まずは、安心して使えないことには意味がありません。
- 集中監視システムを導入しているか?
→家庭のガスメーターと集中監視センターが連動しており、そもそもガス異常が検知されるとセンターがすぐに分かる仕組み。(異常があれば24時間365日いつでも連絡がくる)
- ガス会社は、「保安に関する法定上:4年に1回検査を行う義務」がある。
→それ以外にも、検査を行っているかを確認する。
料金以上に、安全性を考慮しないと爆発に巻き込まれる可能性はあります。特に、震災時などは必要になるでしょう。
最後に
2020年7月30日、福島県群山市の飲食店で爆発事故があり現場責任者が1人亡くなられています。
コロナ禍で休業に入る前から厨房のガスコンロの調子が悪く使用できないことから、店長の要望を受けてIHに切り替えるコンセントを増設。
→セキュリティ解除前後に爆発が起こってしまったようです。
経済産業省からも、この事故により注意喚起が発表されています。
ただし、この事故はまだ「プロパンガスが原因」とはまだ特定されていません。
ただ、プロパンガスによる事故は毎年どこかで発生しているため油断はできません。ガス会社は料金だけで選ばずに、どんな安全対策をしているか確認してみてはいかがでしょうか?
そして、法律により保管状態は遵守されているとは言え、想定外の猛暑でも安全かどうかは「契約している会社次第」だと言えるのではないでしょうか。
参考
東京都環境局
→https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/safety/gas/lpgas/about_01.html
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